友だちの輪 [★★]

[初出誌] 『友だちの輪』、「小学六年生」19848月号、10頁、68コマ

[単行本]  友だちの輪』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第38巻」1987125日 初版第1刷発行、10頁、68コマ

[大全集] 『友だちの輪』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 122011330日 初版第1刷発行、10頁、68コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 変更なし

 

[梗概] 神成さんの家に入っていった女の子は超かわいくて、一目見たのび太、ジャイアン、スネ夫は「ポカーン」と口を開け、いなくなってから、「かっわいい~! どこのだれだ」と大騒ぎになった。のび太が家に帰り、しずちゃんからさっき電話があったと言われても、上の空で、彼女のことばかり考えていた。

 

 「ムクリ」と立ち上がって、話の切っ掛けをつかむため出掛けると、ジャイアンやスネ夫のすでにきていた。神成さんが出掛けると、二人はわざと庭にラジコンとボールを投げ込んで取らしてもらおうとしていた。

 

 すると、戻ってきた神成さんから玄関の前で、「いつもガラスを割るのは、おまえらか!!」と怒鳴られてしまった。のび太は「あんなじいさんがいるんじゃ、うっかり近づけないなあ」と思った。

 

 屋根の上ではドラえもんが「ぼくと、お友だちになって。楽しく話しましょうよ」とモーションをかけていたが、白いネコに「ツン」とされて見向きもされなかった。すると、ドラえもんはひみつ道具『友だちの輪』を出し、この輪の中に白いネコを入れ、「ゴロニャ~ん」と楽しく語り出した。

 

 ドラえもんにそれを貸してと頼むと、ドラえもんは「だって、きみは、しずちゃんと結婚…」と言うので、「それは、ず~っと先のことだろ。自分だってネコのガールフレンドいっぱいいるくせに」と反論して借りることができた。

 

 神成さんの玄関先をウロウロしていると、「なにしとる。こらまて!!」と追い掛けられたが、のび太は「あのじいさんと、まず友だちになれば…」という考えが閃き、この輪の中におじいさんに入ってもらった。

 

 すると、「さあさあ、えんりょなく入んなさい。ミズエや、お茶をさしあげて。はい、おじいさま」となった。おじいさんは碁や将棋に誘ったり、「ミズエさんと話がしたいんです」と言っても、「話ならわしがしてあげよう。わしがはじめて活動写真をみたころ…。たいくつかね。では、わしのとっときの盆栽をみせよう」と続いた。

 

 ミズエさんが「ちょっと、そこまで…」といって出かけようとしたので、のび太も「そろそろ、失礼します」と帰ろうとしたが、「まあ、いいではないか。とまっていきなさい」、「用があるんだよ。またくるから」、「またきてね! きっとだよ~」となった。

 

 のび太は「友だちの輪」を忘れてきたので、ドラえもんから「とってこい!!」、「じいさんにつかまるからいやだ!!」と言い争っていた。そこへママが「さっきまで、しずちゃんが、まっていらしたのよ」と知らせてくれた。

 

 のび太は「そうだ! ぼくにはしずちゃんという、やさしい友だちがいたんだ。しずちゃ~ん。すぐいくからね~」と家を走って出掛けた。

 

 神成さんの家では「のび太くんの忘れ物だ。とどけてあげなさい」とミズエさんは言われていた。忘れ物はなにかしらと、広げてみると、「フワ~」と風に飛ばされ、「おさえて~!」と叫んでいると、しずちゃんが「サッ」と押さえて、その輪の中に入った。

 

 のび太がしずちゃんの家に行くと、しずちゃんから「親友が遊びにきたの。また今度にしてね」と玄関払いされてしまった。

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