環境スクリーンで勉強バリバリ[★★]

[初出誌] 『環境スクリーンとプロジェクター』、「小学六年生」19894月号、10頁、65コマ

[単行本]  環境スクリーンで勉強バリバリ』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第40巻」1990125日 初版第1刷発行、10頁、65コマ

[大全集] 『環境スクリーンで勉強バリバリ』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 1620111130日 初版第1刷発行、10頁、65コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『環境スクリーンとプロジェクター』が『環境スクリーンで勉強バリバリ』に変更

 「そのやる気をおこすのがむつかしいんだ!!」が「そのやる気をおこすのがむずかしいんだ!!」に変更[274(6)]

 

[梗概] 「耳をすましてごらん…。木の葉が風にそよぐ音がきこえるだろ。小川のせせらぎが…。サラサラ 小鳥のさえずりが…チュンチュン」と環境テレビをスネ夫に見せてもらった。スネ夫は「気分だけでもさわがしい都会をはなれ、勉強に集中できるってわけ」と説明している。

 

 のび太が家に帰って環境ビデオの話をし、「きょうは宿題がいっぱいあって、なんとかたすけてもらわないと…」とお願いすると、ドラえもんはひみつ道具『環境スクリーンとプロジェクター』を出してくれた。プロジェクターには地球儀が付いていて、見たいところをピンで刺すと。「ド ド ドド」とナイヤガラの滝がでてきた。

 

 この景色、やかましすぎて勉強むきじゃないみたい」となり、次はカナダの原生林が現れてきた。「さわがしい都会をはなれて…。心があらわれるようだ…。グウ…」となってしまった。

 

 ドラえもんに「どんな景色ならいいんだよ!」と怒鳴られたので、「しずちゃんがいればいねむりしないよ」ということになった。ドラえもんが「どこでもドア」でしずちゃんを連れてくると、のび太はスクリーンの中で珍しいチョウを追い掛けて遊んでいた。

 

 海のまん中にピンを刺すと、しずちゃんは「ひろびろして、いい気もち…」、のび太も「こりゃいいや、気の散るものがぜんぜんないし」としばらく沈黙を守って勉強に専念した。

 

 イルカの群れが飛び跳ねたり、クジラが泳いだり、漂流者なんかがスクリーンに現れたりしたので、気が散って、しずちゃんは「能率があがるどころか…」と帰ってしまった。海はおもしろすぎるので、日本の平凡な雪山を出すことにした。

 

 「でも…、朝までかかってもできそうもないなあ…」、「やれるだけやるしかないじゃない!! いっとくが、二度とへんなものみつけるんじゃないぞ!!」、「そんなよゆうないよ。雪がふろうが、やりがふろうが…。猛ふぶきだろうが、しったことか!! だれがそう難しようが…。そう難!?」、「へんなものみつけるなといったのに」、「かってにうつってくるんだもん」となった。

 

 三メートル先も見えないひどい吹雪の中で、なんとか遭難者を見つけて、「どこでもドア」から収容することができた。「でも宿題はもう絶望的だあ!!」と思ったが、「ほんとにありがとう。灯京大学山岳部の仲間とはぐれて…」とラーメンをすすりながら言い出した。

 

 のび太は「灯大生ですか!? 灯大なら、小学生の宿題なんて、かるいよね!! このつぎはきっと自分でやるから、こんどだけ…。ね、ね、ね」と猛烈に腹を立てているドラえもんに謝っている。

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