グンニャリジャイアン [★★★]

[初出誌] 『グンニャリジャイアン』、「てれびくん」19817月号、11頁、81コマ

[単行本]  『グンニャリジャイアン』、「てんとう虫コミックス ドラえもん短編第29巻」1984125日 初版第1刷発行、11頁、81コマ

[大全集] 『グンニャリジャイアン』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 192012630日 初版第1刷発行、11頁、81コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 変更なし

 

[梗概]  ジャイアンが子犬と散歩しているかわいい女の子に恋をしてしまった。きょうもまた追いかけたが逃げられてしまい、ドカンのある広場でグンニャリしていた。悩んでいるジャイアンを見てスネ夫が「ぼくらはね、ジャイアンのためなら、火の中水の中へでも跳び込むよ」と声を掛けたので、「心の友よ!!」とギュッと抱きしめられた。

 

 ジャイアンが「このごろ、毎日犬をつれてさんぽしている女の子? 友だちになりたい」と神妙な顔で語り出し、「声をかけようと思うけど…、おれってほら…内気だろう…」というので、スネ夫とのび太が笑いをこらえていると、「おかしいか!!」と怒鳴られてしまった。

 

 スネ夫が「ジャイアンのいいところは、強くたくましいことだ。たとえば、のび太がその子をいじめてるところへ通りかかって…」という案を提案すると、のび太は「古い! そんなくだらないすじがき、いまどきはやらないよ。やさしさこそ、男の魅力なんだぞ」と言うので、ジャイアンがもっともやさしい顔をした。

 

 すると、スネ夫からは「ぶきみ~」、のび太にも「にげられるの、むりないや」といわれてしまった。スネ夫とのび太は「三時間のうちに、あのことおれを友だちにしろ!」と厳命されてしまった。

 

 スネ夫は手にはめたウサギのおもちゃを使って、女の子をジャイアンのいる広場まで連れ出すことに成功した。ドラえもんとのび太がタケコプターで広場に行くと、スネ夫がドカンの陰に隠れているジャイアンのすぐ近くで、「じつはきみにすてきな友だち…。この町いちばんの男の中の男」を紹介しようとしていた。

 

 この光景を見て、ドラえもんがスネ夫にひみつ道具『ウラオモテックス』を「ペタ」と貼ると、「みかけはこわそうだけど。じつは、ほんとにこわいんだ…。あれ? 頭が悪いくせに、バカ力で…、わがままでいじきたなくて」としゃべったので、ジャイアンに猛然と追いかけられることになった。

 

 スネ夫を探しているジャイアンに、ドラえもんはひみつ道具『キューピットの矢』を貸している。そして、大きなお屋敷で子犬と遊んでいる女の子を連れ出そうとした。ひみつ道具『生物コントローラー』を犬につけ、ジャイアンのいる広場まで連れ出すことに成功した。

 

 ジャイアンはキューピットの矢を四本「ピュン ピュン」とはなったが一本も当たらなかった。最後の一本はドラえもんの首にあたり、ドラえもんがジャイアンに抱きつき気持ち悪いと言われてしまった。のび太がすばやく矢を抜いたため事なきを得た。

 

 スネ夫が矢を拾いながら、「これをあてると、ジャイアンがすきになる」ことがわかったので、近くにいた女の子にあてると、にっこり笑ってついてきたので、ジャイアンに紹介した。

 

 すると、その女の子はジャイアンではなくスネ夫に「すき!!」と抱きついてきたので、「ぼくじゃないの、こっちこっち!」と否定したが、「あなたがすきなのよう」と追いかけてきた。

 

 顔を真っ赤にしたジャイアンから「ただじゃおかねえ」と追いかけ回され、スネ夫は一時は高い木の中に隠れていた。ドラえもんとのび太が矢を抜かなくちゃと言いながら夜遅くまで探したが見つからなかった。

 

 スネ夫は家の前で、「ジャイアンに殺される」と泣くじゃくっていたが、「しばらく顔をあわせないことだな。できれば、外国へでもひっこせば」と言って別れた。

 

 次の日しずちゃんから、しばらく親せきの家に遊びに来て、大阪に帰ったということを聞かされた。「それもしらずにジャイアンはグンニャリしてるし、スネ夫はにげまわってる」ので、ドラえもんは「町の平和のために、しばらくこのままにしておこうか」とのび太に話しかけていた。

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