もはん手紙ペン[★★]

[初出誌] 『心をこめた手紙を書こう…』、「小学六年生」197912月号、10頁、68コマ

[単行本]  もはん手紙ペン』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第23巻」1982125日 初版第1刷発行、10頁、72コマ

[大全集] 『もはん手紙ペン』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 72010428日 初版第1刷発行、10頁、72コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『心をこめた手紙を書こう…』が『もはん手紙ペン』に変更

 「ギュ」コマ挿入[541(1)]

「ずっとペンを使い続けるしかないよ」コマ挿入[542(9)]

 

「のび太さんて書くこととしゃべることがちがいすぎるんだもの」コマ挿入[543(2)]

「「書くこととしゃべることがちがいすぎてはずかしいのですが、でも…」」コマ挿入[543(4)]

 

[梗概] おじさんに送ってもらた図鑑への礼状を三ヶ月たっても出していなかったので、ママから今すぐ書くように言われた。のび太の書いた礼状は「おじさん 図かんありがとう さようなら」というお粗末なものであったので、ドラえもんは渋々ひみつ道具『もはん手紙ペン』を出している。

 

 書き終わってママに見せると、「なんてすてきな手紙…」と絶賛され、のび太は早速ポストに出しに行った。帰り道、しずちゃんが出木杉ととても楽しそうに話をしているのを見て、うらやましくなり、家に帰って心のこもった感動的な名文を書こうと決心した。

 

 のび太が「きみのことを思うと夜もねむれないのです。このうでで力いっぱいきみをだきしめ…、熱い口づけを…」と書き進んだので、ドラえもんがペンをチェックすると、年齢の目盛りがずれていることが判明した。

 

  のび太が年齢に合わせて、書いた文章を読み終えると、書いた本人も涙を流しながら、「ジ~ン」と感動ししている。ドラえもんも「こ、こんなにも心をうつ感動的な手紙ははじめてだ」と目からあふれる涙を流している。

 

  ドラえもんがひみつ道具『超速達切手』を貼り付けると、直接郵便局の人が取りに来て、しずちゃんに手渡ししてくれた。

 

 手紙を読んで駆けつけてくれたしずちゃんがのび太の手を「ギュ」と握り、「心のこもったお手紙ありがとう」と感謝している。ふたりは話し合うため、手に手を取って公園に出かけた。ドラえもんも「のび太がしずちゃんにあんな目でみられたのはじめてだ。めでたしめでたし」と思った。

 

しかし、ふたりになると、しずちゃんから「どうして、そういうきたない話ばかりするの?」、挙げ句の果てには、「あの手紙、ほんとうにあなたがかいたの?」と疑われる始末であった。そこへ、出木杉が現れたのでしずちゃんは「じゃあね」と言って、ふたりでどっかへ行ってしまった。

 

 泣いて訴えるのび太に対して、ドラえもんは「手紙と本人との差がひらきすぎて、かえって印象を悪くしたのか」と判断し、ペンをもう一度貸し、「ずっとペンを使い続けるしかないよ」と言って再度送り出している。

 

 しずちゃんが手紙を読むと、「ガーン ジ~ン グ・グー」と大感動し、ゆっくり話し合うため、公園のベンチに出かかている。のび太がペンで「サラ サラッ」と書くと、しずちゃんは「まあ…、なんて美しいことば…。はやくつづきをかいて」と催促している。

 

  その光景を見たドラえもんは両手を広げて、読者に「これからあとどうしたらいいのかしらね」と問い掛けている。

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