超リアル・ジオラマ作戦[★★★]
[初出誌] 『超リアル・ジオラマ作戦』、「小学六年生」1984年1月号、10頁、61コマ
[単行本] 『超リアル・ジオラマ作戦』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第32巻」1985年1月25日 初版第1刷発行、11頁、68コマ
[大全集] 『超リアル・ジオラマ作戦』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 11」2010年11月30日 初版第1刷発行、11頁、68コマ
【初出誌vs.大全集】
「ほんとにそんなすごい写真」、「とれるのかよ」、「楽しみに待っててちょ~だい」コマ挿入[725(1)]
「そろそろドラえもんが帰るころだ」コマ挿入[725(2)]
「カシャ カシャ カシャ」コマ挿入[727(2)]
「いや~、じつにゆかいだった」コマ挿入[728(1)]
「文字なし」コマ挿入[728(2)]
「なに?これ……コマ挿入[728(3)]
「おき場にこまるわ。すててらっしゃい!!」コマ挿入[728(4)]
[梗概] のび太の作ったジオラマと比較して、スネ夫は「こんな安っぽい工作をジオラマだなんていわれると、ぼくはむかむかするんだ」と語り出した。スネ夫は「プラモの道は広く奥深い。そのプラモ道に、どれだけ真剣にとりくむかという心がまえが、二枚の写真にちがいとなってあらわれているのだ!!」と格調高く総括した。
スネ夫は「プラコン大作をよんだり、いとこに家庭教師をたのんだり、物置を特設ジオラマスタジオにしている」と話し終わると、のび太が「みせてよ、参考にしたいんだ」と懇願すると、「ぼくの神聖なプラモ道場だぞ。のび太がみたがるなんて十年はやい」とキッパリ断られてしまった。
のび太が家に帰って、スネ夫のプラモの話を説明しても、チンプンカンプンでよくわからないので、ドラえもんは「タイムテレビ」で特設ジオラマスタジオを映し出している。
プラモの名人であるスネ夫のいとこがジオラマにかかせない「三感」をスネ夫に質問すると、スネ夫は「質感に、距離感に、量感でしょ」と答えている。このプラモのどこに金属メカの質感があると糾弾し、さらに、「距離感ゼロ!!」、ジオラマは、背後に無限の広がりを感じさせねばらくだいだ!!」と手厳しい。
最後に、撮影で、巨大ロボの量感をださねば意味がないと指摘し、ひとつの方法は対照的に小さな物とうつしこみ、もうひとつは広角レンズを使うことだと説明している。
のび太はあまりの難しさに目がまわり、ドラえもんも「ファ~」と大きなアクビをしている始末であった。ドラえもんはあんなめんどくさいことしないで、「実物大ロボットをバーンとつくって実物大セットの中にドーンとおいて…」と語り、早速、タイムマシンに乗ってデパートに買いに出かけた。
のび太がスネ夫に会うと、世界一のジオラマ写真を作ると宣言したので、できた写真をみんなに見せて、どちらがすごいか判断してもらうことになった。
家に帰ると、ドラえもんが「実物大プラモは、高くてお金がたりなかった」と報告するので、のび太は「スネ夫との約束はどうなるんだよ!!」と泣いて訴えていた。ドラえもんが「かってに約束なんかするな!! ちょっとようじが…」と告げて出かけてしまった。のび太は幸いドラえもんの「四次元ポケット」を、しっかりと左手に握りしめていたので、やれるだけやってみることにした。
ドラえもんの四次元ポケットには、「スモールライト」と「インスタントミニチュアカメラ」が入っていた。このカメラでビルのミニチュアを作り、セットを組んでそこにロボットをおき、のび太がスモールライトで小さくなって、「カシャ カシャ カシャ」と普通のカメラで撮影した。
「ジャジャ ジャーン」としずちゃんに見せると、「どうみても本物よ、これは」、ジャイアンも「スネ夫の写真なんか問題じゃねえや」と圧倒的な評価を受けた。
「じつにゆかいだった」と両手を挙げて帰ってくると、巨大な実物大のロボットが家に置かれていた。ママからの「置き場にこまるわ。すててらっしゃい!!」との命令に、ドラえもんは懸命に「すてるなんて、とんでもない!! のび太のためにむりして買ってきたんだよ!!」と応戦していた。
[S1171・A3205・068401]