宝さがしごっこセット[★★★]

[初出誌] 『宝さがし』、「てれびくん」19773月号別冊付録、32頁、132コマ

[単行本]  『宝さがしごっこセット』、「てんとう虫コミックス ドラえもん短編第13巻」1977425日 初版第1刷発行、17頁、133コマ

[大全集] 『宝さがしごっこセット』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 182012430日 初版第1刷発行、17頁、133コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『宝さがし』が『宝さがしごっこセット』に変更

 「ガチン」コマ挿入[266(1)]

 

[梗概] のび太は主人公の少年がくらの中で古い地図を発見し、その謎を解いて宝を発見するという『どくろ山のたから』という本を読んで大興奮した。早速、わが家の物置を調べたが、地図が出てこないので、くらじゃないとと無理だと考え、ママにくらを建ててよと頼んでいる。

 

 ドラえもんから作り話で、あんなことを本気にするバカがいるかとたしなめられた。すると、のび太は「どうせぼくはばかだよ。あ~あ、ゆめのない世の中だなあ」と落ち込んでしまったので、ドラえもんはひみつ道具『宝さがしごっこセット』を出している。

 

 宝箱には、プラスチックの作り物が入っているが、のび太はプラスチックの宝じゃと不満を述べるので、ドラえもんはパパのカメラやママのネックレスを入れている。

 

 この宝箱にはロケットがついていて、どこか見知らぬところへ飛んでいき、小型ロケットが切り離されて、隠した場所を書いたメモをもって、帰ってくるものである。準備完了後、ドラえもんはそのロケットを庭から「ドドドド」と打ち上げた。

 

 ジャイアンから電話がかかってきて、八つ神山へハイキングに出掛けるから、行かないかという誘いであった。のび太は宝さがしのほうがおもしろかったので、断っている。ロケットが戻ってきたので、メモを調べると、「死神山のどくろが見つめる一本杉のねもとにうめてある」と書かれてあった。

 

 死神山を日本分県地図で調べても、ママや先生に聞いても、全くわからなかったので、とうとう、のび太は「こんなくだらないあそびより、八つ神山へハイキングにいけばよかった」とやけくそになって泣き叫びだした。

 

 ドラえもんの頭を悩ましていた謎が突然、ある考えが閃いて、解決することができた。死神(しにがみ)とは、四と二に分けることができ、その二つの数字を掛けると八になり、その謎の場所は八つ神山であることが判明した。

 

 「どこでもドア」を使って、八つ神山に到着し、「どくろがみつめる一本杉」を探し始めたが、どこにもそれらしいものを見つけることができなかった。

 

 山の中で出会ったひとりの男性から「どくろ岩」がなかったかと尋ねられてので、自分たち以外にも宝を探している人がいることを知って、ふたりは驚いている。「どこでもドア」から、ママの「のびちゃんごはんよう」と声が聞こえてきたので、ひとまず帰って食事をすることにした。

 

 再度出掛けると、ハイキングに来ていたジャイアンとスネ夫に出会ったので、ドラえもんとのび太は走って姿を消している。土地の人に聞いても、どくろ岩に関しては、それらしい情報を手に入れることができなかった。前に会った人も、土地の人にどくろ岩のことを尋ねているので、二人は焦りだした。

 

ひとりの男の子に出会ったので、「どくろを見なかった?」と尋ねると、「みたよ」という返事だったので、連れて行ってもらうと学校であり、その校長先生の鼻についていた「ホクロ」を紹介された。ガックリとしていると、目の前に理科室があったので、中をのぞくと、人体の骨の標本があり、これが「どくろ」であることがわかった。

 

 「どくろが、山の上の一本杉を見つめている」というメモと、同じ光景を目にすることができた。急いで一本杉のところへ走っていくと、何度も出会ったおじさんが古道具屋で買った昔の巻物に、三百年前にここに宝を埋めたと書いてあったので、盛んに「ザック ザック」と掘っていた。

 

 横取りされないため、お互いに「ザック ザック ザック」と掘っていると、ハイキングに来ていたジャイアンとスネ夫がやってきたので、宝さがしに加わってもらった。

 

 スコップで「ザック ザック」掘っていたら、ジャイアンが「ガチ」と当てて、箱を掘り出したが、のび太は「ちがう! こんなきたないはこじゃないよ。もっとしっかりさがしてよ」と、その箱を投げ捨ててしまった。投げ捨てた箱がおじさんの頭を直撃してしまった。

 

 ドラえもんたちが掘り進むと「ガチン」という音がして、例の箱を発見することができた。しかし、箱の中身がプラスチックであったので、ジャイアンとスネ夫はガッカリしていた。その横で、古い箱をあけたおじさんは「わあい、大ばん小ばんがザックザク」と歓声を上げていた。

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