半分の半分のまた半分…[★★★]
[初出誌] 『半分こ刀』、「小学六年生」1989年9月号、10頁、76コマ
[単行本] 『半分の半分のまた半分…』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第42巻」1991年1月25日 初版第1刷発行、10頁、76コマ
[大全集] 『半分の半分のまた半分…』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 16」2011年11月30日 初版第1刷発行、10頁、76コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『半分こ刀』が『半分の半分のまた半分…』に変更
[梗概] のび太は「野球中継」、ドラえもんは「全日本キャットショー」と怒鳴りあいながら、激しくチャンネル争いをしていた。
ママからテレビを半分こにしたらどうといった提案に、ドラえもんは妙に納得して、ひみつ道具「半分こ刀」でテレビを二台にバッサリ。少し小さくなったけれども、自分たちの好きな番組を十分見ることができた。
テレビを見ていると、しずちゃんから一緒に宿題をやる約束がどうなっているか、という電話がかかってきた。のび太は野球も見たいし、しずちゃんの約束も守らなければ、といった切羽詰まった状態に追い込まれた。
のび太は大胆にも「半分こ刀」でスパッと、自分を半分に切ってしまった。そっくりそのままののび太が二人出現して、大成功。二人のうち、どちらかがしずちゃんと勉強するかで話し合っても決着がつかず、最後にはけんかになる始末。
ドラえもんのくじ引きで、のび太のひとりはテレビを、もうひとりののび太がしずちゃんと勉強することになった。
しずちゃんの所へ行く途中、二分の一ののび太がジャイアンから強引に野球を誘われた。断るわけにもいかず、さらに半分にカット。ずいぶん小さくなり、最初の体積の四分の一になる。さらに、のびおじさんのなくした買ったばかりのコンタクトレンズを一緒に探すために、半分にカット。
この頃になると、もとの体積の八分の一になっているため、しずちゃんの家を目指すのび太はノートを運ぶのさえ、「ヒーヒー、ハーハー、ゼーゼー」と苦しまなければいけない状態になっていた。
途中犬に舐められたり、追い掛けられたりしたため、助けを女の子に求めた。スカートの中に入った八分の一ののび太は女の子からエッチと言われ、罰として木の枝に吊されてしまった。コンタクトレンズを見つけて、助けにきた八分の一ののび太が枝を揺らしたので、二人とも木から落ちてしまった。
テレビを見ていたのび太、野球をしていたのび太、探し物をしていたのび太、しずちゃんの家を目指していたのび太の四人がかなりの時間が経過してから、しずちゃんの家に集まった。
玄関前で、テレビを見ていた二分の一ののび太が「大ぜいで手わけして。パッパッとやっちゃおうと思って…」と頭をかきながら、しずちゃんの家で宿題をやり始めた。
宿題をやり始めると、「いーや、ぜったいにぼくのほうが正しい」とか「おまえごうじょうだぞ!!」とか「うるさい。だまれ、ちび!!」とか、お互いののび太が強情を張って、最後にはしずちゃんから「自分同士けんかするのやめて!!」と怒鳴られる始末であった。
[S1640・A4212・068909]