キャラクター商品注文機 [★★]
[初出誌] 『キャラクター商品注文機』、「てれびくん」1982年9月号、11頁、81コマ
[単行本] 『キャラクター商品注文機』、「てんとう虫コミックス ドラえもん短編第28巻」1983年8月25日 初版第1刷発行、11頁、81コマ
[大全集] 『キャラクター商品注文機』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 19」2012年6月30日 初版第1刷発行、11頁、81コマ
【初出誌vs.大全集】
変更なし
[梗概] ジャイアンは「かめライダー」、しずちゃんは「アサレちゃん」、スネ夫は「バンダイ」のキャラクター商品が自慢のタネであった。のび太は聞かれたので、「もってるよ!! みんなのをあわせたより、もっともっといっぱい」と、口からでまかせを言ってしまった。
家に帰ってママに頼もうとしたが、ママがお客さんに「キャラクター商品をねだられても、ぜったいに買わないのが、うちの教育方針である」と言うことを耳にしてしまった。ドラえもんもママのいうことが正しいというので、のび太は全財産をつぎ込んで買おうとした。
しかし、全財産三十七円では、二十年前にはやった「オバケのO太郎」のノートを買うのが精一杯であった。あんなもも買ってもばかにされると思いながら、家に帰ると、玄関前でジャイアンとスネ夫が「なんにももってないからにげたんだ。まちぶせしよう」と話し合っていた。
のび太は「あ~、ぼくはもうおしまいだ。生きるのぞみをうしなった」と泣いていた。ドラえもんが探しに出掛けると、のび太は往来で座り込んで、ラジコン自動車を運転する男の子に、「ひと思いにひいてくれ」と頼んでいた。
ドラえもんは「ばかばかしい。くだらない」と思いながら、のび太に「だれももっていないすてきなキャラクターをいってみな」と誘導すると、「建設巨神イエオン」と言うので、イエオンのスケッチブックをどこかで手に入れてきている。
そのスケッチブックを見せると、ジャイアンもスネ夫もすごいと驚いたが、これひとつじゃ威張れないと言われてしまった。
ドラえもんにあと二つか三つと頼むと、「ほら、始まった!!」となり、「一生のおねがい」と強引に頼まれたので、「これが最後だぞ。ついてきちゃだめ!」と言いながら、ひみつ道具『キャラクター商品注文機』の置いてある秘密の場所に出掛けた。
この機械は「キャラクターをみせて、ほしいもののボタンをおせばいい」というものである。のび太もついてきちゃだめと言われたので、ますますその場所が知りたくなり、こっそりつつけることに成功している。
ドラえもんに出してもらったプラモとポスターとペンダントを、ジャイアンとスネ夫に見せると、「うらやましい…」となり、ぜひ売って欲しいと懇願された。のび太が「じゃあね、三十分後にあき地で、大売り出しをしよう」と告げたので、二人はこづかいのありったけ持って空き地に出かけている。
のび太がこっそり部屋に入ると、目の前にボタンのたくさん付いた機械があったので、「ポン」と押すと、「プル プル プル ポコ」と「のび太ゲーム」が出たきた。のび太ははじめてこの機械のレンズに写ったものが商品になることを知った。
「のび太商品なんて世界のどこにもないぞ!! かわいくて、かっこよくて、みんな大よろこびまちがいなし!!」とはしゃいでいた。
ドラえもんがこの機械の置いてある部屋の前に来ると、中から、「わ、こりゃすごいぞ。これもおもしろい。すごいすごい」というのび太の声が聞こえてきた。
ドラえもんが「それは注文機だぞ!! 注文した品は、あとで代金をはらうんだぞ!!」と注意しても、のび太は「いいんだ。みんなにうって、大もうけするから」と全く相手にしなかった。
ドカンのある広場に、ゴザを引いていま作ったばかりの商品を並べ、さあ~いりゃっしゃい、早い者勝ちだよと言いながら、商いを始めた。
商品を見て、ジャイアンは「のび太のプラモや超合金!!」、スネ夫は「そんなかっこ悪いもの、ただでもいらないや!!」、はる夫は「のび太えんぴつ? 字がへたにかけそう」、安雄は「のび太ノート? 成績がさがるんじゃないの」といって、何も買わないで帰ってしまった。
しずちゃんに女の子むきの品、のび太の顔の描かれたパンティをすすめても、全く無視されてしまった。のび太は大きな風呂敷包みに、全く売れなかった商品を包んで持って帰り、ドラえもんに「なんとか返品できないかしら」と懸命に、泣いて訴えていた。
[S1941・A2815・078209]