まんがのつづき [★★]

[初出誌] 『早くつづきをみよう』、「てれびくん」19825月号、11頁、78コマ

[単行本]  『まんがのつづき』、「てんとう虫コミックス ドラえもん短編第31巻」1984825日 初版第1刷発行、11頁、78コマ

[大全集] 『まんがのつづき』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 192012630日 初版第1刷発行、11頁、78コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『早くつづきをみよう』が『まんがのつづき』に変更

 

[梗概] ジャイアンは発売一日前の『週刊少年ジャブン』をみんなに見せびらかしていた。「となり町の駅前の本屋、あそこだけ一日早く店に」出るためであった。「アハハハハ」と笑いながらやってきた、スネ夫は来週の『アバレちゃん』の試し刷りをもってきた。例のとおり、うちのパパが出版社の社長さんと友だちであるという理由であった。

 

 のび太から「アバレちゃん」の話が出たので、ドラえもんが尋ねると、「今、大人気のまんがだよ。女の子のロボットが主人公で」、「ロボット? ぼくみたいの?」、「そんなタヌキみたいじゃないよ。すっごくかわいらしくて強くって…」と会話が続いた。

 

 ドラえもんは「ムス…!」となり、ひがんでのび太の得意なポーズを取って黙り込んでしまった。その上、「タイムマシン」のカギも抜かれてしまった。

 

 のび太はあきらめないで、アバレちゃんをいちばん早く読むには、作者の島山あららのアシスタントになることだと考えた。近くのフニャ子先生に住所を尋ねたが、「しるか!!」と蹴飛ばされてしまった。

 

 『少年キングコング』の編集者が島山先生のところへ原稿を取りに行くということを耳にしたので、先生のアシスタントと偽って、タクシーで先生のお宅へ行くことになった。

 

 先生は「ぼくはしらないよ」と言ったけれども、月給もいらないというので、べた塗りを手伝せてもらった。しかし、原稿を「ベタベタによごしちゃって!!」と叱られ、ほっぽり出されてしまった。

 

 家に帰ると、ドラえもんが「アバレちゃん」のマンガをとてもおもしろく読んでいたので、早く次が読みたくなった。それで、衛星中継で島山先生の家を映すと、大勢の雑誌記者に囲まれて原稿を催促されていた。

 

 まるっきり仕事が進まないので、ドラえもんはひみつ道具『かべかけスタジオ』を取り出した。静かな仕事場を貸してあげて、だれよりも早く、原稿を読める計画を立てた。

 

 ひみつ道具『とりよせバッグ』で島山先生を連れ出した。そして、どんな資料でも一声で出すことができ、アシスタントマシンは描きかけの絵を一秒で仕上げ、部屋いっぱいに音楽が流れ、おなかがすいたら出前が取れ、疲れたら全身マッサージ、いねむり防止装置も完備したスタジオを島山先生に紹介して、納得してもらった。

 

 最初のページは順調であったけれども、次のページは三十分たってもできあがらないので、ドラえもんは加速ボタンを「カチ」通し、何百倍ものスピードで「ササッ スラ スラ チャップ カリカリ パッパ」と書き上げたので、全部で一年分の連載を書き終えることができた。

 

 島山先生は「一年間遊べるぞ!! ワーイ ワーイ」と感激して、家に帰られてしまった。のび太が出木杉やしずちゃんに「アバレちゃんが、これからどうなるか、教えてあげる」と言っても、「よしてくれ。先をよむ楽しみがなくなる」、「そうよそうよ」と断られてしまった。

 

 広場では、スネ夫の「アバレちゃん」の試し刷りを追いかけている、ジャイアンたちの姿を見て、のび太は「一年分先によんじゃったなんて、つまんないなあ」と後悔していた。

[S1937A3115078205]