合成鉱山の素[★★]

[初出誌] 『合成鉱山の素』、「小学六年生」19845月号、10頁、67コマ

[単行本]  合成鉱山の素』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第43巻」1992125日 初版第1刷発行、10頁、67コマ

[大全集] 『合成鉱山の素』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 122011330日 初版第1刷発行、10頁、67コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 変更なし

 

[梗概] 近ごろ、ドラえもんはたっぷりどら焼きを食べているので、のび太は「なんか秘密があると思うけど…。ぼくにかくしごとをするなんて、水くさいやつだ!」と思って外に出掛けた。ドカンのある広場では、ジャイアンがスネ夫のオフロードカーを「ガン ガン」ぶっ飛ばしていた。

 

 スネ夫はジャイアンから電池を新しいのととりかえろと言われたが、きょうだけで一ダースも使っちゃっていた。帰るときには、「今度は電池を山ほど買っておけ」と指示していた。のび太が「もしも電池を山ほどもってきたら、それをかしてくれる?」、「いいけど…。電池があるの?」、「ない。きいてみただけ」と言って別れた。

 

 夜になると、ドラえもんが「スー」と部屋を抜け出し、庭のほうで「ザク…ザク…ザク…」と音がしたので、のび太が掘られた穴に入っていくと、ドラえもんがつるはしで土の中からどら焼きを掘り出していた。ドラえもんに言わせると、土じゃなく、「合成鉱脈」から掘り出していた。

 

 ひみつ道具『合成鉱山の素』はありとあらゆる種類の元素の混合液であるので、ドラえもんも、のび太も、どら焼きも自由に作れるものであった。ひるまのことを思いだし電池もと尋ねると、もちろんという返事であった。

 

 うら山のひと目のつかないところへ行って、『モグラロボット』にたて穴を掘らせ、「鉱山の素」を「ドボ ドボ」と注ぎ、最後に電池を一個入れた。「液がかたまって、鉱脈になって、電池を合成して…。明日の午後には、電池がザクザク掘り出せる」予定であった。

 

 次の日、がけの中腹からひみつ道具『パワーつるはし』で掘り進めば、鉱脈にぶち当たるはずであった。このつるはしを使うと、少しの力が百倍にパワーアップされるので、「ガチ ガチ ガチ ガチ」と掘り進むと、「コキン」と鉱脈に当たり、大量の電池を掘り当てることができた。

 

  箱いっぱいの電池をスネ夫の家にもっていくと、箱だけを受け取って、「バタン」とドアを閉めてしまった。

 

 ジャイアンとスネ夫はたくさんの電池をもってうら山で、オフロードカーの威力をテストすることになった。快調に「ガ~ ガ~」と走らせていると、「スポ」とたて穴にカーが落ちてしまった。

 

  とれないとわかると、ジャイアンはコントローラーも穴に捨てて、「あきらめな」と帰ってしまった。その後、のび太の鉱山からは、ラジコン・カーがザクザクと発掘されるようになった。

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