テレビ局をはじめたよ [★★★]

[初出誌] 『のび太郎 テレビ出えん』、「小学館BOOK19742月号、15頁、106コマ

[単行本]  『テレビ局をはじめたよ』、「てんとう虫コミックス ドラえもん短編第11巻」1976725日 初版第1刷発行、15頁、106コマ

[大全集] 『テレビ局をはじめたよ』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 202012930日 初版第1刷発行、15頁、106コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『のび太郎 テレビ出えん』が『テレビ局をはじめたよ』に変更

 「えっ、みよちゃんも?」、「のび太郎さんもよばれたの?」が「えっ、しずちゃんも?」、「のび太さんもよばれたの?」に変更[16(4)]

 

 「のび太郎さんの顔ばっかりずーっとうつってるのよ」が「のび太さんの顔ばっかりずーっとうつってるのよ」に変更[20(4)]

 「野比のぶ子先生をごしょうかいします」が「野比玉子先生をご紹介します」に変更[23(2)]

 

 「みなさん、戸手茂できる先生の宿題でございます」が「みなさん、戸手茂できる先生の宿題講座でございます」に変更[24(7)]

 「いい気もちで、おふろの中で………」が「いい気持ちでおふろにはいって」に変更[26(6)]

 

 「このおかしがですな、いかにうまいかというせんでんをしたいのです」が「このおかしがですが、いかにうまいかという宣伝したいのです」に変更[27(4)]

 「番組のていきょうしゃは、このわしですぞ」が「番組を提供するのはこのわしですぞ」に変更[27(6)]

 

[梗概] きどりくんが町内の子どもたちに電話を入れて、急いで集まるように命令している。テレビの『ジャリっ子歌じまん』で、司会者から「木鳥高夫さん」と紹介されると、「アルプスの少女~」と歌い出す姿が画面に映し出された。

 

 木鳥は申し込みが多くて、全国大会に出るためには予選で選ばれたもののみが出場し、歌もうまくないとこまるし、顔もよくないと…と、「ペラ ペラ」みんなの前でしゃべり出した。そして、「あまりうらやましがるな。しょくんにも、そのうちチャンスがあるかもね」と話は「ドンドン」エスカレーションしていった。

 

 みんなは出てくれと言われても、出ないと強がりを言っていたが、「ジャリっ子歌じまん」の申し込み用紙に名前を書いてポストに投函する時、みんなはぶつかり合ってしまった。のび太もあまりにも多いライバルをみて、もっと多くのハガキを出そうと思った。

 

のび太がどうしてもテレビに出たいというので、ドラミちゃんはひみつ道具『テレビ塔』を出し、テレビの上にセットして、テレビの前で、のび太が「メダカの学校は川の中~」と歌い出した。すると、町内の子どもたちがやってきて、どのテレビ局ものび太しか映っていないと言い出した。

 

このひみつ道具はテレビがテレビカメラと放送局になり、近所だけでなく全国のテレビにも映すことのできるものである。ドラミちゃんが町内の子どもたちに対して、のび太社長と打ち合わせて時間表を作り、あなたたちの出る番がきたら出演を頼みますと言って、ひとまず家に帰ってもらっている。

 

 番組編成会議の結果、のび太がニュースを読んだり、ワンマンショーで歌を歌ったりしたが、大ブーイングであったので、番組を変更して、ママに料理番組に出てもらった。

 

 テレビに映っていることも知らないで、夕ご飯の作り方を聞く番組で、「作り方なんてべつに…。特売コロッケに、お昼の食べのこしのおつゆとゆうべあけたカンヅメ…」といった内容が流れてしまった。

 

名誉挽回のため、戸手茂できるくんに教育番組に出演してもらい、宿題の算数の問題を解説してもらうことにした。すると、視聴率がとてもいいので、松の湯の主人から一時間千円でスポンサーになりたいという申し出があった。

 

しずちゃんが「出演まだ」とやってきたので、しずちゃんにコマーシャルタレントになってもらうことにした。いい気持ちでお風呂の中で、おふろは「松ノ湯」と言ってもらおうとしたら、しずちゃんが怒ってのび太を「ドブン」と、湯船に突き落としてしまったので、急きょのび太がコマーシャルタレントの第一号になった。

 

   お菓子屋の主人がスポンサーになってお菓子の宣伝をしたいとやってきた。歌謡ショーを次の番組に考えていたけれども、番組の提供者であるお菓子屋の主人から、浪花節をぜひうなりたいという申し出があった。スポンサーには勝てなくて、主人が顔を真っ赤にして、「たびィゆけばァ~」とうなりだした。

 

 のび太はコマーシャルの練習をするために、いろんなお菓子を「パク モグ モグ」と食べながら、「うまいっ」とカメラリハーサルをしていた。もっと口をあけないとうまそうに見えないので、何回もやり直したりしていた。

 

 一方、お菓子屋の主人が広沢虎三の名文句「江戸っ子だってね。スシくいねえ」と、テレビで演じても、評判が非常に悪くて、電話が「ジャン ジャン」かかってきた。

 

 浪花節の続きは、来週のお楽しみにと強引にやめてもらって、のび太が練習したお菓子のコマーシャルを始めた。練習のしすぎで、おなかがいっぱいになっていたので、「馬井屋のおかしは…。とても…。ゲーップ 食べられやしない! オエ~」とやったため、スポンサーにぶん殴られてしまった。

 

 となりの部屋では、待ちくたびれたしずちゃんがバイオリンを弾き、ジャイアンがプロレスを始め、町の男の子や女の子を好きなことを始め出した。そのため、部屋の中は、「ゴア~ ガー ワー ギリギリ ギャー キエーッ ウオー」と騒然たる状態になってしまった。

 

 のび太はジャイアンのプロレスのキックをアゴに受け、ドラミちゃんはみんなに向かって、「放送は、おしまい!」と叫んでいた。

[S2001A1111087402]