ウラシマキャンデー [★★★]

[初出誌] 『ふしぎなキャンデー』、「小学館ブック」19745月号、15頁、110コマ

[単行本]  『ウラシマキャンデー』、「てんとう虫コミックス ドラえもん短編第9巻」19751125日 初版第1刷発行、15頁、110コマ

[大全集] 『ウラシマキャンデー』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 202012930日 初版第1刷発行、15頁、110コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『ふしぎなキャンデー』が『ウラシマキャンデー』に変更

 「よう、のび太郎」が「よう、のび太」に変更[49(1)]

 「おうい………」が「おーい………」に変更[50(4)]

 「とどけてあげよう」が「住所が書いてあるな、とどけてあげよう」に変更[50(5)]

 

 「重そうだな、にもつをひきうけようか」、「ありがとう、きみはしんせつだね」が「重そうだな、荷物をひとつ引き受けようか」、「ありがとう、きみは親切なやつだあ」に変更[51(1)]

 「これをもってやろう」が「これを持ってやる」に変更[51(2)]

 

 「おい、まってくれえ」が「おい、待ってくれ!!」に変更[51(4)]

 「はあはあ、へえへえ」が「ハアハア、ヘーヘー」に変更[51(5)]

 「学校からまっすぐかえりなさいとなんどいえばわかるの」が「学校からまっすぐ帰りなさいとなんべんいえばわかるの!」に変更[52(2)]

 

 「のびちゃんは人がいいもんね」が「のび太さんは人がいいもんね」に変更52[(5)]

 「しんせつをわすれちゃだめ」が「親切をわすれちゃだめっ」に変更[53(7)]

 「すててきてくれたの」が「すててきてくれた?」に変更[54(5)]

 「あんなのが家の中にいるなんてこわくて……」が「あんなのが家の中にいるなんてこわくてこわくて」に変更[54(6)]

 

 「あれ、さっきの姫子さんの家だ」が「あれっ、さっきの姫子さんの家だ」に変更[56(7)]

 「のび太郎さん、いいかげんにかえらないとかみなりがおちそうだわ」が「のび太さん、いいかげんに帰らないとカミナリが落ちそうだわ」に変更[58(3)]

「文字なし」コマ挿入[58(7)]

「かえらなくちゃ」、「まだいいでしょう」コマ削除[147(7)]

 

 「これでのび太郎さんのにおいをつけて行けるわ」が「これでのび太さんのにおいをつけていけるわ」に変更[60(5)]

 「こんどこそ………ゲップ、かえらせていただきます」が「こんどこそ………ゲップ!帰ります」に変更[60(6)]

 

 [梗概]  みんながみよちゃんの家に遊びに行くので、のび太はみんなのカバンを届け、その上、家の人に連絡する役を強引に引き受けさせられた。重いカバンを「フウ フウ」と運んでいると、のび太の好きなタイプの女の子が「ポト」と何かを落とした。

 

  拾ってみると、竜宮姫子さんの定期であったので、届けてあげようとしたら、代わりにズル木がその定期を竜宮さんに届けたので、とても感謝された。

 

 重いカバンを「ヨタ ヨタ ズル ズル」運んで、ジャイアンのかあちゃんやスネ夫のママなどに親切に届けると、のび太が代わりに叱られることになってしまった。家に帰っても、ママから「こんなおそくまで、どこでみちくさくってたの」と怒鳴られてしまった。

 

  のび太はドラミちゃんの前で、「もういやだ! ぼくは、いいことだと思って…ひとにはしんせつにしなくちゃと思って…それなのに…、ひとことでもありがとうなんていわれたことがないんだ」と強く訴えた。ドラミちゃんも同情して、ひみつ道具『ウラシマキャンデー』を出してくれた。

 

 親切に、ママの大嫌いなゴキブリを捨ててくると、ママから今月二度目のおこづかいをもらうことができた。クサリの絡まったイヌを助けると、イヌがここ掘れ、「ワン ワン」と吠えるので、花さかじいさんのような気分になって穴を掘ると、五本の骨がでてきた。袋をかぶせられたネコを助けると、ネズミをプレゼントされた。

 

 往来を歩いていると、姫子さんのママが石につまずいて、「グラリ」となって、手に持っていた箱を落として倒れてしまった。しかし、のび太が地面に落ちる寸前に、この箱を「パッ」とつかむことができた。この箱の中には、千年も昔の中国のかめで何百万円もするものが入っていた。

 

姫子さんの家で、あなたはかめの恩人ですと言われながら、ちょっと大げさすぎる大歓待を受けることになった。姫子さんのバレーを見ていると、のび太は「なんだか浦島太郎ににてるなあ」と思った。

 

 家では、ママが「ことわりもせず飛び出していって、宿題もすまさないで…」と今にもカミナリがおちそうな状態になっていた。一方、のび太は「ただめずらしくおもしろく、月日のたつのも夢のうち」と歌いながら、優雅に姫子さんと庭の鯉にエサを与えていた。

 

  ママの顔が浮かんできたので帰ろうとすると、姫子さんが「キャア」と叫んだので、飛んで行くと、背中に毛虫がついていたので、取って上げた。

 

姫子さんから「この、ご恩は、一生わすれないわ」と言われ、再度、おもてなしを受けることになった。家では、ママが「カン カン」になって、「かえってきたら一時間ぐらいおせっきょうしなくちゃ」と腹を立てていた。ドラミちゃんはひみつ道具『強力においついせき鼻』を出して、のび太を探しに出掛けた。

 

大歓迎で、のび太はグロッキー寸前であった。姫子さんやママはまだ何もご恩返しがすんでいないと言いながら、帰れないようにするため、おもてなしの準備をしたり、くつを隠したりしていた。

 

のび太がひとりになって、このキャンデーは、ききめが強すぎるとつぶやいていると、ドラミちゃんが「強力においついせき鼻」でのび太の居所を見つけて、窓から「タケコプター」で連れ出してくれた。

 

 家に帰って、「ソロリ ソロリ」と廊下を歩いていると、ママが「ガラリ」とふすまを開けて、「ガミ ガミ ガミ」とお説教をはじめた。突然、ママが「キャア」と叫んでどこかへ行ってしまった。そのすきに自分の部屋に入ると、ママがやってきて、再びお説教を始め出した。

 

しばらくすると、ママは「キャア」と叫んで、部屋の中を「ゴソ ゴソ」動くゴキブリを見て、部屋の外から、もう怒らないから追い出してと頼んでいた。この光景を見て、のび太は「さっきはなしてやったゴキブリの恩返しだね」とドラミちゃんに語りかけている。

[S2003A0909087405]