アヤカリンで幸運を[★★]

[初出誌] 『アヤカリン』、「てれびくん」19808月号、11頁、80コマ

[単行本]  『アヤカリンで幸運を』、「てんとう虫コミックス ドラえもん短編第20巻」1981125日 初版第1刷発行、11頁、80コマ

[大全集] 『コマアヤカリンで幸運を』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 192012630日 初版第1刷発行、11頁、80

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『アヤカリン』が『アヤカリンで幸運を』に変更

 

[梗概]  ドラえもんはのび太の足音を聞いただけで、今日もろくな目にあわなかったことが判断できるようになっていた。

 

  のび太が「ぼくは、一生こんなふうに運が悪いのかなあ」と嘆くと、ドラえもんは「夜はかならず朝となる。長い冬がすぎれば、あたたかい春の日が」と励ました。すると、のび太は「もうまてない。今すぐ春にしてくれ~」と泣いて訴え出した。


 ドラえもんはその願いをひみつ道具『アヤカリン』でかなえようとしている。つまり、この薬を飲んでいいことのあった人に触ると、幸運を分けてもらうことができる。外に出ると、キツネ顔の男の子がパパのスイスみやげである、高級な腕時計をはめて歩いていた。

 

  この薬をひとつぶ飲んで、その男の子に「ポン」と触れると、のび太は家で、ヒッチハイクの旅行で帰ったばかりのママのおじさんから砂時計をもらうことができた。しかし、時間が立ちすぎていたので「アヤカリン」の効き目は大幅に低下していた。


 はる夫がドブ掃除をしていたらダイヤの指輪を見つけ、交番に届けたら持ち主から十万円のお礼をもらったというので、早速「ガバ」とタッチした。のび太はママがドブ掃除をしていたので、代わりに掃除をすると、五円玉一個しか手に入れることができなかった。ダイヤは五日前に拾ったという話であった。


 ドブ掃除を終えたところへ、今日のテストで百点を取って満面に笑みを浮かべたしずちゃんが通りかかった。のび太は手が汚れていたので、しずちゃんに触ることができず、手を洗うために家に帰ると、ママにテストのことを尋ねられたので、急きょ公園の水飲み場で手を洗うことになった。

 

「どこでもドア」でしずちゃんに会いに行くと、風呂に入っていたので、あがるまで外で待っていた。すると、ジャイアンがそこへきて、強引に野球に誘われてしまった。野球では、のび太が打てば三振、守ればトンネルであった。

 

その上、ジャイアンがホームランを打たれたが、のび太はそのバッターに握手を求めた。ジャイアンたちに敵と握手するとはいって怒鳴られ、さらに追い掛けられる羽目になった。


 「アヤカリン」を飲んでもろくな目に会わないと考えながら、帰宅する途中しずちゃんから「用は何であったの」と呼び止められた。今さらと、思いながら握手をして別れた。玄関前でママから0点のテストを見せつけられ、説教を受けているところへ、先生が「野比くん! 悪かった。テストの点がまちがってつけてた」とわざわざ知らせにいらした。

 

  テストの点が三十点に訂正されたので、ママは大喜び、ドラえもんも「使ってよかったろ。な! な!」とのび太に話しかけている。
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S1916A2012078008]