ガールフレンドカタログ [★★★]

[初出誌] 『ガールフレンドカタログ機』、「小学六年生」19786月号、10頁、61コマ

[単行本]  ガールフレンドカタログ』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第18巻」1980125日 初版第1刷発行、10頁、64コマ

[大全集] 『ガールフレンドカタログ』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 62010330日 初版第1刷発行、10頁、64コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 「ぼくの身のまわりにこれから……二十五歳ぐらいまでの間にあらわれる女の子を全部しりたいんだけど」が「ぼくの身のまわりで、これから……、二十五歳ぐらいまでのあいだにあらわれる女の子をぜんぶ知りたいんだけど」に変更[457(8)]

 

「音符」コマ挿入[460(6)]

「文字なし」コマ挿入[461(5)]

「どっちかといえば」、「こっちの月形さんのほうがぼくのこのみ」コマ挿入[461(8)]

 

[梗概]  スネ夫は顔を真っ赤にして、学校一の美人と噂の高い河井伊奈子と結婚したいと、ジャイアンやのび太の前で告白していた。

 

  ジャイアンが「そんなこと考えるのははやすぎるんじゃないか。小学生のくせに」と忠告すると、スネ夫は「すでにあの子に近づこうとしてごきげんとってるライバルが山のようにいる!! 今からしたくしておかないとおとなになってからじゃ手おくれだ。人生にはそれくらいの計画性がないとだめなんだよ」と、蕩々と話した。

 

 「そこでだな。チャンスがあったらそれとなく彼女に…、ぼくがいかにすぐれ少年であるかってことしらせてほしい」と、チャッカリ頼んでいる。

 

 のび太も家に帰るとドラえもんに、「ぼくの身のまわりで、これから…二十五歳くらいまでの間にあらわれる女の子をぜんぶしりたいんだけど、そんな機械ない?」と、折り入って頼んでいる。

 

 かわった注文だと驚きながら、ドラえもんはひみつ道具『ガールフレンドカタログメーカー』を出している。このメーカーは将来知り合う女性の今の写真が、いろんなデータつきで出てくるものである。

 

 のび太はドラえもんに「ないしょだょ」と言い、「結婚は一生のことだからちがう子をしることだってあるし…」と考えながら、この機械を操作すると、「ピンポロポ~ン」とたくさんの女の子のカタログが飛び出してきた。

 

 この中からのび太の好みのタイプである、高校でクラスメートになる、月形はる代と、就職したら同じ会社の同じ課にいる、花賀さき子の二人を選んだ。

 

 今のうちから親しくなろうと思って、「タケコプター」で出掛けると、窓越しにピアノを演奏している花賀さんが目に入ってきた。ひと目見て「ポ~」となり、「フラ フラ」と部屋の中に入っていった。

 

かたわらに座り、知ったかぶって、「いつ聞いてもいいなあ、ベートーベンは」と言うと、「これチャイコフスキーの四季の中の『舟歌』」と訂正された。

 

のび太は顔を真っ赤にして、「え、そう!ナントカスキー、ぼく大スキー」とだじゃれで逃げている。花賀さんから「あなたいったいどこから…」と指さされたので、靴を履いたまま部屋に立っていたのび太は、「さ、さよならっ」と窓から大慌てで飛び出している。

 

 前の失敗にこりて慎重に、月形さんを窓の外から探していると、おじいさんから「だれだっ、なにをしとる」と怒鳴られてしまった。

 

 その声を聞いて月形さんが出てきて、のび太をひと目見るなり、「あら、野比さんじゃない」と言われてしまった。月形さんから、「となりの学校だけどうわさはよく聞くわ。遅刻記録、立たされ記録など、ぞくぞく新記録をつくってるんですってね」と指摘されたので、のび太は赤面して、大急ぎで逃げて帰っきた。

 

 のび太がジャイアンやスネ夫に「ぼくのいい評判をながして!」と強引に頼むと、二人から、「おまえ、そこがずうずうしいってんだよ。自分がどんな男か考えてみろ。頭も悪い、顔も悪い、スポーツもなんにもできない。よりごのみできる身分か。もし、おまえでもいいからよめになってやるという人がいたら、ありがたくきていただくべきだぞ、女でさえあれば」とまで、クソミソに言われてしまった。

 

のび太がしずちゃんの家に行って、正座をし、両手をついて、「うわきして悪かった。どうかゆるしてください」とザンゲすると、椅子に座っていたしずちゃんは「?」で、全く状況を理解することができなかった。

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