あべこべ惑星[★★★]
[初出誌] 『地球と正反対の星……』、「小学六年生」1978年7月号、10頁、57コマ
[単行本] 『あべこべ惑星』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第17巻」1979年7月25日 初版第1刷発行、12頁、65コマ
[大全集] 『あべこべ惑星』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 6」2010年3月30日 初版第1刷発行、12頁、65コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『地球と正反対の星……』が『あべこべ惑星』に変更
「わあ、まっくらになった」、「天球儀につっこんだんだ」コマ挿入[470(6)]
「文字なし」コマ挿入[472(5)]
「文字なし」コマ挿入[473(5)]
「どこへ行くの」、「こっちにぼくの家があるはずなんだ」コマ挿入[474(1)]
「あった!」コマ挿入[474(2)]
「よく見ろ、左右あべこべだよ」、「ほんとだ」コマ挿入[474(3)]
「するとこの中に…、あべこべのぼくがすんでるのか」コマ挿入[474(4)]
「ほらみろ!!」が「見ろ!」に変更[474(5)]
「だれかかけてくる」、「あっ、あれは!」コマ挿入[474(8)]
[梗概] のび太は七夕の日、机の上にあぐらをかいて、釣り竿に短冊を吊して、熱心に何かを願っていたが、ドラえもんにも隠して、なかなか見せてくれません。短冊には「りこうになりたい」といったのび太のストレートすぎる願いが書かれてあった。
ドラえもんがのび太の心をくみ取って解読したら次のようになった。「いつもみんなにバカだバカだといわれるから、りこうになれるよう星にねがいをかけるため、七夕かざりをつくろうとしたが、竹がなかったのでつりざおにタンザクをつるしていのりをささげてた」というものであった。
ドラえもんは「いじらしいというか…。よしよし、お星さまはきっと聞いてくださるよ」とのび太に言うのが精一杯であった。のび太は「わかってくれるのドラえもんだけだ」と感涙にむせびながら、ドラえもんとしっかり握手を交わした。
ドラえもんとのび太が「天体けんび鏡」で天の川をのぞいていると、地球型の惑星を発見することに成功した。その星はSFマンガに登場する地球そっくりのくせに、何もかもあべこべの星であった。この星にドラえもんとのび太が円盤で行ってみると、太陽も西から昇り、のび太の家も左右あべこべになっていた。
朝になると、スカートをはいたジャイアンが「あれえ~」と悲鳴をあげながら、ワンピースを着たスネ夫に追い掛けられている。そして、宿題を見せる約束を破ったジャイアンが「だってできなかったのよぉ」と言いながら、スネ夫に泣かされてスカートで涙を拭いていた。
かたわらでは、しずちゃんがランドセルを背負い、普段ののび太とそっくりの服装をして、「いじめるのよせよ。むずかしい問題でぼくもできなかったんだ」と言いながら、ジャイアンをなだめていた。まさしくあべこべの星である。
そこへ、ワンピースを着て、手提げカバンを持ったのび太が登場すると、三人はそれぞれ「おしえてよ天才、天才たすけて、世界一の天才」と叫びながら駆け寄って来た。そうした姿をドラえもんといっしょに、屋根の上で見ていたのび太は「しつこく天才天才というな!」と涙を流しながら抗議していた。
[S0664・A1708・067807]