おざしき水族館 [★★]
[初出誌] 『ミニ水族館』、「てれびくん」1980年7月号、12頁、77コマ
[単行本] 『おざしき水族館』、「てんとう虫コミックス ドラえもん短編第23巻」1982年1月25日 初版第1刷発行、12頁、77コマ
[大全集] 『おざしき水族館』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 19」2012年6月30日 初版第1刷発行、12頁、77コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『ミニ水族館』が『おざしき水族館』に変更
[梗概] 海中公園は「窓の外を泳いでいく魚たちのゆめのような美しさ…」であり、スネ夫によれば、いった者じゃないとわかんないよとの話で終わった。ジャイアン、しずちゃん、のび太も腹を立てたが、とてもうらやましく思った。ドラえもんに頼んでなんとかしてもらおうという結論になった。
家に帰ると、横になっているドラえもんのしっぽが「ピコン ピコン」と動いていたので、のび太は機嫌の悪い証拠だと見なした。のび太はこっそりとドラえもんの「四次元ポケット」から、「どこでもドア」を出そうとしたが、次から次へと関係のないひみつ道具ばかりを出している。その途中で、ドラえもんに気づかれてしまった。
ドラえもんは目の前のひみつ道具を見て、「おざしきつりぼり」で魚をつって、「スモールライト」で小さくして…。ミニ水族館をつくって、「潜水艦」で見物するつもり!?と尋ねてきたので、のび太も調子を合わせて、「家の中で、海底公園を見たいと思ってね」と答えている。
「おざしきつりぼり」で釣りをしていたら、ドラえもんの釣り竿にカジキマグロがあたり、水の中へ「ドブン」と引きずり込まれてしまった。のび太が引き上げると、ドラえもんのポケットに水が入り「ドブン ドブン」していた。
さっき、むちゃしてひみつ道具を取り出したため、ポケットのふたが壊れてしまっていたからである。ポケットをはずして乾かすことにした。
やり方を変え、スモールライトで魚を小さくし、潜水艦にアミをつけて、海の中の魚を一網打尽にし、大量に捕獲した魚を水槽に入れ替えた。一方、のび太とドラえもんは潜水艦に乗り、ドンドン小さくなって、水槽の中を乗り回していると、ほんとの海底公園でも見られないすばらしい光景を目にすることができた。
遠くにクジラが見えたので、近づくと、クジラのしっぽで「バシッ」と潜水艦を吹っ飛ばされ、水槽のガラスに「ガアン」と当たって、故障し、「ゴボ ゴボ ゴボ」と沈みだした。潜水艦が「ストン」と底に着くと、深海魚が取り巻いて泳ぎだした。
脱出のため、「どこでもドア」を出そうとすると、ポケットを外に置いてきたことに気づいた。潜水艦から外に出ようとしたが、深い海の底にいるため、外へ出たら水圧でペチャンコになることがわかった。
ママがお使いを頼みに部屋へ入ってきたので、「声カタマリン」を飲んで、声をそろえて「タスケテ」と大声で叫んだ。ママが何かしらと気づいて、水槽に近づいたが、足を滑らして、「ザブ」と水槽に落っこちてしまった。そして、大急ぎで、水槽から這い出して、部屋を出て行ってしまった。
のび太は「こんなばかな話しってある!? 自分のへやの金魚ばちの中から、でられないなんて!!」とドラえもんに愚痴をこぼしていた。
ジャイアンとしずちゃんがやってきたので、ママはあがって待っててもらうことにした。目の前の水槽を見て、しずちゃんは「なんか文字がうかんでる」、ジャイアンも「タスケテだって」と話していたが、ふたりは立ち上がり、「どこへいったのかしら…、ふたりだけでいっちゃったのかしら」、「帰えろ帰えろ、ばからしい」と話していた。
ジャイアンが帰るとき、「おもしろくないっ」と思いっきり水槽を蹴ったので、のび太とドラえもんは「はずみで、もとにもどれた」と叫んで、水槽の潜水艦から何とか出ることができた。
[S1915・A2307・078007]