やどり木で楽しく家出[★★]

[初出誌] 『「やどり木」使って、らくらく家出…』、「小学六年生」19816月号、10頁、67コマ

[単行本]  『やどり木で楽しく家出』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第31巻」1984825日 初版第1刷発行、10頁、67コマ

[大全集] 『やどり木で楽しく家出』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 92010830日 初版第1刷発行、10頁、67コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『「やどり木」使って、らくらく家出…』が『やどり木で楽しく家出』に変更

 

[梗概] ママから「ガミ ガミ ガミ ガミ ガミ ガミ ガミ ガミ」から長時間お説教された後、のび太は「ぼくにひとりで生活する力があれば、家出するんだけど…」と廊下を歩きながらくやしがっていた。そこへ、「ビビビ コトン」と未来デパートからタイム小包が届いた。

 

 これはひみつ道具『やどり木』で、「どこの家でもこれを前にうえると、かってにあがりこんでとめてもらえるんだ。無銭旅行に使う」ものだとドラえもんが説明してくれた。ドラえもんは注文したおぼえがないので、あとで送り返すつもりであった。

 

 のび太がこっそり持ち出して、最初に使った家は、ラーメンを食べている小池さんの家であった。もっといい家を探すといって、すぐ出てしまった。二件目はジャイアンとスネ夫のボールが飛び込んだ神成さんの家であった。今まだ返ってこなかったボールもこの道具を使うと簡単に返してもらうことができた。

 

 写生に出掛けていたしずちゃんが雨が降り出して困っていたので、三件目として全く見知らぬ家にこの道具を使った。親切に部屋を使ってくださいと言われたが、しずちゃんはあまりのずうずうしさに顔を赤らめていた。

 

  晩ごはんにニンジンを入れないカレーを頼んだあと、昼寝をしてしまった。その間に、しずちゃんは雨がやんだので帰ってしまった。テレビを見ようとしたが、この家にはテレビがなかったので、ひとまずわが家に帰ってテレビを見ることにした。

 

 のび太が「やどり木」を持ち出したことに気づいたので、ドラえもんはしずちゃんの家まで出掛けてのび太の動向を聞いていた。家では、テレビを見ているのび太はママから厳しく注意された。

 

  「今までおとなしくしてたけど、もういいたいこといわしてもらいます」、「まあっ、口ごたえするの!?」、「するとも!!」とエスカレートし、のび太は風呂敷包みを担いで「二度と帰らないからね!」と家を出て、先ほどお世話になった家に「とまりにきたよ~」と言いながら、玄関を入ろうとした。

 

 すると、「かってに人の家へあがりこんで!」と怒鳴られて追い出されてしまった。のび太は家の前にはもはや「やどり木」がないことに気づいた。

[S0964A3109068106]