ジャイアンテレビにでる! [★★★]
[初出誌] 『ジャイアンテレビに出る』、「てれびくん」1982年12月号、12頁、77コマ
[単行本] 『ジャイアンテレビにでる!』、「てんとう虫コミックス ドラえもん短編第30巻」1984年4月25日 初版第1刷発行、12頁、77コマ
[大全集] 『ジャイアンテレビにでる!』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 19」2012年6月30日 初版第1刷発行、12頁、77コマ
【初出誌vs.大全集】
変更なし
[梗概] ジャイアンはスネ夫に「おまえの父ちゃん、テレビ局の社長の友だちだろ。じゃ、おれをテレビで歌わせるぐらい、わけないだろ。しっかりたのめよ。楽しみにまってるからな!」と命令してドカンのある広場から家に帰っていった。
スネ夫は近くにいたドラえもんとのび太を見て、「なんとかおねがい…、たすけて~、おねがい」と叫んで、「タケコプター」で逃げる二人を追いかけてきた。
「あんなこと、神さまだってむりだよ」とドラえもんは考えたが、夜中になると、スネ夫がかわいそうになって、なんとかならないかと、「わりこみビデオ」で歌手の録画にジャイアンの顔をはめこんでみたけど、なんかしっくりこなかった。
やはりむりだとテレビのスイッチを「パシ」と切ると、「ザー…」という画面が流れた。この画面を見て、すばらしいアイディアが閃いた。
スネ夫から、「あけぼのテレビ」で三時から二時間のワンマンショーを放映するという話を聞いて、ジャイアンは「ルン ルン」気分になった。
ジャイアンは「ついに、デビューのときがきた。失敗はゆるされない! すばらしい番組にしなければ」と思い、ドラえもんに電話で「セットはごうかにしてほしいね。バンドも一流の…」ときびし注文を出している。ドラえもんも「だいじょうぶまかしておけって。きみは、ただ歌えばいいの」といって電話を切っている。
真夜中の二時半にジャイアンはドラえもんに起こされた。三時からテレビに出るんだと伝えると、ジャイアンは「ばかやろ!! こんな時間にだれがテレビを!!」と怒鳴るので、ドラえもんも「こんな時間だから、やれるんじゃないか!」と言い返し、「夢ふうりん」でみんなを起こして、テレビをつけさせる案を出した。もし、「もんくをいうならやめる!!」と断言した。
「どうせ夜中は、テレビ局の設備が遊んでるから、使わせてもう」といったすごい思いつきで、あけぼのTVに出掛けると、カギがかかっていたので、「通りぬけフープ」で広いスタジオに入った。
ドラえもんは早速、カメラに「ロボッタ-」をつけ、バンドは「ムードもりあげ楽団」、衣装は「着せかえカメラ」、セットは「立体映像」を活用することになった。
三時まであと一分であったので、ドラえもんはみんなを「ユメ風鈴」で起こすため、スタジオの外に出た。しかし、「四次元ポケット」に手を入れても「ユメ風鈴」がないことがわかったので、みんなを起こせなくなってしまった。
ドラえもんはのび太にあすの朝みんなに言っとけよ。ジャイアンに感想を聞かれたら、「よかった」とか「感動したと答えろと指示している。そして、ドラえもんとのび太は「ジャイアンは、テレビ局で歌っただけで、満足してるさ。いまごろ、ひとりで歌いまくってるだろうな」と会話を交わしながら、「タケコプター」で帰宅した。
「ところが…、たった一人この歌をきいた、不幸な人があったのだ!!」 クラスの担任の先生が「フガ~」とイビキをかいていたら、つけっぱなしのテレビから音楽が流れてきて、目をさますことになった。
「それにしても、こんな時間になんの番組…」と思って起きあがって画面を見ると、「ジャガジャーン」とひどい歌が流れてきた。
先生が「は、はやくスイッチを…」と手を伸ばす前に、テレビの前で「バタ」と倒れてしまった。次の日、のび太は「なぜか先生が学校を休んで、テストはお流れ。ばんざあい」と喜色満面の顔で帰ってきた。
[S1944・A3009・078212]