地平線テープ[★★]
[初出誌] 『“地平線テープ”』、「小学六年生」1982年6月号、10頁、57コマ
[単行本] 『地平線テープ』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第28巻」1983年8月25日 初版第1刷発行、13頁、65コマ
[大全集] 『地平線テープ』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 10」2010年10月30日 初版第1刷発行、13頁、65コマ
【初出誌vs.大全集】
「わあい、こんなのはじめてだ!」、「のびのびと遊べるわ」、「なんでもできる」コマ削除[280(4)]
「わあっ、こんなのはじめてよ!!」、「のびのびと遊べるぞ」、「そっちへずうっと行くとなにがあるの?」、「地平線!!行っても行ってもはてしなく地平線だよ!!」コマ挿入[636・637(2)]
「パカポコ パカポコ パカポコ」コマ挿入[640(2)]
「あっちかな……」、「こっちかな……」、「どっちかな…」、「はっきりしろよ!!」コマ挿入[642(1)]
「おかしい………、どうしても出口が見つからない」コマ挿入[642(2)]
「これは…、ひょっとして……」、「ひょっとしてなんだっての?」コマ挿入[642(3)]
「口に出すのも………おそろしいが……」、「もったいぶらずにはっきりいえよ!!」コマ挿入[642(4)]
「ひょっとしてテープがはずれたのかも」、「それじゃ帰れないじゃないか」コマ削除[284(3)]
「テープがはずれたのかも………」、「はずれた?すると……どういうことに…?」コマ挿入[642(5)]
「もう帰れない」、「帰れない…………、うそ……」コマ挿入[643(1)]
「たとえばどこでもドアとかなんか方法があるだろ」コマ挿入[643(2)]
「異次元空間なんだ!」、「あのテープでしか出入り口はひらかないんだ!!」コマ挿入[643(3)]
[梗概] のび太は地平線を「チダイラ線」と読んで、ママから「なさけない!! あんた何年生になったの」と嘆かれている。のび太がドラえもんに地平線を出してと頼むと、出せないけど作ることができるよと言って、ひみつ道具『地平線テープ』を出している。
ドラえもんによると、「せまくるしいところにすんでて、いやになったときに使う」というものである。
このテープをのび太の部屋に貼ると、壁が消えて一本の線になり、天と地の境目である地平線になる。地平線の向こうはなんにもなくて、広々しているので、ジャイアン、スネ夫、しずちゃんを呼んで地平線の向こうで、ジャイアンのリサイタルを開いたり、サッカーやローラースケートをしたりした。
ひみつ道具の『ラクダロボット』に乗って、「月の~砂漠を~」を歌いながら、暗くなるまで遊ぶことができた。帰り際、しずちゃんはすてきなテープを分けてもらっている。
のび太は「地平線テープ」をそのままに貼って、ママに叱られたら、すぐ逃げられるようにしていた。ママが「のび太!! 許しませんよ!!」と怒鳴って、追い掛けてきたので、のび太は「ラクダロボット」にドラえもんと乗って、「パカ ポコ パカ ポコ パカ ポコ」と逃げている。
ママが「フラ フラ」になって、「もう死にそう」と戻ってきたとき、部屋に貼ってあったロープを「グイ ピッ」とはずしてしまった。すると、地平線は消え、部屋は元の壁に戻ってしまった。
のび太たちはあちこち探しても、どうしても出口を発見することができなかった。ドラえもんはテープがはずれたのではないかと考え出した。ドラえもんによれば、地平線の外側は異次元空間で、「どこでもドア」も使えず、あのテープでしか出入り口は開かないと説明したので、のび太はパニック状態になってしまった。
こんなことはありえないと思いながら、地平線の彼方に小さなあかりを見つけたので、「パカ ポコ パカ ポコ パカ ポコ」と近づいていった。しずちゃんが浴室にこのテープを貼って、広々したお風呂に入ってご満悦であった。
そこへふたりがラクダロボットでやってきたので、「キャ!!」と叫んで、湯船に隠れた。ドラえもんとのび太が「おかげで助かった。なんとお礼をいえばいいやら」と涙を流して感謝している。ただ、しずちゃんは「お礼はいいからはやく帰って!!」と、叫ぶばかりであった。
[S1063・A2802・068206]