六面カメラ [★★]
[初出誌] 『六面カメラ』、「てれびくん」1981年6月号、11頁、80コマ
[単行本] 『六面カメラ』、「てんとう虫コミックス ドラえもん短編第24巻」1982年4月25日 初版第1刷発行、12頁、89コマ
[大全集] 『六面カメラ』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 19」2012年6月30日 初版第1刷発行、12頁、89コマ
【初出誌vs.大全集】
「かぎがかかってる」、「やっぱり」コマ挿入[141(6)]
「ポイ」コマ挿入[142(2)]
「カシャ」コマ挿入[142(3)]
「今となっては、なんのやくにも立たない」、「カシャ」コマ削除[94(9)]
「ジャッ」コマ挿入[142(4)]
「はずみでシャッターがきれたのか」、「つまんない物うつしちゃって」コマ挿入[142(5)]
「ろうかからみた入口…」、「あっ」コマ挿入[142(6)]
「戸の外側が、うつってる」、「あっ」コマ削除[95(1)]
「犯人の住所氏名がわかったぞ」、「警察にしらせよう」コマ挿入[142(8)]
「それができるぐらいなら……」コマ挿入[142(9)]
「そうだ!」コマ挿入[143(1)]
「写真のうらに手紙をかいて」コマ挿入[143(2)]
「ナイフをかってきたぞ」コマ挿入[143(4)]
[梗概] のび太がママから投函するように頼まれた速達をジャイアンとスネ夫に取り上げられてしまった。そして、ドカンのある広場で、ジャイアンやスネ夫に「手紙のやつ、パッと姿をかくしやがった。どうも、このあき地のどこかにかくれたらしいんだ」といって帰ってしまった。
のび太がママに叱られると、「ワア~」とものすごい声で泣いていたので、ドラえもんが気づき、ひみつ道具『六面カメラ』を出して、手紙を探すことにした。ドラえもんが一番高い木が怪しいとにらんで、その木を撮影すると、六カ所写った写真の中で、木の真上から写した写真に手紙が写っていた。
郵便局がもう閉まっていたので、ドラえもんはひみつ道具『空とぶ切手』を貼って、直接あて名の人のところへ届けている。
神成さんがジャイアンとスネ夫に「うちのガラスをわったやつがおる。だれかこのへんでキャッチボールをしてたやつはいないか」と問い詰めていたが、二人は「さあ…」ととぼけていた。
のび太はこのカメラで写真を撮ると、ジャイアンとスネ夫は体の後ろにグローブを隠していた。この写真を「ヒラリ」と、神成さんの見えるところに投げたので、二人は「ヒー!! ゆるして!!」という悲鳴を上げることになった。
しずちゃんの走り姿をこのカメラで撮ると、しずちゃんも「いっぺんにいろんな角度からうつるのね」と感心した。のび太が最後の写真を見ると、「ドキン」としたので、しずちゃんにはピンぼけであるといって見せないことにした。その写真はしずちゃんを真下から写したものであった。
家に帰ると、ママが近所のビルに泥棒が入ったという記事を新聞で見ていた。新聞には、後ろ姿の写真が掲載されていたので、「六面カメラ」で犯人の正面の姿を写し出した。
のび太はこの写真を見て、「つかまえよう。ぼくらは少年探偵団!!」と浮かれ、外に探しに出掛けようとした。ドラえもんから見つかるわけがないから、交番に届けるように言われた。
しかし、ちょっとだけ探してみたくなり、車に乗ろうとした人に、「こんな顔の人しりませんか。ゆうべのどろぼうなんです」と写真を見せると、「どうしてわかった!?」と驚かれ、のび太を車に連れ込んで、のび太をアジトに閉じ込めてしまった。
「顔をとられたからには、生かしておけねえ。さわいでもむだだ。このボロアパートには、ほかにだれもすんでいないんだ。ナイフをかってくるから、まってろ」といって、カギをかけて出掛けてしまった。
のび太は「こんなもの、むやみに使ったのが悪かった」と「ポイ」と投げ捨てると、シャッターが「カシャ」と入り、「ジャッ」と六枚の写真がでてきた。
一枚の写真に「標札のかわりに、名刺が!!」写っていたので、写真のうらに手紙を書いて、「空とぶ切手」を貼って、窓のすき間からドラえもんのところへ飛ばした。しばらくすると、泥棒がナイフを買って帰ってきた。ほぼ同時に、警官とドラえもんが飛び込んで犯人を逮捕してくれた。
この作品の最後のコマには、のび太がウインクしながら舌を出し、「おしまいにクイズだよ。これは、なにをどこから写した写真?」と問題を出している。かたわらで、腹を立てたドラえもんが「いいかげんにかえせっ!」と怒鳴っている。
[S1926・A2414・078106]