ラジコン大海戦 [★★★]

[初出誌] 『ドラえもん大海戦』、「少年サンデー増刊」1976910日号、20頁、119コマ

[単行本]  『ラジコン大海戦』、「てんとう虫コミックス ドラえもん短編第14巻」1978125日 初版第1刷発行、21頁、126コマ

[大全集] 『ラジコン大海戦』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 202012930日 初版第1刷発行、21頁、126コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『ドラえもん大海戦』が『ラジコン大海戦』に変更

 「文字なし」コマ挿入[2255(2)]

「ズン ズシン」「グラ グラ」「ワッ、沈んだらどうしよう」挿入[225(3)]

「メキ メキ」「ギシ ギシ」挿入[225(4)]

 

「終わったな」、「こんどはこっちの番だ」コマ挿入[225(5)]

「文字なし」コマ挿入[225(8)]

「ハークション」コマ挿入[226(2)]

「きみたちちょっと待ちなさい」コマ挿入[226(3)]

 

「こわしたボートを弁償してもらおう」、「貸しボート」コマ挿入[226(4)]

「戦争は金ばかりかかって、むなしいものだなあ」コマ挿入[226(5)]

 

[梗概] のび太はこづかいを節約し、アルバイトに励み、みんなからけちんぼと笑われ、軽蔑されながら、念願のラジコンボートを手に入れることができた。早速近くの公園の池で、進水式を始めた。

 

  のび太がそのボートを快調に「バババ」と走行させていると、戦艦大和がやってきて、「ガガン」とラジコンボートと衝突して、「ゴボ ゴボ」と沈没させてしまった。

 

 スネ夫が「ぐうぜんにもきみらのボートが大和の前をうろうろしちゃって…」と言いながら謝ったので、頭にきた二人が怒りを表すと、「かりかりするなって。べんしょうしてやるよ。あんな安物」と言い訳を言うので、のび太は「スネ夫を殺して、ぼくも死ぬ!」と喚いている。ドラえもんはのび太をなだめ、のび太のボートを弁償するまで大和を乗っ取ると耳打ちしている。

 

 ドラえもんとのび太は「スモールライト」で小さくなって、「タケコプター」で戦艦大和に乗り込み、大和を改造して、もうこっちのコントロールしかきかないようにしている。ドラえもんは艦上からマイクを使って、「戦艦大和はぼくらがあずかった。これから遠洋航海にでかけるから、よろしく」と告げている。

 

 スネ夫は近くの公衆電話から、スネ吉兄さんに大和がドラえもんに乗っ取られたと、連絡を入れている。スネ吉兄さんは「そりゃおもしろい! こういうチャンスを待っていたんだ」と、急いで自家用車に乗って現場にやってきた。

 

 スネ吉兄さんはゼロ戦に魚雷発射装置を取り付け、ラジコン操作によって戦艦大和を沈没させると、宣言した。スネ吉兄さんは怒りまくるスネ夫に対して、もっといいのを作ってやると約束し、実験材料として申し分のない大和に総攻撃を開始した。

 

 戦艦大和を乗っ取ったドラえもんとのび太は威風堂々と、軍艦マーチつきで航海していた。「ブウン ブウン ブウン ブウン」と、12チャンネルで4機バラバラに操縦されたゼロ戦が大和を襲ってきた。

 

  ゼロ戦から投下された魚雷が戦艦大和に命中し、「ドドッ」と轟沈させてしまった。陸上にかろうじて難を逃れたドラえもんは「かさねがさねのらんぼう! もうゆるせぬ!」とひみつ道具『ミサイルつき原子力潜水艦』を取り出し、乗り込んでラジコンで操作することにした。

 

 この潜水艦を見たのび太は「そんないいのをもってて…だったらなにも苦労して貯金しなくても…、コーラも飲まず、クリームもなめず。いじわる! けち!」と顔を真っ赤にして、怒り出した。

 

  ドラえもんは「おい、だれとけんかしてるんだ。じぶんで苦労してかうほうが、よろこびも深いんだよ」となだめながら、「スモールライト」でのび太を小さくして、原子力潜水艦に乗り込んでいる。

 

 スネ吉兄さんがボートの上からゼロ戦をいい調子で操作していたら、「プシュ プシュ プシ ュプシュ」と海中から発射されたミサイルで、全部のゼロ戦を撃墜されてしまった。「ザザザ」と水面に浮き上がった潜水艦の艦上から、ドラえもんはそのボートを沈めると宣告している。

 

  急速潜航した潜水艦に、スネ吉兄さんはゼロ戦に持ってきた魚雷を、何本か「バシャバシャ」と水中に投下したが、巧みに魚雷をかわし、のび太が魚雷を発射して、ボートを「ドガ」と爆破させた。

 

 スネ吉兄さんはボート代を弁償させられたので、「戦争は金ばかりかかって、むなしいものだなあ」と嘆きながら、帰って行った。のび太は家に帰る途中、この潜水艦をもらうことができた。飛行機のラジコンもほしかったが、ドラえもんから「やらないぞ! まず、自分で作るなりかうなり、努力してみろ」と突き放されてしまった。

 

しばらくすると、のび太はパパに苦心して作った飛行機を壊されてしまったと叫びながら、ドラえもんのところへ駆けてきた。しかし、パパから「ぼくがこわしたという飛行機は、この、はなをかんだ折り紙のことかね」と差し出されたので、ウソがばれてしまった。

[S2011A1419097609]