自然観察プラモシリーズ [★★]
[初出誌] 『自然観察プラモシリーズ』、「小学六年生」1991年2月号、10頁、74コマ
[単行本] 『自然観察プラモシリーズ』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第45巻」1996年5月25日 初版第1刷発行、10頁、74コマ
[大全集] 『自然観察プラモシリーズ』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 16」2011年11月30日 初版第1刷発行、10頁、74コマ
【初出誌vs.大全集】
「ようし!!」が「よおし!!」に変更[727(5)]
「ようしだって?……気になるなあ」が「よおしだって?……気になるなあ」に変更[727(6)]
【単行本vs.大全集】
「まだ冬なのに!!」が「まだ二月なのに!!」に変更[734(3)]
[梗概] スネ夫の紹介した恐竜プラモデルはただのプラモじゃなくて、ガレージキットというものであった。そのため、ほんの少ししか作らないから、デパートなんかでは手の入らない代物である。
のび太はスネ夫に対抗して、ドラえもんにめずらしいプラモを出してもらうように頼んだ。ドラえもんはひみつ道具『自然観察プラモシリーズ』を取り出し、その中のかざり台を組み合わせ、できたつぶを葉っぱの上にのせると完成するプラモであった。
ドラえもんの出すプラモが気になり、電柱にのぼって、ドラえもんの完成したプラモを見て、スネ夫が「アレがプラモだって。アハ アハ ツルリ ドシ~ン」と地面に落っこちてしまった。
しばらくすると、のび太の作ったタマゴがかえって、プラスチックの毛虫になった。「本物の幼虫の一日分を、十分で成長させるから、観察ノートをつければ、夏休みの宿題なんかすぐできちゃう」というものである。
毛虫からさなぎになり、背中がわれてチョウになった。すっかり成長すると、「ポン ポト」となってもとのタマゴになった。のび太は早速しずちゃんに「おもしろいプラモを見せる」からと、電話を入れている。
しずちゃんが来ると、プラモのタマゴがオタマジャクシになって、みるみるうちに大きくなって、足がはえ、カエルになって水槽から飛び出たので、「キャッ!! カエルきらい!!」となったが、プラスチックだと言われて少々安心していた。
しずちゃんはかわいいツバメのプラモを選び、ドラえもんから停止液をかけておけば、ずっとそのままの姿でいると説明された。スネ夫とジャイアンが「どう? くだらなくて、腹がたっだろ」と声をかけると、しずちゃんは「それが、おもしろいのよ。プラモの卵がかえって成長し…」と話すので、ふたりは「うそだ!! プラモが育つなんて!! そ、そうだよな」となった。
スネ夫は「しかし…気になる!!」と思ったので、しずちゃんを注目していると、冬なのに、ツバメが飛び出してきたので、家に行ってみると、しずちゃんから「さっきのプラモのタマゴがまたタマゴを産んだの」と説明された。
スネ夫もどうしてもプラモのタマゴがほしくなり、のび太のところへやってきて、強引にひとつよこせといって持っていこうとした。ドラえもんがかってなことするなと怒鳴ると、スネ夫は「あっ、ネズミの卵!!」と叫んでドラえもんを「キャー、ネズミこわい~!」と追い出している。
冷静になって考えてみると、「ネズミがタマゴなんか産むか!!」とわかって、戻ってくると、いちばんかっこいいものと停止液をもっていったあとであった。
スネ夫は「さすがにでっかいや。これとこれをはりあわせるだけでいいのか。早くかえってすくすく育て」と願っていた。しばらくするとスネ夫から、「のび太、ドラえもん、なんとかしてくれ、大至急!!」といった電話がかかってきた。
現場へ行くと、「こりゃまだまだ育つよ。ウルトラザウルスだもの。停止液かけたんじゃタマゴにも戻らないし…」というのが、タケコプターをつけて診断したのび太の結果であった。スネ夫家の庭は荒らされ、ママとパパは震えて抱き合っていた。
[S1685・A4505・069102]