魔女っ子しずちゃん [★★]

[初出誌] 『魔女っ子しずちゃん』、「てれびくん」19818月号、11頁、73コマ

[単行本]  『魔女っ子しずちゃん』、「てんとう虫コミックス ドラえもん短編第26巻」1983125日 初版第1刷発行、11頁、73コマ

[大全集] 『魔女っ子しずちゃん』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 192012630日 初版第1刷発行、11頁、73コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 変更なし

 

[梗概] しずちゃんはホウキにまたがって、「ビブデバビデブー」と唱えながら、シンデレラをお城の舞踏会へ連れて行き、帰りに、「わたしは、魔女っ子しずちゃん」と名乗って、シンデレラと別れていた。庭で「おしあわせにね。バイバーイ」と手を振っている姿をのび太に見られてしまった。

 

 顔を赤らめて、しずちゃんは「ぜったいだれにもいわないって約束する?」と念を押して、のび太に「あたしね、小さいころから…、魔女にあこがれてたの。童話みたいに、魔法でパッパッとなんでもできて、困っている人なんか助けてあげたら、どんなに楽しいだろうなって」と目を輝かして、縁側に座ってのび太に話してくれた。

 

 この話をドラえもんにすると、人を魔法使いにする道具なんてあるもんかと、退けられ、「きみはおっちょこちょいなんだよ、ろくに考えもせず、安うけあいして…」と、のび太はダブルパンチを食らった。

 

  のび太は「人を助けたいというしずちゃんの美しい心に感動したぼくが、おっちょこちょいだった。しずちゃん、ガッカリするだろうな…。ユメのない世の中だなあ…」と言いながら、いつものワンパターンのすねるポーズを取った。

 

 ドラえもんはいつもとちがって、「魔法を使って助けたい人を、しずちゃんが見つけたら、ぼくが、てきとうな道具をかしてあげる」とのび太に提案している。

 

  その話を聞いて、しずちゃんは「空とぶほうきをかしてほしいわ。それにのってかわいそうなひとをさがしまわるの」、「タケコプターじゃだめ?」、「サリーちゃんもメグちゃんもララベルも、みんなほうきにのってるのよ」という返事であった。

 

 ドラえもんはひみつ道具『無生物さいみんメガホン』を出し、ほうきに「きみは、空とぶほうきだ」と呼び掛けている。しずちゃんは最初、ほうきに乗っても「グラ グラ」して何度も落下していたが、運動神経がいいので、すぐ空を飛べるようになった。

 

 ドラえもんが次にひみつ道具『タスケテ帽』を出して、しずちゃんに被ってもらって、人を助ける手助けをしている。しずちゃんが「いちいちドラちゃんに道具をかりるのは、まどろっこしいわね」と言うので、しばらく、ドラえもんはポケットを貸すことにした。

 

  困っている人はなかなか見つからず、長い間またいでほうきに乗っていたので、「サリーちゃんもメグちゃんも、いたかったかしら」と言いながらしばらく休憩することにした。

 

 「タスケテ帽」が「ググッ」と引っ張ったので、そちらのほうへほうきでとんでいくと、おんなのこが「おともだちのおたんじょうぱーてぃーによばれていたのに、そそっかしいお母さんが、お洋服をぜんぶクリーニングにだしちゃったの」と泣いていた。

 

  しずちゃんは魔法で助けてあげると言いながら、ひみつ道具『着せかえカメラ』を出し、すてきなドレスを着てもらった。その子の家は電車で一時間もかかるので、もう間に合わないと、再度「ワ~ッ」と泣き出したので、「どこでもドア」で遅れないでとどけることができた。

 

 しずちゃんが夢中で飛び回っていたため、夜になって、「ありがとう。とても楽しかったわ」とひみつ道具をすべて返して、家に帰っていった。しばらくすると、「タスケテ帽」が「ググッ」と引っ張ったので、ふたりでタケコプターで行ってみた。

 

 すると、しずちゃんは「こんなにおそくまで夜遊びする子は、うちの子じゃありません!!」と叱責され、「ドン ドン」玄関を叩いて、「ごめんなさい、許してえ」と泣き叫んでいた。

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