ヤセール[]

【道具解説】 ひみつ道具である『ヤセール』は「太りすぎで、食事をへらしたい人のための薬」である。なお、「一粒飲めば、一食、ごはんが食べられなくなる」ものである。

 

【使用目的】 のび太は食事でもご飯やおかずを食べ残したりするので、パパは物を粗末にするなと一度説教する必要性を感じていた。しかし、パパは説教しても、腹ペコの恐ろしさを知らないものにとっては、何を言っても無駄だと嘆いていた。その話に同感したドラえもんは「ヤセール」を取り出している。

 

【使用結果】 ドラえもんから「ヤセール」を一粒飲むように言われたが、ボクシング観戦でそれどころではなかった。試合が終わると、かたわらに薬のビンが置いてあったので、「うまい」と言いながら「パクパク」飲んでしまった。

 

 次の朝、のび太は「わ~、寝すぎた! 学校におくれる。そんなもんたべてるひまはないよっ」と学校に出掛けた。ドラえもんが「一粒飲んだんだからけさ一食たべられなかったんだ。

 

  きっと、お昼の給食はうまいよ。食べることのよろこびがわかるだろう」と思った。のび太が帰ってくると、給食前にトイレにいったところ、カギがこわれてて一時間とじ込められていたことが判明した。

 

 「ママー、なんでもいいから食べさせて~」と頼んだが、出掛けて夕方まで帰らなかった。おやつもなく、ラーメンを食べようとしたら、ドラえもんが最後のひとつを食べてしまっていた。パンでも買いに行こうとしたら、商店街は一斉休業であった。

 

  「ヨロ ヨロ」歩いていたら、ジャイアンに将棋の相手をしろと呼び止められた。のび太の調子がよくて何回やっても勝ってしまった。暗くなってきたので、帰ろうとしたら、「勝ち逃げしようってのか」と脅され、わざと負けようとしても勝ってしまった。

 

 のび太が夜遅く帰ると、ママから「かたづけました! こんなおそくまでどこへいってたの! いいえ食べなくてけっこう。どうせ残すんだから」と言われてしまった。

 

  ドラえもんが心配になって、「ヤセール」をいくつ飲んだかと尋ねると、「十近く飲んだけど」という返事を聞いて、「じゃ、きみは三日間ぜったいに食べ物を口に入れられないぞ」と怒鳴ってしまった。のび太が「死ぬ~、人殺しい~」と泣き喚くので、タイムマシンで、「四日後の世界へ盗み食いにいくことになった」

 

 のび太は「ワーイ朝ごはんのしたくができたところだ。ラーメン大好き!!」、ドラえもんが「だれかきた、かくれろ」となった。

 

  家の中での「ぼく盗み食いなんてしていないったら。ヒ~」と叫び声を聞きながら、窓の下ではのび太は「四日後のぼくが叱られてる」、ドラえもんからは「あとの心配よりさっさとたべて逃げようぜ」と言われていた。

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