まんが家ジャイ子 [★★★]

[初出誌] 『マジックおなか』、「てれびくん」198012月号、9頁、63コマ

[単行本]  『まんが家ジャイ子』、「てんとう虫コミックス ドラえもん短編第24巻」1982425日 初版第1刷発行、9頁、63コマ

[大全集] 『まんが家ジャイ子』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 192012630日 初版第1刷発行、9頁、63コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『マジックおなか』が『まんが家ジャイ子』に変更

 

[梗概] スネ夫、安雄、はる夫が「なんだ、そのわらい方は。もっと、声をだしてわらえ」とジャイアンから注意されいるところへのび太がやってきて、マンガを見て「ブーッ ハハハハハ」と大わらいした。

 

  ジャイアンからそんなにおかしいかと尋ねられて、「こんなへたくそ、見たことない」と答えてので、のび太は殴られてグロッキーになってしまった。

 

 ジャイアンがジャイ子に「おまえのまんが、ひょうばんいいぞ」と告げると、「うそ! ちゃんときいてた。こんなへたくそみたことないって」と答えるので、「のび太のやろう…」という声がのび太に聞こえてきたので、大いにびびってしまった。

 

 ジャイ子は「がんばって、こんどこそおもしろいのかくから」と言うので、ジャイアンは「えらいっ、それでこそおれの妹だ」と励ましている。

 

  ドカンのある広場で、ジャイアンは子どもたちに、「新作にがんばっているから、できたらすぐ見せるからまってろ。見たらすぐわらえ、もしうまくわらわなくてジャイ子が自信をなくしたら、どうするかおぼえてろ!!」と凄んでいる。

 

 のび太は家に帰ると、「アハハ ワハハ ウッハッハ」と笑いの練習をしているので、ドラえもんから「ばかみたい」と言われている。わけを話すと、ドラえもんはひみつ道具『マジックおなか』を出してくれた。

 

  「マジックおなか」のへそをはずし、のび太のおなかにそのへそを貼り付け、マジックおなかを「コチョ コチョ」とくすぐると、のび太は「キャ ハハハ ゲハハハ ウヒャヒャ」と笑い転げた。

 

 のび太はママの部屋におばさんがいらしていたので、あいさつすると、ママから「たいへんだったのよ。ゆうべ火事があったんですって」と教えてもらった。そのときドラえもんがうっかり「マジックおなかに」さわったので、のび太は突然「ギャハハハ」と大笑いしてしまった。

 

 ジャイ子は「どうしてもおもしろいギャグがでてこない!! わたしは才能がないんだわ!!」と叫んで、円ピツを投げ捨てるので、ジャイアンは「くじけるな! にいちゃんがついているぞ。おもしろがらないやつは、泣かせてやる!!」と檄を飛ばすと、ジャイ子は「泣かせる…? そうだわ!!」となにか新しいマンガのあディアが閃いたみたいであった。

 

 スネ夫は練習のしすぎでのどがへんになるほど、「ウシャ シャシャ イヒヒ ウキキ」と笑いの練習を繰り返した。のび太がそれを見て、ドラえもんに合図して「ウワーッ ハッハ ゲラ ゲラ」と、スネ夫も感心するような笑いをやって見せた。

 

  そして、調子に乗って、これのおかげだとおなかを見せたので、スネ夫におへそを奪われてしまった。

 

 どうしても返してくれないので、ドラえもんは「だいたいね、おせじでわらうというのが気にいらない! つまんないまんがなら、つまらないとはっきりいうべきだ! こんなよけいな物はすてよう」といった結論に達した。ドラえもんから「男らしくなぐられてこい!」と言われたが、正直なところ「かっこいいけど、こわいなあ」と思った。

 

 ドカンのある広場で、ジャイアンが「ジャイ子の血のにじむような苦心の新作が、ついに完成した。しょくんの感想を聞きたい。まず、のび太よんでみろ」と指定された。真っ青の顔ののび太は「とてもわらえる気分じゃないや。

 

  どんなになぐられるか。ク、ク、ク…」と泣き出してしまった。ジャイアンから「ギャグをやめて悲しい悲しいメロドラマをかいたんだよ」、ジャイ子からも「のび太さんて、まんががわかるのね」とほめられてしまった。

 

 そこへ、スネ夫が、「よっ、新作できたの。楽しみにしてたんだよ。見せて見せて」とやってきた。ドラえもんの捨てた「マジックおなか」がしずちゃんの庭に落ちていたので、へんな物が落ちていると思い、「コチョ コチョ」となでてみた。

 

  スネ夫は「こ、これは…、悲しいまんがだね」と言いながら、「ウギャハハ ゲラゲラゲラ」と笑い出した。ジャイ子は「わたしには才能がないんだわ」とジャイアンにしがみついた。スネ夫の運命やいかに…。

[S1920A2411078012]