思いだせ! あの日の感動 [★★]

[初出誌] 『最初の感動を呼びさまそう…』、「小学六年生」19828月号、10頁、71コマ

[単行本]  『思いだせ! あの日の感動』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第29巻」1984125日 初版第1刷発行、12頁、90コマ

[大全集] 『思いだせ! あの日の感動』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 1020101030日 初版第1刷発行、12頁、90コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『最初の感動を呼びさまそう…』が『思いだせ! あの日の感動』に変更

 「マンネリなんだよ、ハッキリいって」、「むなしい」、「すべてむなしい……」コマ挿入[660(7)]

「こんどのはかなり重症だぞ」コマ挿入[660(8)]

 

「しずちゃんと話してなにがどうなるというんだ」、「ぼく帰る!」、「まあまあ」コマ挿入[661(3)]

「きみは………、しずちゃん……」コマ挿入[661(5)]

「そうよ。それがなにか?………」コマ挿入[661(6)]

 

「え~いかってにしろ!!」、「かってにするわよ!!」コマ挿入 [663(2)]

「フン!」、「フン!」コマ挿入[663(3)]

「文字なし」コマ挿入[664(1)]

「明日の朝もこのクスリを飲むんだぞ。学校へ行く気になれるから」コマ挿入[664(3)]

 

「文字なし」コマ削除[141(4)]

「わかったな!」、「おい、聞いてるの?」、「HAJIMETEN」コマ挿入[664(4)]

「なにを考えてるのかな………」コマ挿入[664(5)]

「感動したかな………。するわけないよな」コマ挿入[664(8)]

 

「文字なし」コマ挿入[665(1)]

「だれかはしゃいでる」、「小さな子だ。夜おそいのに」コマ挿入[665(2)]

「さ、もうおめめつぶって…………」コマ挿入[665(7)]

「早いものだなあ。ついこないだまで赤ン坊だと思っていたのに……」コマ挿入[665(8)]

 

「そうだ、あのころは学校へ行くのが楽しくてしょうがなかったっけ」コマ挿入[666(1)]

「いつからどうして………」、「こうなっちゃったんだろ」コマ挿入[666(2)]

「飲まない」、「HAJIMETEN」コマ挿入[666(4)]

 

「へそまがりがはじまった」、「いいだしたら、きかないんだから」、「HAJIMETEN」コマ挿入[666(5)]

「ついて行かなくていいかしら」、「のび太にも飲ませなくちゃ」コマ削除[142(9)]

「あれ」「おこされないのにもう起きてる」コマ削除[143(1)]

 

「「ハジメテン」を」、「いらない!」コマ削除[143(2)]

「その学校をやめるといいだしたんだよ!!」、「えっ!?」コマ挿入[666(9)]

「あれ?行くの!?」コマ挿入[667(1)]

「よくその気になってくれた」コマ挿入[667(3)]

 

[梗概] 「わあ、ちこくだ。たたされる!」と毎朝こりもせず同じことばっかりくりかえしていた。のび太は「ほんと、もうつくづくいやないなった。そ~だ!! 学校へいくのやめよう」とドラえもんの前で宣言した。「ドラえもんがとめても先生がおこっても両親がないても…。今回ぼくは退学します!! 退学届けをかこう」と騒いでいた。

 

 ママから「なんですか、そうぞうしい!!」と注意されたので、のび太が学校へいかないというんだよ」とドラえもんがママに告げると、「いいじゃない。日曜だもの。朝ごはんたべなさい!! かたづかなくてこまるのよ!!」と怒鳴られてしまった。

 

 机に座ったが、「退学届けのタイの字ってどうだっけ?」となり、「届けなんてめんどくさいからあしたから学校へいかなきゃすむことだ」と言いながら横になってしまった。ドラえもんがオセロやマンガやテレビに誘っても、すべてがむなしいというばかりであった。パパからも、「まっぴるまからゴロゴロと!!」と怒鳴られる始末であった。

 

 外に出て、しずちゃんとこへ誘っても、反応がなく、うら山で昼寝でもとひとりごとを言い出した。今回は手がつけられないほど落ち込んでしまったので、ひみつ道具『ハジメテン』を出しても、「きみの道具にもあきた。マンネリなんだよ、はっきりいって。むなしい。すべてむなしい…」と、かなり重症であった。

 

 ドラえもんはのび太が「ファ~」とあくびしたとき、すばやく、このハジメテンを「パク」と飲ませることができた。しずちゃんの家に遊びにいくと、玄関で「しずちゃんと話してなにがどうなるというんだ。ぼく帰る!」と押し問答になった。

 

 しずちゃんに「いらっしゃい」と声をかけられると、「ドキン」として、「な、なんてかわいい…。いままですきだったけど、これほど魅力的だったとは…。おお! うっとりするようなその声。信じられない! こんなすてきなガールフレンドがいたなんて」と、しずちゃんが顔を赤らめて、「オーバーね」という状態になった。

 

 オセロをやると、「ワク ワク ドキ ドキ」し、「なんというおもしろいゲームだろう」となり、マンガを読んでも、お食事をごちそうになっても、しずちゃんから「小さな子どもみたいに、なんにでも興味をもって夢中になれるなんて」とうらやましがられた。ハジメテンを飲めば、「なんにでも初めてのような感動をうける」ものである。

 

 家に帰ると、パパとママがはげしく夫婦げんかをしていた。ドラえもんがハジメテンを口に投げ込むと、パパは「しあわせだなあ、こんなすてきな女性がぼくの奥さんだなんて」とママの手を握り、ママも「あなたより男らしくて頼れる人、この世にいないと思うわ」となった。

 

 のび太は寝ながら、「初めは新鮮な感動があったんだな、何事も…。ぼくが初めて学校へいったときはどんなふうだったんだろ。感動したかな…。するわけないよな。タイム・マシンでみてこよう」という結論になった。

 

 夜になっても小さな子がはしゃいでいるのが聞こえてきた。「うれしいな、あしたから一年生」とはしゃぎ、ママからもうねんねしなくちゃと言われていた。パパやママにも「学校にはお友だちたくさんいるんだよね。先生がいろんなこといっぱい教えてくれるんだよね」と楽しげに語りかけていた。

 

 それを耳にしたのび太は「あのころは学校へいくのが楽しくてしょうがなかったっけ。いつからどうして……。こうなっちゃたんだろ」と考えながらタイムマシンで帰ってきた。

 

 朝になったら、のび太が「ハジメテン」を飲まないと言い出したので、ドラえもんは「へそまがりが始まった」と早とちりし、ママやパパにハジメテンを飲んで協力してもらった。

 

 カバンを担いで階段を下りると、のび太は「学校をいやがってばかりしていちゃしょうがないからね。クスリの力なんかかりないでチャレンジしてみる」とドラえもんに話したので、感動したドラえもんは涙を流しながら、「よくその気になってくれた」と喜んでいた。

 

「いってきます」とあいさつすると、パパもママも「ひとりでだいじょうぶ。きをつけてな~。おしっこしたくなったら先生にいうのよ」と、のび太が恥ずかしがるような声援で学校へ送り出してくれた。

[S1065A2912068208]