まねコン [★★]
[初出誌] 『まねラジコン』、「てれびくん」1979年12月号、13頁、99コマ
[単行本] 『まねコン』、「てんとう虫コミックス ドラえもん短編第21巻」1981年5月25日 初版第1刷発行、14頁、109コマ
[大全集] 『まねコン』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 19」2012年6月30日 初版第1刷発行、14頁、109コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『まねラジコン』が『まねコン』に変更
「のび太は、やってるかな」が「のび太はうまくやってるかな」に変更[116(3)]
「しずかちゃんも」が「しずちゃんも」に変更[118(6)]
「……………?」コマ挿入[120(7)]
「ムク」、「どうしてころんだのかしら」コマ挿入[120(8)]
「ひるねしたいんだ!!」、「ガバ」コマ挿入[121(1)]
「!?」コマ挿入[121(2)]
「なんだかからだがさからってる感じ」コマ挿入[121(3)]
「ジタ バタ」、「負けるもんか! ぜったいにひるねするんだ!!」、「クーッ」コマ挿入[121(4)]
「アンテナをつけてるほうにはかなわないらしい」コマ挿入[121(5)]
「なんですか」、「お客さんの前で!!」、「グイ」コマ挿入[122(4)]
「ガタン」コマ挿入[122(5)]
「どうして………、こんなに……、力がいるのかしら」、「?」、「?」コマ挿入122[(6)]
【単行本vs.大全集】
「安岡医院」削除[116(2)]
[梗概] ジャイアンは「今シーズンのジャイアンズの成績は、メチャクチャに悪かった!! これはみんな、チームの全員がたるんでるからだ」と総括し、特に、成績に悪かったのび太、スネ夫、安雄、はる夫の四人は、ジャイアンを先頭にした町内十周のマラソンに参加させられた。
ドラえもんにマラソンの話をすると、運動不足ののび太にとってはとてもいいことだと、予期に反してほめられてしまった。しかし、のび太がビリになると殴られ、毎日殴られる身にもなってほしいと訴えると、ドラえもんは「相手のするとおりまねしてひとりでに動く」『まねラジコン』を出してくれた。
このひみつ道具は「アンテナ」と「スイッチ」で構成されている。のび太はこのラジコンのスイッチを自分に、アンテナをジャイアンに取り付ければ、昼寝しながらでもジャイアンと同じ速さで走れると思いながら、その夜は床に就くことができた。
次の日、マラソンでジャイアンにラジコン装置をつけ、のび太自身の装置のスイッチを「パチ」と押すと、ひとりでに走ることができ、ジャイアンと一緒にゴールをきることができた。
ビリになったスネ夫をジャイアンが「ボカ ボカ」殴りだすと、のび太も近くにいたドラえもんを「ボカ ボカ」殴り出した。のび太が自分のスイッチを切り忘れていたためである。
しずちゃんにこのラジコンのアンテナを取り付けると、のび太が宿題を広げながら、スイッチをオンにすると、手が自然と動いて、スラスラスイと問題を片づけることができた。突然、のび太は「トコ トコ」と歩き出し、「ゴツ」と柱にぶつかってしまった。しずちゃんが参考書を本棚の方に取りに行ったためである。
三時のおやつであったけれども、まねコンが作動しているうちは勝手に動くことができなかった。スイッチを「パチッ パチッ」と切っても、柱にぶつかったとき故障したのか、全然機能しなくなってしまった。その間、四つのどら焼きをドラえもんが全部食べてしまった。
やっと宿題を終って、「バタ」と倒れて昼寝を始めると、故障したせいか、しずちゃんもなぜか畳の上に「バタ」と倒れている。しずちゃんが「ムク ムク」と起き上がって歩き出すと、のび太も起き上がって歩き出した。
しかし、昼寝をしたいと思って「ガバ」と伏せると、しずちゃんも伏せている。しずちゃんもなんだか体が逆らっていることに気づき出した。アンテナをつけている方が強いので、のび太はしずちゃんの動きにコントロールされるようになった。
のび太が階段を降りて部屋へ行くと、いとこののび枝さんが久しぶりにやってきて、ママとお茶を飲んでいた。二人の前で、のび太は突然服を脱ぎ出した。そのため、しずちゃんが風呂に入ろうとしていることが分かった。
しずちゃんは服を脱ぐのにいつも以上の力がいるので、鏡で自分の姿を確認すると、頭の上に何かを付けていることに気づき、それを取り外して窓の外へ「ポイ」と捨ててしまった。すると、のび太は自由に動くことができるようになったので、早速、その装置を取り返すために外に出た。
しばらくすると、のび太は往来で四つん這いになり、イヌのように電柱に小便をかけたり、ゴミ箱をあさることになった。そこへ、ドラえもんがきたので、イヌを 探してあの機械をはずしてほしいと頼んだ。
最初は、ドラえもんは「ぼくのいうことをきかないで、かってなことをしたからだ」と冷たい態度であったが、ドラ焼で買収されて、イヌからその機械を取り外すことになった。
ドラえもんは五個のどら焼きを食べながら、のび太に「スイッチがこわれたら、自分の頭の機械をはずせばよかったのに、なぜそうしなかったの」とからかっている。のび太はスッと立ち上がり、「気がつかなかった。教えてくればよかったのに!!」と悔し涙を流していた。
[S1908・A2114・077912]