恋するジャイアン [★★★]

[初出誌] 『ホクロ型スピーカーで告白』、「小学六年生」199011月号、10頁、76コマ

[単行本]  『恋するジャイアン』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第44巻」1993525日 初版第1刷発行、11頁、84コマ

[大全集] 『恋するジャイアン』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 1620111130日 初版第1刷発行、11頁、84コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『ホクロ型スピーカーで告白』が『恋するジャイアン』に変更

 「あっ…」コマ挿入[709(8)]

「あっあっ……」コマ挿入[709(9)]

 

「でも…、これじゃたいした手がかりにならないな」、「じゃまな前景を下にずらして……」コマ挿入[710(1)]

「あっあっあっ」コマ挿入[710(2)]

 

「あれれ公園のはじっこまで来ちゃったよ」、「おなじコースをもういちど歩こう」コマ挿入[712(5)]

「ぼくもつかれたよ」、「ジャイアンのきげんも悪くなってきた…」、「もし会えなかったらどうしよう」コマ挿入[713(1)]

 

「スネ夫をよびにいってるひまはないぞ」が「スネ夫をよびに行るってるひまはないぞ」に変更・校正ミス[713(4)]

「アー……」コマ挿入[713(5)]

「のんびりしてちゃだめだ!!あの子が来たんだよ!!」コマ挿入[715(4)]

 

「早く早く!!」、「まかしとけ」、「ひと目みたとききみのことが」コマ挿入 [715(6)]

「ずいぶんさがしたぞ!!」、「あの子がきたんだよ早くしゃべれ!!」、「ようしまかしとき」コマ削除[257(6)]

 

[梗概] スネ夫にドカンのある広場に呼び出されたのび太は「なんだい。いそぎの相談ごとって」と尋ねると、スネ夫は「シーッ、声が大きい!! ぼくたちだけの秘密なんだぞ。ジャイアンのび太がきたよ。話してやれ」と言うと、ドカンの上で腕を組み、二人に背を向けたジャイアンは「スネ夫おまえからはなせ」と一枚のメモを「ヒラ ヒラ」落とした。

 

 スネ夫が「ウフッ。やっぱりてれくさいんだな」、のび太「なになに。おもしろそうなはなしだね」、スネ夫「それがさ…」と言おうとしたら、一枚のメモ「わらうな!!」が「ヒラ」と落ちてきた。

 

  スネ夫「そうだ! これはまじめな話しだぞ!! じつは……」、のび太「えーっ好きな女の子ができた!? ウ…。クックッ…」と笑おうとすると、ジャイアンの背中には怒りがみなぎっていた。

 

 のび太「オホン…。いや、まじめな話し。ジャイアンはどうしたいの?」、スネ夫「つまり、友だちになりたいというわけ」、のび太「そんならそうと、その女の子にいえばいいのに」、「自信がないんだって」、「うん、その気持ちわかる」

 

  「だろう!? へたに近づいたらにげだすかもしれない。なにしろあの顔だもんね」、「そうそうみるからに頭が悪そうで、ほんとうに悪いんだもんね」となった。ふたりの頭にはジャイアンによって大きなコブを作られていた。その上、「しっかり作戦を立てろ!!」と命令された。

 

 ドラえもんに話すと、「ウヒャ ヒャ ゲラ ゲラ ゲラ」となった。ジャイアンの要望は「その子の住所氏名を調べること。出会いのきっかけを作ること。ジャイアンを好きになる道具をだしてくれること」の三つであった。唯一の手がかりは、こないだ公園の芝生でみんなで相撲をとったときの写真に、偶然写っている女の子であった。

 

 ドラえもんはひみつ道具『万能プリンター』で調べてみると、毎日の日課で犬を公園で散歩させている女の子であるとわかった。

 

  ドラえもんはひみつ道具『ホクロ型スピーカーとマイク』を出し、愛犬の話しで交際のきっかけを作るという作戦を立てた。その話しをドカンの広場にいるジャイアンにしたらOKが出て、セリフの係はスネ夫が担当することになった。

 

 ジャイアンがムクを散歩に連れ出すと、普段ジャイ子が散歩させているため、ムクは雪なんか降るんじゃないかととても驚いていた。ジャイアンがムクを連れ出して、公園を散歩すると、あっという間に公園の端っこまできてしまった。

 

  スネ夫からは「ひと休みするから、出会ったらよびにきてくれ」と言われ、もう一度同じコースを歩くことになった。

 

 のび太も疲れ、ジャイアンも機嫌が悪くなってきたとき、女の子が突然現れた。のび太はスネ夫を呼びに行くひまもないので、マイクをもって「ア…。アー、ただ今、マイクのテスト中。こら! なにをいわせるんだ!!」となった。

 

  「かわいいイヌだなあ。ぼくもイヌが大好きなの」、「まあほんと? 強そうなワンちゃんね。お名まえは?」、「ムク…。いやベンジーっていうんだ」、「あら! うちのもベンジーちゃんよ。いやあねおんなじ名まえなんて」、「ジャ、じゃあこうしよう。ぼくのが、大ベンジー、きみのが小ベンジ…」、「なんだかきたないなあ。だめだ! スネ夫をよんでこよう」となった。

 

 その間に、ムクが「ワン ワン キャン ワオ ワオーオ」とベンジーをやっつけてしまったので、ジャイアンが「ヒャなにをする!! まって! ゆるして。ごめん!!」と追いかけたが後の祭りであった。

 

  ジャイアンが「おしまいだ…。なにもかも…」と落胆しながら、ベンチに腰を下ろすと、「ペンキぬりたて」と書かれてあった。

 

のび太がスネ夫を呼びに行き、マイクを渡すと、「ひと目みた時、きみのことが大好きに…」と語りかけたが、キャンディーをなめている女の子は「悪いけどタイプじゃないのよね」と言いながら離れていった。

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