変身・変身・また変身 [★★]
[初出誌] 『変身ドリンク』、「てれびくん」1982年10月号、14頁、87コマ
[単行本] 『変身・変身・また変身』、「てんとう虫コミックス ドラえもん短編第34巻」1985年8月25日 初版第1刷発行、13頁、95コマ
[大全集] 『変身・変身・また変身』、「藤子・Ｆ・不二雄大全集 ドラえもん 19」2012年6月30日 初版第1刷発行、13頁、95コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『変身ドリンク』が『変身・変身・また変身』に変更
「馬のなかまの進化」が「馬の進化」に変更[123(6)]
「ゾウのなかまの進化」が「ゾウの進化」に変更[123(6)]
「文字なし」コマ挿入[126(3)]
「これで進化のスピードが、グンとアップしたはずだよ」コマ挿入[127(7)]
「空き地に動物園がいるって？」が「空地が動物園になっているって？」に変更[129(8)]
「なんにも思わないうちに…」、「チラッとネコをみただけで…」コマ挿入[131(4)]
「また！」コマ挿入[131(7)]
「早くかえろう」が「のび太にもどろう」に変更[132(1)]
「いやだめだ！」、「はだかなんだ」、「いそいで家に帰るしかない」コマ挿入[132(2)]
「文字なし」コマ挿入[132(4)]
「早くほかのものにかわって！！」、「わかったよ！」コマ挿入[132(8)]
「ギャー」コマ挿入[133(1)]
【単行本vs.大全集】
「空地が動物園になっているって？」が「空き地に動物園がいるって」に変更[515(8)]
[梗概] スネ夫と一緒に追いかけられ、ジャイアンに捕まって、「POKA BOKA」と殴られたのはのび太であった。家に帰って、ドラえもんに｢馬みたいに速く、ゾウみたいに強くなれないかな｣と相談すると、なれるという返事であった。
馬やゾウが昔から強かったかという話で始まり、馬もゾウも｢きびしい大自然の生き残り競争に勝ちぬくため、速く強く進化していったんだよ｣と、ドラえもんは熱く語った。のび太ははじめてそのことを知ったが、何千万年もかかっちゃ間に合わないというので、ドラえもんはひみつ道具『変身ドリンク』を出すことにした。
このドリンクを飲んで好きな動物のイメージを強く心に描くと、進化はむりであるけれども、変身することが可能である。のび太が精神を集中して、馬の姿を思い浮かべていると、「ピク ピクピク ヒヒヒーン」と変身に成功することができた。
正確な馬の形を考えなかったので、あんまり格好のよくない馬であったが、効き目は六時間続くものであった。
馬の姿で外出すると、はる夫や安雄に｢あっ、犬が服きてる。カバみたいなブタみたいな犬だ｣と言われてしまった。
｢一度元へ戻ろう｣と思ったら、簡単にもとののび太に戻ることができた。ドカンのある広場でジャイアンとスネ夫がいたので、「ベ～」と叫ぶと、追ってきたので、｢ここでさっと馬に変身…｣と思っている最中に捕まり、「POKA BOKA」と殴られてしまった。
一本じゃ効き目がうすいと気づき、ドラえもんがいないので、思い切って残り全部の四本を｢グイ グイ」と飲んでしまった。さらに、動物図鑑で動物の姿を正確に頭にたたき込んだ。変身のスピードがグンとアップしたと確信して、再度、ジャイアンたちに｢ベ～｣と叫んだ。
追いかけてきたのでウサギに変身し、相手を素早くかわし、ドカンの後ろに隠れた。次に、｢バオーン｣とゾウに変身し、二人を痛めつけて、｢二度とぼくをばかにするなよ｣と命令している。なんにでも思っただけでパッと変身できるので、ライオン、クロヒョウ、ゴリラに変身し、カミナリさんなど町内の人々をビックリさせておもしろがっていた。
町内の人々が交番に、空き地が動物園になっていると訴えたので、｢ピポー ピポー｣とパトカーが出動した。ワニに変身して遊んでいたが、やりすぎに気づき、のび太に戻ったところへ、おまわりさんがやってきた。
服も着替えることができず、ひとまずネズミに変身してドカンの陰へ逃げ込んだ。広場に落ちていた服をみて、おまわりさんは｢子どもがたべられたらしい！！｣と叫んでいた。
ネズミに変身して逃げる途中、野良猫のクロに追いかけられ、なんにも思わないうちに、チラッとネコを見ただけで、野良猫のクロにひとりでに変わっていた。ドリンクを飲み過ぎたため、変わりやすくなり、屋根の上から犬を見ると、犬に変身し、｢ズル ズル ズル｣と屋根を滑り落ち、落ちる時鳥かごのインコを見たため、インコに変身してしまった。
空を飛びながら、｢のび太に戻ろう。いやだめだ！ はだかなんだ。いそいで家に帰るしかない｣と考えていると、庭で水をまいているしずちゃんの姿が目に入った。しずちゃんに変身し、はだかのママしずちゃんの目の前に落下したので、しずちゃんは｢キャー｣と叫び、バケツの水をぶっかけてきた。
｢ぼくだよ。のび太が変身してるんだよ｣と弁解すると、しずちゃんは｢なおさらキャー。はやくほかのものにかわって！！｣とせき立てるので、目の前のカエルを見て変身し、カエルの姿で｢ドラえも～ん」と叫びながら、野比家の玄関に入ることができた。
玄関で目の前をゴキブリが横切ったので、ゴキブリに変身すると、ママからほうきで、｢ゴキブリ！！ バシ バシ｣と叩かれてしまった。スッポンポンで満身創痍ののび太を見て、ドラえもんは｢だからいったのに｣と困惑した表情でつぶやいていた。
[S1942・A3413・078210]