ユーレイ暮らしはやめられない[★★]
[初出誌] 『ユーレイは優雅な商売……』、「小学六年生」1982年12月号、10頁、63コマ
[単行本] 『ユーレイ暮らしはやめられない』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第29巻」1984年1月25日 初版第1刷発行、10頁、66コマ
[大全集] 『ユーレイ暮らしはやめられない』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 10」2010年10月30日 初版第1刷発行、10頁、66コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『ユーレイは優雅な商売……』が『ユーレイ暮らしはやめられない』に変更
「文字なし」コマ挿入[713(7)]
「フワフワ遊んでばかりいて!!」コマ挿入[714(6)]
「気楽だなあ」、「ずうっとこのままでいようかな」コマ挿入[714(8)]
[梗概] のび太は家に帰って、「覚えてろ、ジャイアン。このうらみはいつかかならずはらすぞ!!」と泣き喚いていた。ドラえもんが「いつかはらすっていつ?」と尋ねると、「いまに…、いまにぼくが年とって死んだらばけてでてやる」と答えたので、ドラえもんは「ウヒャ ヒャ ヒャ ゲラ ゲラ 気の長い話」と笑いこげてしまった。
すると、のび太はおなじみのワンパターンのすねるポーズをとったので、ドラえもんはひみつ道具『うらめしドロップ』を出している。このドロップを飲んで寝ると、タマシイがぬけだして一時的にユーレイになるものである。
のび太は真夜中になると、のび太の口からユーレイが出てきて、壁を自由に抜けられる本物のユーレイだと実感することができた。「ウンガ~」とすごいいびきでねているジャイアンの耳元で、「うらめししい…。うらめしんだよ。うらめしいってのに」と叫ぶと、やっとのび太のユーレイに気づいてくれた。
ジャイアンから、「ユーレイはこわいが、のび太のユーレイはこわくない。さっさときえないとぶとばすぞ!!」と脅されたので、泣いて帰ってくると、ドラえもんから「なんのためにユーレイになったんだ!!」と怒鳴られてしまった。
ドラえもんのユーレイと一緒に再度、ジャイアンの家に乗り込んだ。「いいか、うらみをはらすには手段をえらぶな」と言いながら、ジャイアンの耳元で「うらめしやあ」とがなり立てたり、ラジカセを「ガ~」とながすので、ドラえもんのかあちゃんの怒鳴られてしまった。
ジャイアンが寝ると、ふとんの上に、二人のユーレイが「ズジ ズシ」と飛び下りている。ジャイアンがバットをもって、「もうかんべんできねえ。ウガーッ」と部屋中を暴れ回ったので、かあちゃんからビンタを「ペチ ペチペチ」とくらい、「ユーレイがユーレイが…」と訴えても、全く聞いてもらえませんでした。
次の日、ジャイアンが「のび太!! ゆうべはよくもよくも」と追いかけてきたが、のび太が「今夜も化けてでよう」と口にすると、ジャイアンは急におとなしくなってしまった。
みんながおもしろいマンガを読んでいたので、ドロップを飲んでユーレイになって出ると、最初みんなはゲラゲラ笑っていたが、ジャイアンの話を聞くと、スネ夫は素直にマンガをかしてくれた。
このユーレイの姿で、出木杉の家で宿題をうつさせてもらったり、しずちゃんの浴室に入って、「遊ぼう」と声を掛けていた。フワフワ気楽に遊びながら、空中でずっとこのままいようかなとも思っていた。ドカンのうらでのび太がねむり、かたわらに「うらめしドロップ」が落ちていたので、スネ夫がドロップを飲むと、ユーレイの正体がわかった。
バットをもったジャイアンのユーレイとスネ夫のユーレイに追いかけられながら、のび太は「ブツブツひとりごといっていないで助けてえ」と懸命に空中を逃げ回っていた。地上では、ドラえもんが「こんなことになりそうな気がしたんだ。だからやめろといったんだ」とつぶやいていた。
[S1069・A2905・068212]