翼ちゃんがうちへきた [★★]

[初出誌] 『コピーとりよせ機』、「てれびくん」19826月号、11頁、76コマ

[単行本]  『翼ちゃんがうちへきた』、「てんとう虫コミックス ドラえもん短編第29巻」1984125日 初版第1刷発行、11頁、76コマ

[大全集] 『翼ちゃんがうちへきた』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 192012630日 初版第1刷発行、11頁、76コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『コピーとりよせ機』が『翼ちゃんがうちへきた』に変更

 

[梗概] スネ夫のパパはテレビ局のえらい人と友だちであるので、スネ夫はふらっと遊びにいって、丸師丸弘子やでめきんトリオと並んで写真を撮ってもらっている。

 

  さらに、きょうは伊藤翼の誕生パーティーに呼ばれているので、ジャイアンが「お、おれ、大ファンなんだ。サインもらってよ」と頼むと、スネ夫は「パーティーでサイン頼むなんてイモだよ、ま、たのんではみるけど。あてにしないでよ」と好き勝手なことを言いまくって、みんなと別れている。

 

 のび太はうらやましいので、ドラえもんに「テレビ局のえらい人と、しりあいのパパをだして」と無理な注文を出すので、「きみの悪い点は、やたらに人のことをうらやましがることだ」と注意した。

 

  しかし、「え!? スネ夫が、伊藤翼の誕生パーティーに!? うらやましい!! ぼくは翼ちゃんの大ファンなんだぞ」とうらやましがりながら、ひみつ道具『コピーとりよせ機』を「ピピー ピー ガー ガー」と操作して、翼ちゃんの立体コピーをのび太の部屋に作り出している。

 

 「本物がしゃべったり動いたりしたら、コピーもそのとおり動く」ものである。翼ちゃんが「ママー、つまんない。お誕生日なのに、お仕事ばっかり。パーティーをお正月までのばすなんていやだァ」と言うので、スネ夫がパーティーに呼ばれたというのはうそであることがバレてしまった。

 

 のび太はどうみても本物そっくりなので、写真を一緒にドラえもんに撮ってもらった。翼ちゃんのホホを「チョン」とついたり、肩を組んだりするので、ドラえもんが「なれなれしいぞ!!」と注意したあまり、その勢いで二人をひっくり返してしまった。

 

  翼ちゃんもママに「だれかが、突き飛ばしたのよ。ほんとよ!」と告げていた。そのため、ドラえもんはのび太ににらまれて顔を赤くしている。その後、ドラえもんの翼ちゃんと並んでるところをのび太に写真を撮ってもらっている。

 

 その後、翼ちゃんはテレビ局へ移動して歌番組で歌を歌い出した。ドラえもんとのび太は「このへやで、翼ちゃんの歌がきけるなんて。しあわせだなあ」とうっとり聞き惚れていた。ジャイアンとしずちゃんにこうした写真を見せるとアッと驚いていた。

 

  しずちゃんが「きょうはお誕生日パーティー…」と尋ねるので、のび太は「そんなひまあるもんか。テレビや映画や雑誌の仕事が、夜中までギッシリ。そんな気のどくなスターたちが、息ぬきのために、ぼくのうちへくるんだよ」と自慢し、帰り際に「そうそう、田原のとんちゃんがくるんだ。こうしちゃいられない」と言って別れた。

 

  しずちゃんが追いかけてきて、大ファンのトンちゃんに会いたいというので、「いちおうきいてみるからまってて」といって玄関に入った。

 

 「コピーとりよせ機」で西宝撮影所を写し出すと、トンちゃんは出番を待っている間、昼寝をしていた。のび太はしずちゃんに「ひどくつかれているから、話しかけたりさわったりしないように」と注意して、部屋に入ってもらった。

 

  しずちゃんは「こうして顔みてるだけで、しあわせ…」と感激してくれた。突然、トンちゃんが起きてかけだしたので、のび太が「ねぼけたんだよ。きょうはこれまで」と話すと、しずちゃんは「本物のトンちゃんにあえたなんて夢みたい」と満足して帰って行った。

 

 ジャイアンも「アクションスターの千葉県一にあわせないとひどいぞ」と言ってやってきた。アクションシーン撮影中の千葉に「おれ、大ファンです。けんかの勝ち方教えて」と話すと、「コキン」と足蹴りされて気絶してしまった。目がさめると、「千葉県一からけんかの個人教授をうけたぞ。ひじょうにためになった!!」と大感激して帰って行った。

 

 帰りの途中、「どのくらい強くなったか、早くためしてみたい」と考えながら歩いていると、スネ夫がやってきて、「いやあ、盛大なパーティーだったよ。有名なスターでいっぱい。トンちゃんとか千葉県一とか」とおおぼらを吹いたので、ジャイアンは足蹴りとパンチで、「この、大うそつき!!」と怒りを爆発させていた。

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