ペタリ甲板[★★★]
[初出誌] 『ペタリ甲板』、「てれびくん」1979年8月号、13頁、84コマ
[単行本] 『ペタリ甲板』、「てんとう虫コミックス ドラえもんプラス第6巻」2014年12月6日 初版第1刷発行、13頁、84コマ
[大全集] 『ペタリ甲板』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 19」2012年6月30日 初版第1刷発行、13頁、84コマ
【初出誌vs.大全集】
変更なし
「すてきな空だね」が「すてきな部屋だね」に変更[60(6)]
[梗概] スネ夫はパパの友だちから借りた「DORA-Ⅱ」というヨットで、九州まで一週間の船旅に出発することになった。帰りは「潮風にきたえられ、たくましく日焼けした、海の男になっているだろう」とスネ夫はホラを吹きまくっていた。
ドラえもんにヨットの話したら、大賛成してくれた。しかし、ドラえもんが「ヨットは海へ行ってから探す」というので、のび太は腹を立てながら眠りについた。
ドラえもんは「タケコプター」で飛行しながら、『イルカ探知機』を使って、適切なイルカを発見した。そのイルカの背中に『ペタリ甲板』を乗せ、降りて乗り組もうとすると、ドラえもんものび太も「スモールライト」で照らされた如く小さくなった。
乗るとまるでヨットみたいで、イルカが潜ると潜水艦にもなった。操縦室に入って、方角を決め、ボタンを押しておくと、海水に含まれる成分を合成したイルカの餌をまきながら進むことができた。
イルカが海面に出たので、海で泳ぐことに決めた。相変わらず浮き輪をつけて泳いでいるので、ドラえもんは『プカリクリーム』をのび太のからだに塗った。これを塗ると、海面を立って歩くこともできるので、しばらくの間イルカと鬼ごっこをして遊んだ。
遊び終わると、海面で仰向けに寝ると、ハンモックにゆられているみたいであったので、しばらく、コンガリ焼けるまで日光浴を楽しんだ。スネ夫のヨットが見えたので、近づくと、スネ夫はほっとけばヨットの船底の水漏れで沈んじゃうので、汗を流しながら盛んに水くみをしていた。
イルカが「ピキーッ」と悲しげな声を出したので、ドラえもんが機械でイルカの頭の中をのぞいてみた。すると、「群れにはずれた迷子のイルカ」であることがわかった。ドラえもんは甲板をはずし、『ペタリゴンドラ』を代わりに装着し、飛行船にして、空からイルカの群を探した。
近くを飛んでいたカモメに、『ほんやくコンニャク』で尋ねたりすると、比較的簡単にイルカの群れを見つけることができた。目の前を飛んでいるイルカの姿を見て、スネ夫が「イルカって空を飛ぶの!?」と質問すると、ママは「と、飛ぶこともあるのざます、よく覚えておきなさい」と回答している。
スネ夫はジャイアンに一週間も旅行して写真が一枚もないのかと問われると、「いそがしかったんだよ! 水くみ……いや遊ぶのに」と答え、楽しかった思い出を語り出し、最後に、「空飛ぶイルカを見たことないだろ」と言うと、ジャイアンもしずちゃんもただ笑って全然その話を信じてくれませんでした。
[S1904・E1303・077908]