コメットハンターに挑戦![★★★]
[初出誌] 『コメットハンターに挑戦!』、「小学六年生」1986年7月号、10頁、67コマ
[大全集] 『コメットハンターに挑戦!』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 14」2011年6月29日 初版第1刷発行、10頁、67コマ
【初出誌vs.大全集】
「それはつまり、ふだんの星とちがう星が新星ということに……」が「それはつまり、ふだんの星とちがう星が新発見ということに……」に変更[573(6)]
「近日点を三年周期にしといたけど、いいか」が「近日点への回帰を三年にしといたけど、いいか」に変更[575(4)]
[梗概] のび太は眠れないので、「タケコプター」を使って夜の空中散歩を楽しんでいた。出木杉が屋根の上で、双眼鏡を使って、彗星を探しているというので、大笑いして家に帰った。土管のある広場で、ジャイアンやスネ夫に昨晩のことを話していると、出木杉がしずちゃんと一緒にやってきた。
ハレー彗星の話をすると、出木杉は「今年中に回帰を予想される周期彗星はハレーのほかに九個あるんだ」と説明し、「ゆうべはコメットハンターのまねごとをしていた」と教えてくれた。
さらに、「天文台から新彗星をみとめられると、発見者の名がつけられるの。日本人の名もたくさん付いている」と蘊蓄を傾けられた。しずちゃんからは「出木杉さんって、ほんとに物知りな」と絶賛された。
ジャイアンとスネ夫からのび太は「何も知らないのは、おまえじゃないか、バーカ!!」とののしられた。二人も今夜から新彗星を探すと言いながら帰っていった。のび太はオイオイ泣きながら、しずちゃんの前ではじをかき、出木杉やジャイアンやスネ夫に負けたくないとドラえもんに訴えた。
すると、ドラえもんは望遠鏡を出してくれたが、その晩は大雨だったので、さらに『サエギルモノナシフィルター』を望遠鏡に付けてくれた。
のび太は雨が降っていたが、きれいな星空を見ることができた。しかし、肝心の彗星は見つかりません。ドラえもんから新彗星を発見するには、普段の星と新しい星の違いをそれなりの勉強をしないと、区別できないと言われたので、ガックリしてしまった。
しばらくすると、のび太にすばらしいアイディアが閃いた。つまり、自分でノビタ彗星を作って、それを発見すればというアイディアである。彗星の正体は汚れた雪だるまみたいだと、ドラえもんが教えてくれたので、冷蔵庫にしまって置いた砂場に落としたアイスを、『引力脱出ペダル』で打ち上げてもらった。
早速、望遠鏡で調べると、宇宙は真空のため、アイスの水分は蒸発し、ただの棒きれとして宇宙に漂っていた。
彗星はあきらめて、「お月さまⅡ」を作って、歴史に名前を残すことに決めた。あまり小さいと地球から見えないし、軌道をうーんと低くすれば、高い山とか飛行機にぶつかるので、ドラえもんは自作の月の公転と地球の自転を合わせ、家の近くで、しかも二階よりも低い所にセットした。
みんなから、「これが月といわれてもなあ…」と、きわめて評判が悪かった。
[S1464・M01084・068607]