メルヘンランド入場券[★★★]
[初出誌] 『メルヘンランド入場券』、「小学六年生」1986年4月号、10頁、45コマ
[単行本] 『メルヘンランド入場券』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第39巻」1989年1月25日 初版第1刷発行、11頁、48コマ
[大全集] 『メルヘンランド入場券』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 14」2011年6月29日 初版第1刷発行、11頁、48コマ
【初出誌vs.大全集】
「ここから空にのぼるの?どうやって?」、「空中ランド」コマ挿入[544(2)]
「この豆をまけばいいんだよ」、「ジャック豆」コマ挿入[544(3)]
「楽しくて夢みたい」、「夢じゃないよ。だからそろそろ帰らなくちゃ」コマ挿入[545(2)]
[梗概] 物置を整理していた時、のび太は小さいころ大好きであった『どうぶつ村のハイキング』という絵本がでてきた。「ブタさんとかゾウさんとか、動物たちがほんとに友だちみたいに思えてさ。あのころはむじゃきで、夢いっぱいで…しあわせな時代だったなあ…。二度と帰らぬメルヘンの世界…」と懐かしんでいた。
すると、ドラえもんがひみつ道具『メルヘンランド入場券』を出してくれた。二十二世紀のレジャー施設で、みんな動物に変身して楽しく遊ぶものであった。
みんなでタイムマシンに乗っていく時、ジャイアンはライオン、スネ夫は白鳥になることを夢みていた。しかし、それぞれのイメージに近い動物に自動的に変身するルールになっていた。真っ暗な入り口を通り抜けると、ジャイアンはサル、スネ夫はキツネ、しずちゃんはウサギ、のび太はカメ、ドラえもんはタヌキに変身していた。
すてきな虹の橋を渡り、キャンプ場に入ると、遠くに白雪姫やシンデレラの住んでいるお城が見えた。疲れたカメが昼寝をはじめ出したので、ウサギが起こしていた。ドラえもんが貸しボートに乗ると、ジャイアンから「カチカチ山」だと野次られた。
ジャイアンがカキの木に登って、ひとりで食べていたので、こっちにも落としてくれと頼むと、「うるせえ、まずおれが腹いっぱい食べてからだ!! それまで青い実でも食ってろ」と投げつけてきた。すると、ウスとクリとハチが「かたきうちならかせいするよ」と応援にきてくれた。
食事の時には、ドラえもんのレンタルしたひみつ道具『北風のテーブルかけ』で好きなものを出し、花さかじいさんの管理している花ざかりのサクラの下で食事を楽しんだ。
空中ランドで楽しむには、ジャック豆の豆の木エレベーターに乗って雲の上まで行くことになった。天の川でスターフィッシュと遊び、楽しくて夢のような一日を過ごすことができた。
みんな大感激して帰ってきた。のび太は「ぼくにはちょっと幼稚っぽくて…少しぐらいしげきがなくちゃね。たとえば、おそろしい魔女なんか登場させるとか…」とドラえもんに話していた。
すると、突然、「のび太!! 仕事をほったらかしてどこへいっていたの!! ガミ ガミ ガミ…」とママに怒鳴られた。のび太は「やっぱりあれでよかったんだね。魔女は現実だけでじゅうぶんだ」と重い荷物を片付けながら、つぶやいていた。
[S1461・A3901・068604]