野生ペット小屋[★★]
[初出誌] 『野生ペット小屋』、「てれびくん」1983年1月号、12頁、84コマ
[単行本] 『野生ペット小屋』、「てんとう虫コミックス ドラえもん短編第30巻」1984年4月25日 初版第1刷発行、14頁、99コマ
[大全集] 『野生ペット小屋』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 19」2012年6月30日 初版第1刷発行、14頁、99コマ
【初出誌vs.大全集】
「そろそろ乳ばなれさせなくちゃ」コマ挿入[73(5)]
「バナナ食べるかな」コマ挿入[73(6)]
「よろこんでたべてる」コマ挿入[73(7)]
「のびちゃん、宿題は!?」コマ挿入[73(8)]
「だめっ、勉強がおわるまで遊べないの」、「あせってかたづける!」コマ挿入[74(1)]
「もうおわった。きせきだ」コマ挿入[74(2)]
「さあ~遊ぼうぜ」、「パオン」コマ挿入[74(3)]
「バシャ」コマ挿入[74(6)]
「一頭こっちをじっとみてるよ」コマ挿入[76(1)]
「ドドドッ ドドドッ」コマ挿入[76(3)]
「キャッ、むかってくる!!」、「なんでなんで!!」コマ挿入[76(4)]
「にげろっ!!」コマ挿入[76(5)]
「ハナちゃんのママだ!!」、「とりかえしにくる!」コマ削除[153(2)]
「ズシン」、「ドシン」コマ挿入[76(7)]
「やっとあきらめたらしい」、「かえっていったよ」コマ削除[153(4)]
「ひょっとして、ハナちゃんのママじゃないか?」、「そうか! とり返しにきたのか!!」コマ挿入[77(1)]
「いまさらかってだよ!!」、「小屋をしまってくれ。二度とアフリカへはつれていかない」コマ挿入[77(2)]
「ハナちゃんのママ、まだあそこにいるかな」、「さあ……」コマ挿入[77(7)]
「いるぞ!!」、「こっちをむいて、じっとたってる」コマ挿入[77(8)]
[梗概] しずちゃんの飼っていたカナリヤのピーコちゃんはストーブのガス管がはずれていたことを知らせてくれた。ジャイアンのムクは忍び込もうとした泥棒をつかまえ、スネ夫の飼っている血統書付きのシャムネコのアンナはママのなくした一千万円のダイヤを見事に見つけてくれた。
動物というものはかわいがってやれば、かならず答えてくれるもんだという結論になった。
のび太はライオンとかゾウとかを飼って、みんなをアッと言わせたかった。ドラえもんはのび太から、「なんとかできると思うんだ。ただのロボットじゃないんだから」とおだてられたので、ひみつ道具『野生ペット小屋』を取り出した。
「どこでもドア」と似ているが、「ダイヤルで移動して、好きな動物を探す」ことのできるものである。のび太は群れをはなれて、迷子になっているらしい赤ん坊のゾウを飼うことに決めた。
牛乳ビンを「ビッグライト」で大きくして、ミルクを飲ませたが、飲まないので「桃太郎印のキビダンゴ」を溶かして飲ませることにした。元気になったので、のび太はゾウにハナちゃんという名前をつけた。この小屋のダイヤルをロックしておくと、「いつでもゾウがどこへいってても、ボタンを押せば、ゾウのそばに出口が開く」ことになる。
夜中に「パーオン」となくので、のび太が小屋のスイッチを押すと、ハイエナの群れに取り囲まれていた。のび太はもう少し大きくなるまで、ハナちゃんと朝までふとんの中で寝ることにした。
のび太は毎日楽しくなり、乳離れさせるため、バナナを「ビッグライト」で大きくして与えている。毎日アフリカの大地でハナちゃんと腕相撲したり、水浴びをしたり、ターザンごっこをして、真っ黒に日焼けしている。
ある日一頭のゾウがハナちゃんをじっと見てから、「パオン ドドドツ ドドドツ」と追いかけてきたので、ひとまず小屋に避難することにした。
ゾウのママがハナちゃんを取り返しに来たのではないか、とドラえもんに指摘されると、のび太は「スモールライト」を出してもらって、ハナちゃんとずっといっしょにくらすんだと主張している。その晩、日本は寒くて狭いので、ハナちゃんは風邪をひいてぐったり寝込んでしまった。
小屋の外ではママがじっとこちらを見ているので、のび太はハナちゃんを押し出してママのほうへ押してやると、「バルル…」と思い出して、ママと一緒に戻っていった。
のび太は空を見上げながら、「ほっとしたような、さびしいような……」、ドラえもんもかたわらでどら焼きを食べながら、「きっとアフリカで、しあわせにくらしているさ」と楽観視していた。
[S1945・A3007・078301]