ペタンコアイロン[★★]
[初出誌] 『ペタンコアイロン』、「てれびくん」1982年2月号、11頁、75コマ
[単行本] 『ペタンコアイロン』、「てんとう虫コミックス ドラえもん短編第29巻」1984年1月25日 初版第1刷発行、13頁、91コマ
[大全集] 『ペタンコアイロン』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 19」2012年6月30日 初版第1刷発行、13頁、91コマ
【初出誌vs.大全集】
「ひっこしの手伝い?」、「ひとりでやれっていうんだ」コマ挿入[143(3)]
「このアパートからマンションへ?」、「山のような大にもつを…」、「太陽荘」コマ挿入143[(4)]
「こ、これがスピーカー」コマ挿入[144(5)]
「マンションはあそこだね」、「太陽荘」コマ挿入[144(6)]
「おもしろいおもしろい」、「ペタペタ」コマ挿入[145(7)]
「ひっこしははかどってるかな」、「なまけていたらぶっとばしてやる」コマ挿入[145(8)]
「セロハンテープ」が「セロテープ」に変更[146(5)]
「たけしは帰ってしまった!?」、「しょうがないやつだなあ」コマ挿入[147(2)]
「いとこのひっこしどうするの?」、「やらないと殺されるよ」コマ挿入[147(5)]
「おれのいとこだもんな」、「どっこいしょ」コマ挿入[147(6)]
「ひっこしの手つだいしよう」、「もう、へとへとなのに」が「もうへとへとで………」、「歩くのがやっとだよ」に変更[147(7)]
「ガラーン」挿入[148(1)]
「まさかのび太がひとりで……」、「できるわけない!!」コマ挿入[148(2)]
「頭がこんがらがってきた」コマ挿入[148(3)]
「あ~わかった!」コマ挿入[148(4)]
「そうだ! むこうのマンションから、このアパートへこすんだよ」が「むこうのマンションから、このアパートへこすんだよ」に変更[148(5)]
「そうだった。かんちがいしてた」が「え~そうだったかなあ」に変更[148(6)]
「マンションのにもつをこっちへ運ぶんだよ」コマ挿入[148(7)]
「そ~かそ~かおれかんちがいしてた」コマ挿入[148(8)]
「まだひとつも運んでない!!」コマ挿入[148(9)]
「いそげ!!」、「太陽荘」コマ挿入[148(10)]
「やっとむこうへ、全部はこんだよ」が「やっとの思いで、ぜんぶ運びおえたよ」、「ガラーン」に変更[149(2)]
[梗概] ジャイアンのいとこがすぐ近くの「太陽莊」アパートに住んでいて、「ケーキとおこづかいをやるからこい」と言っているので、ジャイアンはスネ夫とのび太を誘って出掛けた。
ケーキをごちそうになるので、ジャイアンが「悪いなあ。ただでごちそうになっちゃ」とお礼を言うと、「だれがただだといった? 今度むかいのマンションにひっこすことにしたんだ。目と鼻の先だから、トラックよぶのもばからしいしさ、それで…」という話になった。
三人は「いやだよ。ひっこしの手伝いなんて」と異議を唱えると、「そんなら、食べたケーキを返せ」とジャイアンのいとこらしく、怖い顔で凄んできた。
重い荷物を運んでいると、電話がかかり、ジャイアンのいとこは花子さんとのデート約束を思い出した。だいじな用ができ、「すぐもどるから、やれるだけやっといてちょうだい」と言って出かけてしまった。
すると、ジャイアンもスネ夫もだいじな用があると言って出かけようとした。しかし、のび太だけは、ジャイアンから「たいしたようじゃない」とかってに決めつけられ、一人でひっこしをすることになった。
「ヨタ ヨタ ヨロ ヨロ」とがんばったが、一人では無理だと思って、ドラえもんの助けを借りるため、家に戻った。こんなときにかぎって留守なので、のび太は「え~い、もうどうにでもなれ!!」と寝てしまった。
スネ夫とジャイアンはのび太ひとりにまかして心配になってきた。いとこは「柔道三段、剣道五段、ボクシングや合気道や、少林寺拳法もやっている」強い男性であるので、やっぱり手伝いにいくかとなった。
そのとき、かあちゃんが「おとなりが火事だよっ」と飛び込んできた。道具を庭に運び出すと、となりの火事も消えた。再び、戻すとき、「こんな重いの、どうやってだしたんだろ」とジャイアンが尋ねると、かあちゃんは「火事場のバカ力」っていうのかねと答えている。
ドラえもんが戻ってくると、のび太が寝ていたので、「まっぴるまからダラダラと!!」と叱りつけると、のび太は引っ越しの件を話した。すると、ドラえもんはひみつ道具『ペタンコアイロン』を出してくれた。
このアイロンをベッドに「ピタ グー ペタンコ」と押しつけると、「ヒラ」と一枚の紙のようになり、引っ越し先にセットして、霧吹きで水をかけるともとのベッドに戻った。
ジャイアンのいとこが「なにをやってるんだ。みんなペラペラにしちゃって!!」と怒鳴るので、アイロンでしばらく、ペラペラになってもらった。引っ越しが終わると、ペラペラのいとこも元に戻ってもらった。
ジャイアンとスネ夫も火事のための引っ越しを終えることができた。ジャイアンとスネ夫の間には、「いとこのひっこしどうする?」、「やらないと殺されるよ」、「おれのいとこだもんな」、「どっこいしょ」、「もうへとへと…」、「歩くのがやっとだよ」といった会話が続いた。
太陽荘アパートに来ると、みんな運び出され中は「ガラーン」としていた。スネ夫とジャイアンの間で、「まさかのび太ひとりで…」、「できるわけない!! 頭がこんがらかってきた」
「あ~わかった! むこうのマンションから、このアパートへこすんだよ」、「え~そうだったかなあ」、「マンションのにもつをこっちへ運ぶんだよ」、「そ~かそ~かおれかんちがいしてた」との結論になった。
まだなにひとつ運んでいないことに気づいて、二人は「いそげ!! いとこが帰る前にいそげ!! ハヒ~」と懸命に運んだ。いとこが花子さんを連れて、マンションへ入るとガラーンとしており、ジャイアンとスネ夫が「やっとの思いで、ぜんぶ運びおえたよ」と報告した。
夜遅く、ジャイアンとスネ夫は猛烈に腹をたてたジャイアンのいとこに、追いかけられているのを窓から見ることができた。のび太もドラえもんも「なんのさわぎだろ。さあ…」と皆目見当がつかなかった。
[S1934・A2914・078202]