チューシン倉でかたきうち[★★★]
[初出誌] 『チューシン倉でかたきうち…』、「小学六年生」1980年3月号、10頁、71コマ
[単行本] 『チューシン倉でかたきうち』、「てんとう虫コミックス ドラえもんプラス第6巻」2014年12月6日 初版第1刷発行、10頁、75コマ
[大全集] 『チューシン倉でかたきうち』、「藤子・F・不二雄大全集 2」2012年4月30日 初版第1刷発行、10頁、75コマ
【初出誌vs.大全集】
「なんのうらみもないのに………、なぜ!?なぜ!?」コマ挿入[573(1)]
「あっ、目をさました!」コマ挿入[574(4)]
「も、もうやるしかない!!」コマ挿入[574(5)]
「ステン」コマ挿入[574(6)]
「ハッ」コマ挿入[574(7)]
「?」コマ削除[46(6)]
[梗概] のび太はスネ夫に「ポキュ ポキュ」と音の出るトンカチで何度も何度も頭を殴られたので、カッとなって殴り返した。その瞬間を見たスネ夫のママは「ンまあな~んてらんぼうな!! やばん!! 残こく!! 野比さんのおくさまに抗議し、学校の先生にもしかってもらうざます!!」と激怒した。
家に帰ると、スネ夫のママから電話がかかっており、いくら事情を説明しても、ママは「い~え、あんたが悪いの!!」一点張りであった。悔しくて、ドラえもんに相談すると、『チューシン倉』を出してくれた。
憎い相手の名前を書き、倉に入れ、次に赤い紙を強そうな人に渡すと、受け取った人が恨みを晴らしてくれるというひみつ道具である。
ジャイアンに赤い紙を手渡すと、ジャイアンは正座し、両手をつき、のび太様の恨みを晴らしますと約束して、スネ夫を「ギャオエ」とやっつけてくれた。胸がスーッとしたのび太はもうひとり、恨みを晴らしたい相手がいると言いながら、言い分も聞かないでぼくが悪いと決めつけるママの名前を書いた。
赤い紙をドラえもんに手渡したので、ドラえもんがママの生け花をめちゃくちゃにしてしまった。
ジャイアンにさっきはご苦労さんとお礼を言うと、えらそうな口を利くなと、げんこつで殴られた。ひと仕事終わると効き目が無くなることがわかったので、つぎのかたきはジャイアンと決めた。
ジャイアンの名前を倉に入れ、赤い紙をスネ夫に手渡した。スネ夫が「のび太さまのためにジャイアンをやっつけに」と告げると、スネ夫のママは「勝てるわけがないざます!!」と断言したが、赤い紙を見せると、「のび太さまのためにがんばるざます。ばんざあい、ばんざあい」と送り出してくれた。
土管の上で寝ているジャイアンをスネ夫が何度も何度もチャンスをうかがいながら、攻撃しようとしている姿を見て、のび太は友だちの安雄やはる夫にも頼むことにした。ジャイアンが目を覚ましたので、スネ夫はやるしかないと思って、勇気をふるって突撃しようとした時、「チューシン倉」につまずいてひっくり返ってしまった。
すると、その倉から、ジャイアンと書いたメモが出てきたので、一瞬にその倉の機能がスネ夫にわかってしまった。
スネ夫がのび太の名前を書いて、倉に入れると、応援を頼んでいた友だちも、「目指すはのび太一人」と叫びながら、野比家に殺到した。「ドタ ドタ」と家の中に入り、「どの部屋だ。おし入れや物置などもさがせ」という怒鳴り声を聞きながら、のび太は小さくなって押し入れに隠れ、「ドラえもん助けて~」と祈るばかりであった。
[S0762・I3311・068003]