多目的おまもりは責任感が強い[★★]

[初出誌] 『多目的おまもりは責任感が強い…』、「小学六年生」197911月号、10頁、76コマ

[単行本]  『多目的おまもりは責任感が強い』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第21巻」1981525日 初版第1刷発行、10頁、76コマ

[大全集] 『多目的おまもりは責任感が強い』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 72010428日 初版第1刷発行、10頁、76コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 「ママー、石けんちょうだい」が「ママあ、せっけんちょうだい」に変更[532(8)]

 

[梗概] しずちゃんが出木杉と仲良く話を交わしているのを見て、複雑な心境でのび太は学校から家に帰るところであった。すると、ドラえもんがわき目もふらず、のび太にも気づかないで通り過ぎようとした。

 

  ドラえもんはひみつ道具である『多目的おまもり』の「金運ボタン」を押して、実験をしている最中であることが判明した。例えば、この「おまもり」の金運ボタンを押すと、「コンピューターが働いて、その人がお金もうけができるように動かしてくれる」代物である。

 

 のび太がこの「おまもり」の交通安全のボタンを押して、首に掛けると、家にいてもらうのが一番安全なので、のび太の足は急に重くなった。なにがなんでも歩くのだと決心して外に出ると、急に足が軽くなった。

 

  安全な道を横断する時も、「サッ」と手を挙げ、前から車が来ると、「ヒラリ」と体を交わしている。突如、「ブブウ」と車が突進してくると、のび太は「ヒラリ」とジャンプして垣根を越え、庭で剪定をしていたおじいさんの上に飛び降りている。

 

  役に立たないと思って、「おまもり」を首から外そうとすると、首を「ギュ」と締めつけられた。この「おまもり」は責任感が強く、家に到着するまで絶対取り外すことができないものである。

 

 責任感の強い「おまもり」に感心したので、のび太は恋愛運のボタンを押してみることにした。のび太が外に出ると、しずちゃんがドブに財布を落として困っているところに出くわした。落とした財布を拾ってあげると、感謝されたが、のび太は自分の財布を代わりにどこかで落としてしまった。

 

  家に帰ってしばらくすると、なぜか出木杉の家に行って、強引に出木杉のノートを奪って、宿題がわからなくて困っているしずちゃんに、そのノートの答えを教えることになった。感謝されたが、のび太はやり方どうも気になった。

 

 家にいると、「おまもり」も一生懸命で、のび太に洗面所から石けんを取ってこさせている。のび太がそれを持って外に出て歩いていると、車にぶつかってしずちゃんの浴室の窓の下まで飛ばされた。

 

  しずちゃんが「ママあ、せっけんちょうだい」と叫んでいるので、のび太は窓を「ガラリ」と開けて、しずちゃんにせっけんを差し出すと、「きらい!!」と言われてしまった。

 

 さすがに、「おまもり」もやりすぎたため「ショボ」として、小さくなっていた。ドラえもんから「こんなのあてにしないで、しっかり勉強してちゃんとした大人になればしずちゃんも…」とアドバイスされたので、のび太は「受験合格のボタンをおして東大に入ろう!!」と決心した。

 

  ママからご飯であると呼ばれても、のび太は机を離れることができなかった。ドラえもんも「おまもりが責任をはたすために猛勉強させているんだ。一生はなれないかもな」と心配になってきた。

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