行け! ノビタマン [★★★]

[初出誌] 『ノビタマン』、「てれびくん」19799月号、14頁、72コマ

[単行本]  『行け! ノビタマン』、「てんとう虫コミックス ドラえもん短編第21巻」1981525日 初版第1刷発行、17頁、92コマ

[大全集] 『行け! ノビタマン』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん192012630日 初版第1刷発行、17頁、92コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『ノビタマン』が『行け! ノビタマン』に変更

 「なつかしい地球よ、わがふるさとよ」、「いまはもうはるかに遠い思い出の星………」、「なーんちゃって」コマ挿入[73(1)]

「銃声だ!!」コマ削除[52(1)]

 

「ブロロ…」コマ挿入[74(3)]

「家の前だ!!」コマ挿入[74(4)]

「え、この星にも学校があるの!?」、「あたりまえでしょ」コマ挿入[76(4)]

「いっしょに行きましょ」、「え~、またこんどにする」コマ挿入[76(5)]

 

「行ってきま~す」コマ挿入[76(6)]

「文字なし」コマ挿入[76(7)]

「学校のかえりにゆうかいされて」が「学校へのとちゅうゆうかいされて」に変更[77(3)]

 

「ゆるせない」コマ挿入[77(5)]

「なんだ、おまえらは」コマ挿入[80(1)]

「正義のみかた」、「ノビタマン!!」コマ挿入[80(2)]

「ここへ乗りこんでくるとは命知らずめ」、「子どもでもゆるさないぞ!!」コマ挿入[80(3)]

 

「化け物だ」コマ挿入[80(6)]

「もう撃たないの?」コマ挿入[80(7)]

「じゃ、こっちの番だ」、「ボカ」コマ挿入[80(8)]

「お-い助けに来たよ」、「どこにつかまっているんだろ」コマ挿入[81(3)]

 

「ち、地下室にいる!」コマ挿入[81(4)]

「ドカン」「ドカン」コマ挿入[81(5)]

「ドカン」、「みつけた!!」、「のび太さん!!」コマ削除[57(5)]

「よっ、無事でよかった!!」コマ挿入[82(1)]

 

「ついでに」、「悪者どもの巣をたたきつぶしてやろう」コマ挿入[82(2)]

「文字なし」コマ挿入[82(4)]

「文字なし」コマ挿入[83(1)]

「ノビタマンが助けてくれたの」、「きみは……、なんという偉大な少年だろう」、「いやあ、えへへ…………」コマ挿入[83(2)]

 

「ついに警察も動きだしたらしい」挿入[83(3)]

 「おうい、まだ宿題がおわらないのか。のろま!!」が「おーい、まだ宿題が終わらないのか、のろま!!」に変更[84(5)]

 

[梗概] ドラえもんは、地球がもし爆発したら逃げ出すことができるように、ひみつ道具『宇宙救命ボート』を点検しながら、掃除をしていた。全自動が特徴で、ひとりでに人間の住める星へ連れて行ってくれるボートである。

 

  ボートの中には、ひとつだけボタンがあったので、のび太はいじくって「パチ」とボタンを押してしまった。宇宙なんかへ行きたくなかったけれども、全自動であるため、ワープで超空間に入ったりして、目的の星に、「ドッカ~ン」と激突してしまった。

 

 激突現場にひとりの女の子が現れ、二人を家まで案内し、食事をごちそうしてくれた。「宇宙救命ボート」で脱出したため、地球は爆発したものと思われたが、そうではなかったので、ドラえもんは「もうばかばかしくてお話にもなんにも…」と口ごもらざるを得なかった。

 

  しかし、女の子がボートが直るまで、「よかったらうちでくらさない?」と誘われたので、その言葉に甘えることになった。

 

 ドラえもんが修理で忙しそうであったので、のび太が「てまどりそう?」と尋ねると、「でたらめにいじってみてるんだ。永久になおらないかもしれない」という頼りない返事が返ってきた。その時、家の前で拳銃の音が「ドギ ドギューン」と鳴り響いた。

 

  この家のパパが拳銃で撃たれたけれども、膝をかすった程度の傷であった。新聞記者であるパパがシンジケート追放のキャンペン記事を連載しているために、拳銃で襲われたということが明らかになった。

 

 翌朝、女の子が家の前で誘拐されてしまった。しばらくすると、脅迫状が届き、娘を無事に返してほしければ、これ以上シンジケートの記事を連載するなと書かれたあった。のび太が許せないと激昂すると、のび太は家の屋根を「ドカーン」と突き破り、空中を「フワ フワ」と漂った後、「フワリ」と大地に着陸することができた。

 

 この星の引力は地球よりもはるかに弱く、強くする必要がないため、コンクリートも柔らかく、ピストルの弾も「ホップコーン」みたいに「ぺシャ」と潰すことができた。

 

  地球人よりもはるかに弱いことが分かったので、スーパーマンとそっくりなコスチュームを着たのび太は、子どもを誘拐された両親に「地球からきたノビタマン」であると自己紹介している。

 

シンジケートの本部の建物に「ドカン」と突入し、「正義の味方、ノビタマン!!」と名乗りながら、ギャングたちの激しいピストルの攻撃をものともせず、戦いを挑んでいる。地下室に閉じ込められたいた娘さんを無事救出し、ノビタマンは本部の建物も発泡スチロールの如く木っ端みじんに粉砕してしまった。

 

 ノビタマンは今やこの星の英雄であり、連日テレビや新聞に登場し、地球では考えられない、ノビタマンの映画化も決定された。のび太も「どうしてもボートがなおらなければ、ここでくらしてもいいんじゃないか」と思い始め、ドラえもんも同じような心境になっていた。

 

「思えば不思議な運命のいたずらであった」と言いながら、「宇宙救命ボート」に乗りこみ、「なにげなく、このボタンをおしたばかりに…」と「パチ」と押すと、「ヒョロロオ」といつのまにか直り、地球に戻ることができた。

 

 机の前で勉強をしていると、窓の外から、ジャイアンに「おうい、まだ宿題終わらないのか。のろま!!」と言われた。のび太は「ドラえもんが、ボートをなおしたりするからだ」と抗議すると、ドラえもんも「きみがボタンをおしたからだ!!」と怒りを込めて反撃している。

[S1905A2109077909]