右か左か人生コース[★★]
[初出誌] 『コースチェカー』、「小学六年生」1985年3月号、10頁、68コマ
[単行本] 『右か左か人生コース』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第42巻」1991年1月25日 初版第1刷発行、10頁、68コマ
[大全集] 『右か左か人生コース』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 12」2011年3月30日 初版第1刷発行、10頁、68コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『コースチェカー』が『右か左か人生コース』に変更
[梗概] 世界チャンピオンのクラッシャー大岩がテレビのインタビューで、ロッキー・ジムの会長が二、三人のチンピラにかこまれていたので、べつに正義の味方を気取ったわけじゃないが、助けたことが、今から考えると、ぼくの運命の大きな分かれ道であったと答えていた。
のび太はこのテレビを見て感動し、「これからのぼくの人生でも、二すじの別れ道にまようことが、何度もあるだろう。そんなとき、正しい道を教えてくれる機械をぜひだしてくれ」と頼むと、ドラえもんは驚いたが、比較的すんなりとひみつ道具「コースチェカー」を出してくれた。
右へ行くか左へ行くかまよったとき、このチェッカーを右側へつくと、予想が画面に映しだされるというものである。
のび太はこの機械を使って、しずちゃんのところへ行く一番いいコースを選ぶことにした。近道を選んで、画面を見るとドブに落ちていたが、あらかじめわかっていれば、気をつけて通ればいいじゃんと思って、道のまん中を歩き続けると、「スウ」と目の前にクモが落ちてきて、結局、ドブに落ちることになった。
三叉路でこの機械を使うと、おじさんに道案内を頼まれるので、別の道を行くと、先生にぶつかり、宿題がまだ終わっていないので、「ガミ ガミ ガミ」と説教されることになった。
道案内を続けていたら、探していた鈴木さんの家をみつけ、さらに、先生に会い、「野比くん道案内かね。きみは親切な少年だ。えらい! 先生は感心したぞ」となっていた。
のび太はおじさんを発見し、鈴木さんの家はここですと伝えると、今みつけたところだと言われてしまった。さらに、先生に見つかり、「まだうろうろしとるのか!! 早く帰って宿題をやれ」と怒鳴られてしまった。
ドラえもんから「しずちゃんとこへいくのはまたこんどにしたら?」と忠告されたが、のび太は「だって約束したもの」と主張し、この機械を使うと、イヌにかまれたり、ジャイアンに強引に野球に誘われる画面ばかりであった。
のび太は「運命の神よ!!どうしてぼくにばっかりいじ悪するの!!」と嘆いていると、ドラえもんは「きみはかんちがいしてるんだ。道を選ぶということは、かならずしも歩きやすい安全な道をえらぶことじゃないんだぞ。大岩選手だってそうだ。道一本選んだだけで世界チャンピオンになれるわけじゃない。ボクサーへの道を、それこそ血のにじむようなトレーニングで切り開いていったんだ!!」と鼓舞激励した。
のび太は「いく!! なにがなんでもしずちゃんの家へ!!」と奮い立ち、右足をイヌにかまれ、頭にボールをぶつけられてもたくましく前進することになった。
[S1273・A4218・068503]