深夜の町は海の底 [★★]
[初出誌] 『架空の海でスキューバーダイビングを!』、「小学六年生」1990年3月号、10頁、68コマ
[単行本] 『深夜の町は海の底』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第41巻」1990年8月25日 初版第1刷発行、10頁、68コマ
[大全集] 『深夜の町は海の底』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 16」2011年11月30日 初版第1刷発行、10頁、68コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『架空の海でスキューバーダイビングを!』が『深夜の町は海の底』に変更
[梗概] スネ夫が「いとこがさあ…。スキューバーダイビングのベテランで…」と話し始めると、ドラえもんはなにも言わずに帰ってしまった。家に帰ると、ドラえもんは話の先を聞かなくてもわかるので、ひみつ道具『架空水面シミュレーター・ポンプと架空水体感メガネとかなづち用足びれ』を取り出していた。
このポンプで「バッコン バッコン ドオ ドオ ドオ」と水をくみ上げて、「メガネ」をかけると水の水位をみることができるが、かけないと見えもしないし、ぬれもしないものである。このポンプは「地球の海面がどれくらいあがったらどうなるか調べるためのにせの水」である。
ポンプが自動的に水をくみあげてくれるので、今夜には、水がたまってこの辺を海底にして潜ることが可能となる。空き地を中心に魚がよろこぶひみつ道具『トトスキー』を木にくっつける準備も始めた。
さらに、ひみつ道具『架空海水まきぞえガス』を「ドボン ゴボ ゴボ プクンプク」と海中にセットし、「ガスにふれた魚は、架空水中に住めるよう」にした。
真夜中にメガネをかけて出掛けると、この町だけでなく世界中が大洪水の状態になっていた。広場では「トトスキー」を求めて、きれいな熱帯魚も集まってきた。月をかすめる魚の群れは夢のような景色であり、遠い南の国からヤシの実が架空海流に流されてやってきた。
酔っ払ったおじさんがおまわりさんに「でっかいサメがタバコ屋の角を…」と訴えていた。ドラえもんはそれを耳にして、「サメが架空海底に入ってきてるんだ!! つかまえないと、たいへんなことになる!!」と大騒ぎしている。
受験生が手にバットを持って外に出掛けると、木の間から「ガサ ガサ ザ・ザ・ザ」と巨大なサメが現れ、「ジョ、ジョーズ!!」と喚き散らす受験生を追いかけだした。その光景を見て、野良犬のクロなども「ワン ワン ワン」と吠えだした。ドラえもんはショックガンで「ビビッ」とサメを追っ払っている。
町中の人々が起きちゃうので、ドラえもんは魚たちを海に帰し、のび太はポンプのスイッチを切ることになった。受験生が「ジョーズがボーズにビョーブ絵をかいた」とわけのわからないことを喚き散らすので、おまわりさんは「勉強のしずぎだ。ぐっすりねたほうがいいよ」と親切にアドバイスしていた。
次の朝、町の人々は屋根の上に乗り上げた船を見ながら、「どうしてあんなところに船が…。ふしぎですなあ!!」としきりに噂していた。
[S1646・A4118・069003]