しつけキャンディー [★★]

[初出誌] 『しつけキャンデー』、「小学六年生」19795月号、10頁、64コマ

[単行本]  『しつけキャンディー』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第22巻」1981825日 初版第1刷発行、10頁、68コマ

[大全集] 『しつけキャンディー』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 72010428日 初版第1刷発行、10頁、68コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 「ママー!!」が「ママあ!!」に変更[460(10)]

 「だって…、だって…」、「迷信はきらいざます!!」コマ挿入[461(2)]

「文字なし」コマ挿入[461(3)]

 

「ごちそうさま」コマ挿入[461(6)]

「人間がウシになってたまるもんか」コマ挿入[461(8)]

 

[梗概] スネ夫が93歳になるパパのおばあちゃんに「ウソついた人間はどうなるんだっけ?」と質問すると、「地獄へ落ちて、エンマさまに舌をぬかれるのじゃ。おそろしいことじゃ。ナンマイダブツ」と答えるので、ジャイアンやのび太やしずちゃんもそれを聞いて大笑いしていた。

 

 その話をすると、ドラえもんはまじめな顔をして、「昔の人は、ウソは悪いってことをそんなふうに教えたんだよ」とのび太に諭した。

 

  そしてさらに、「科学がすべてではない! 科学は人間の生活を豊かにしたが、同時に心をまずしくしたのではあるまいか!!」と、ドラえもんマンガ史上、最高に格調高い発言を展開している。のび太にはチンプンカンプンであったけれども。

 

 ドラえもんは「おばあちゃんをばかにするのはけしからん!!」と糾弾しながら、ひみつ道具『しつけキャンディー』を出して、おばあちゃんにアメ玉のようにしゃぶってもらうことにした。ドラえもんがスネ夫の家を「衛星中継」のモニターで見ると、スネ夫がママから理由がわからないけれども、厳しく叱られていた。

 

  それに対して、スネ夫は「チェツ、うるさいな。オニババ」と口答えしているので、おばあちゃんが「親の悪口いうと、口がまがるよ」と注意した。すると、ママはおばあちゃんに「子どもにそんな迷信を教えないでくださいな」と頼んでいる。

 

  スネ夫も調子に乗って、「じゃ、ぼく実験しよう。ママのバカ、バカバカ」と連呼すると、スネ夫の口が「グニュウ」とまがってしまった。

 

 スネ夫が謝るとすぐ直ってしまった。しかし、ママは「科学的にいえば、一種の顔面神経痛ざます。あとでお医者さんに見せます」とスネ夫をかばっている。

 

  かなりショックを受けたスネ夫は芸術にうちこめばくだらない迷信を気にすることもないと考えて、絵を描き出したが、うまくいかないので、「グシャ グシャ グシャ」と紙を丸めたり、古い絵の具を「ポイ」と捨てていた。

 

  おばあちゃんから「そまつにするとものが泣くよ」と言われたが、そんなこと信じることができないので、ベッドに横になっていると、ごみ箱に捨てられたものが「グスン…シク シク ウエ~ン メソ メソ」と泣き出した。

 

 おばあちゃんから「ごはんのあとすぐ横になると、ウシになるのじゃ」と言われても、ベッドで横になっていたスネ夫は「フン。人間がウシになってたまるもんか」とバカにしていたが、ママがウシになって寝ているスネ夫を見て「キャーッ」と悲鳴を上げている。

 

  モニターで見ていたドラえもんとのび太はスネ夫の家に行くと、ママが「スネ夫はるすざます」とウソをついたので、目の前に巨大なエンマ様が現れてので、卒倒してしまった。

 

  これでおばあちゃんをバカにしないだろうと思って家に帰った。のび太が家に帰ると、テレビばかり見ているので、ドラえもんは「たまには少しぐらい勉強したらどうだい」と言いながら、「しつけキャンデー」を飲もうとしたら、のび太に「パク」と飲まれてしまった。

 

 のび太は「テレビのじゃまをしたら、ネズミがでるよ」と宣言し、かたわらにネズミをおいて、「これでドラえもんをしつけよう」と、言いながらテレビを見ていた。ドラえもんはふすまの陰から、「そんなしつけあるかっ!!」とおっかなびっくりしながら、のび太に注意していた。

[S0752A2204067905]