ドラえもんとドラミちゃん [★★★]
[初出誌] 『ドラえもんとドラミちゃん』、「月刊コロコロコミック」1979年9月、18頁、124コマ
[単行本] 『ドラえもんとドラミちゃん』、「てんとう虫コミックス ドラえもんプラス第4巻」2006年1月25日 初版第1刷発行、18頁、124コマ
[大全集] 『ドラえもんとドラミちゃん』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 20」2012年9月30日 初版第1刷発行、18頁、124コマ
【初出誌vs.大全集】
「どうもしずかちゃんがぼくにつめたくなったような…」が「どうもしずちゃんがぼくに冷たくなったような…」に変更[231(4)]
「どこかわるいところがないか、工場で見てもらってるの」が「どこか悪いとこがないか工場でみてもらってるの」に変更[232(3)]
「にいちゃんのるす中はわたしがおせわしますから安心してね」が「お兄ちゃんの留守中はわたしがおせわしますから安心してね」に変更[232(4)]
[梗概] 『ドラえもんとドラミちゃん』という作品はのび太の恋の最強ライバルである出木杉のデビュー作品である。しずちゃんが出木杉と話すときはニコニコとして楽しそうであり、出木杉の二十三回のおしゃべりに対して、のび太はたったの三回である。
出木杉は「頭がよくてハンサムで、スポーツマンで明るくて…」悪いところがひとつもなく、しずちゃんが好きになったらどうしようと、のび太はとても深刻に考えていた。
ドラえもんに相談しようと思って家に帰ると、ドラミちゃんが出迎えてくれた。ドラえもんは自己点検整備のため、工場で検査し、しばらく留守にするので、ドラミちゃんが世話をすることになった。のび太が心の悩みをあんなチビに打ち明けるのは、かっこう悪いことだと考えていたので、ドラえもんが帰ってくるのを待っていた。
しずちゃんを誘うと、出木杉のうちへ宿題のわからないところを聞きに行くんだという返事だった。のび太の気持ちを察したドラミちゃんはひみつ道具である『カムカムキャット』を取り出し、このキャットにしずちゃんを呼んでもらうことにした。
しずちゃんが出掛けると、郵便配達のバイクから手紙が落ちたので、拾って見ると、のび太宛の手紙であった。
のび太が出木杉としずちゃんの勉強している姿を想像すると、許せないという思いで顔を真っ赤にして怒っているところへ、ドラえもんが「タイムマシン」で机の引き出しに戻ってきた。ドラえもんはひみつ道具の『よかん虫』が鳴くから、のび太に何か困ったことが起こっていると思って、飛んで帰ってきたとのことである。
ドラえもんがひみつ道具の『ゴーゴードッグ』を取り出したため、出木杉は家にいられなくなった。しずちゃんが出木杉の家に行っても会えないので、のび太が出木杉の家に出掛けた。
しずちゃんが野比家に手紙を届けに来たけれども、のび太が出掛けた後だった。出木杉は道路工事のため、うるさくて家で勉強できないため、出掛けると、しずちゃんとバッタリ会い、運命の出会いを感じた。
ドラミちゃんとドラえもんの間で、しずちゃんと出木杉の対応を巡って口論になり出した。のび太も、しずちゃんと出木杉が楽しそうに語り合いながら、しずちゃんの家で勉強しようとするシーンを目撃した。
のび太が助けを求めて、家に帰っても、二人の口論はまだ続いていた。ドラミちゃんはネズミと叫んで、ドラえもんを追い出し、のび太を「タケコプター」で連れ出した。
しずちゃんのほしがっているものを調べるために、ドラミちゃんはひみつ道具『イメージ実体機』を取り出し、しずちゃんの部屋にこの機械のピントを合わせて、スイッチをオンにした。
しずちゃんが馬に乗って広い牧場を駆け巡るのがユメであると、出木杉に発言したので、部屋の中に「バヒヒヒ~ン」といななく馬を登場させた。部屋の中では大騒ぎになり、歓迎されていないことがわかったのでスイッチをオフにした。
大笑いしたドラえもんは選挙運動用のひみつ道具『連呼マシン』のアンテナを部屋に向け、二人の会話に「のび太」を連呼するようにした。しずちゃんに見つかり、この作戦も大失敗に終わってしまった。
「ゴーゴードッグ」でママとドラえもんを追い出し、ドラミちゃんはとっておきのひみつ道具である『ムードスタンド』を取り出し、柔らかい光で包んで、静かな音楽の流れる最高のムードになる部屋を作り出した。
「カムカムキャット」でしずちゃんを呼ぶことに決めると、しずちゃんの家にまちがって野比家の大きな小包みが届いた。この小包みを届けに行こうとすると、途中で出木杉に出会い、彼に運んでもらうことになった。
その最中、「まんまる頭の短足ロボット」が庭に倒れているという電話がかかってきたので、のび太とドラミちゃんは大急ぎで出掛けた。
しずちゃんと出木杉が野比家に到着すると、玄関が開けっ放しであったので、ひょっとしてガス中毒ではないかと思い、二人は部屋に上がり込んで調べ始めた。一方、倒れていたドラえもんにのび太が声を掛けると、「とんでいたら、エネルギーポンプがおかしくなって…」と言い出したので、急いで工場で修理するため、わが家までひとまず運んだ。
部屋に入ると、しずちゃんと出木杉が仲良く座り、お帰りと言ってくれた。そして二人は手を取り合って、部屋を出ていった。のび太は「気にしないではやく工場へ行ってよ。なあに、おとなになるまでまだ十年ある。
その間には、きっと逆転のチャンスだってあるさ!!」と元気よく言ってくれたので、ドラえもんは「そうだ! そのファイトだ!!」と激励して、ドラミちゃんと一緒に机の引き出しの「タイムマシン」に乗って、修理に出掛けた。
[S2012・B0420・107909]