大人気!  クリスチーネ先生 [★★★]

[初出誌] 『ジャイ子…まんが家への道』、「小学六年生」19858月号、10頁、70コマ

[単行本]  『大人気! クリスチーネ先生』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第37巻」1986825日 初版第1刷発行、10頁、70コマ

[大全集] 『大人気! クリスチーネ先生』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 132011430日 初版第1刷発行、10頁、70コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『ジャイ子…まんが家への道』が『大人気! クリスチーネ先生』に変更

 「ようし、それでこそおれの妹だ」が「よおし、それでこそおれの妹だ」に変更[602(1)]

 

[梗概] ジャイアンからのび太は「なにをやらせてもダメなヤツだが…、マンガをみる目だけは確かだと思うんだ。そこでたのみがある。クリスチーネ・剛田の新作をよんでくれ」となった。

 

 のび太が『愛フォルテシモ』を読むと、「う~ん……。ジャイ子が…、こんな美しい物語を…、あの顔で…。感動したよ」、「ほんとか!? 新人賞に応募して通ると思う?」、「みこみあるね」となった。

 

 しかし、ジャイ子は「自分でも気に入ってるのよ。それだけにこわいのよ。ひさしぶりの自信作よ。これがもし…、またまた落選ということになったら…、もう自分の才能に絶望するしかない! 生きていけないわ!!」、「だしてみなきゃわかんねえだろ!! 男ならやってみろ!!」、「女よ!!」となった。

 

 のび太も「思いきってだしてみりゃいいんだよな」というので、ドラえもんはひみつ道具『思いきりハサミ』を出して、「チャキーン」と鳴らすと、「せっかくかいたんだから、チャレンジしてみるわ」となった。まよっている人がこの音を聞くと、思い切って行動できるハサミである。

 

 ドラえもんが「きみみたいにいつもフラフラまよっている人にピッタリの道具だ」と言うと、のび太は「チャキーン」と鳴らして、「宿題なんか忘れて、楽しく遊ぶ決心がついた」となってしまった。

 

 しずちゃんもまよっていたので、このハサミを使うと、「はずかしいけど、わかんないとこ出木杉さんに教えてもらうわ」となって、「あんまりいいハサミじゃないな」と思った。

 

 このハサミを使って一日楽しく遊んだ。ドラえもんから「宿題は?」と言われたので、「チャキーン」と鳴らして、「ま。なんとかなるだろう。思いきって寝よう」となり、ドラえもんから「二度とかさない!!」と言われている。

 

 月日が矢のように流れ、あしたが『ラフレジア』の発売日となった。ジャイアンがやってきて、「少女雑誌だよ。今週号に例の結果が発表されるんだ。

 

 かわいそうにジャイ子のやつ…。その日が近づくにつれ、メシものどを通らねえ。で、たのみがある。タイムマシンであしたにいきたい。発表号を買ってきて、安心させてやりたいんだよ」となった。

 

 「もし落選してたらどうする?」、「落選?…。おまえがぜったいだいじょうぶというからださせたんだぞ!!」、「ぜったいなんていわないよ!!」、「ジャイ子は天才だ! おちるはずがねえ!!」、ドラえもんも「そうとも」と相づちを打っている。

 

 「タイムマシン」で行く途中も、「ジャイ子はあの一作にまんが家生命をかけたんだ! もしおちたら…、二度と立ち直れなかったら…、おまえら覚悟しろよ」と言われた。

 

 ジャイアンが本屋さんに入って出てくる時、顔中に涙があふれ、二人は「ぼくらのせいじゃないよ!」と追いかけられた。「タイムマシン」の入り口でがんばっているので、二人は帰ることもできなかった。

 

 そこへあしたのジャイアンが「よお」と現れ、「きのうの夕方「ラフレジア」の編集長から、電話があってさ。ジャイ子は今回おちたけど…、すばらしい才能のひらめきが感じられるって、今度新作をかいたら、ぜひみせてくれって」という朗報であった。みんなで「よかったねえ」と朗報を喜び合うことができた。

[S1365A3719068508]