ジャックとベティとジャニー [★★]

[初出誌] 『人形自動化音波』、「小学六年生」19909月号、10頁、73コマ

[単行本]  『ジャックとベティとジャニー』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第43巻」1992125日 初版第1刷発行、10頁、73コマ

[大全集] 『ジャックとベティとジャニー』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 1620111130日 初版第1刷発行、10頁、73コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『人形自動化音波』が『ジャックとベティとジャニー』に変更

 

[梗概] しずちゃんが「さびしそうでしょ、ジャニーちゃんの顔。ジャニーちゃんとジャックくんは、とても愛しあっていたのよ。

 

  それなのに、とつぜんジャックくんがゆくえ不明に…」と言うので、のび太は「人形がゆくえ不明ってことないでしょ。どこかへもってってわすれてきたとか、うっかりくずかごへ…」と話すと、のび太は怒られて追い出されてしまった。

 

 のび太が「いい年して、お人形遊びなんて…。どうもおんなのこの気持ちはわからん!」と思いながら帰ると、出木杉に会った。

 

  すると、彼は「しずちゃんから電話で、相談したいことがあるからきてくれって」と言われたと話している。のび太はいくら出木杉でも人形の行方不明の件では困るだろうと思ったが、「でも…。あいつは頭がいいからな…」という考えが横切った。

 

 家に帰ると、ドラえもんは「ピコ ピコ パク」と部屋の中を泳いでいるタイ焼きを釣り上げていた。ひみつ道具『人形自動化音波』は動物の形をしたものにこの音波を浴びせると、本物みたいに動くものである。

 

  出木杉はしずちゃんの家で行方不明になった人形がどこへいったかを推理していた。出木杉は「人形をさがしています」というビラをコピーして、町内のあちこちに貼り出していた。

 

 しずちゃんの家に行くと、留守であったので上がって待っていると、ジャニーちゃんの人形があったので、のび太はひみつ道具である「音波」を「ジジジジジ」と浴びせると、いきなり泣き出して、どこかへ行ってしまった。

 

  のび太がしずちゃんに会ったので、「ジャニーにこの音波をあびせたら、まっしぐらにとびだしちゃって…。たぶんジャックをさがしにいたんだ」と報告すると、「なんてことしてくれたのよ。ジャニーちゃんまでゆくえ不明になったら、あんたの責任よ!!」と泣いて訴えられた。

 

 ドラえもんに相談すると、仲間のネコに聞いてくれた。野良猫のクロがくわえていったという情報を得たので、ドラえもんは野良猫のクロが気に入ったものを盗み出すと、隠しておく場所を知っていたので、そこを探しても見つけることはできなかった。

 

  しかし、ジャックのクツだけは見つけることができた。野良猫のクロにあったので聞いてみると、あの人形は気に入っていたのに留守中にだれかに盗まれたという返事であった。

 

 路上に犬のぬいぐるみが落ちていたので、この音波を「ジジジジ」と浴びせると、「ピョコ」と立ち上がったので、「このクツのにおいをたどってほしい」とその犬に頼んだ。

 

  すると、ある家に案内してくれたので、そこのお嬢さんに尋ねると、「ええ、たしかにうちにいるわ。草むらにすてられてるのをわたしが助けたの」という返事であった。

 

  しかし、ふたりが喜んでいると、その女の子は「でも、かえせないわよ。うちのベティちゃんとジャックくんは、ひと目みるなりたがいに大好きになっちゃったのよ。今さらふたりの仲をひきさくなんて、ざんこくなことできる!?」と詰め寄られてしまった。

 

 そのとき、しずちゃんとこのジャニーちゃんがかたわらを駆けて、玄関から家の中に入っていった。「愛する者の直感だよ。きっと。ついに再会!! 感動的だなあ。ほら!ジャックもあんなにうれしそう…」と指摘すると、おんなのこは「うそ! めいわくそうな顔だわ。かってにきめないでよ」と言われた。

 

 のび太は「しかたがない、人形たち三人で話し合いをさせよう」とこの音波を使った。ジャックくんは「グイ グイ」と女の人形に引っ張られ、「いわゆる三角関係だな。おっそろしい…」となってしまった。

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