自家用衛星[★★]

[初出誌] 『自家用衛星』、「小学六年生」19781月号、10頁、68コマ

[単行本]  『自家用衛星』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第17巻」1979725日 初版第1刷発行、10頁、69コマ

[大全集] 『自家用衛星』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 52010130日 初版第1刷発行、10頁、69コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 「おもしろーい」が「おもしろおい」に変更[532(9)]

 「文字なし」コマ挿入[533(4)]

 

[梗概] のび太が昨夜、UFOを見たと強く主張すると、しずちゃんからは「のび太さん、けさの新聞よまなかったの?」、ジャイアンからは「あれはな、ソ連の人工衛星がおっこちたんだぞ」、スネ夫からは「テレビのニュースでもいってたよ」と、みんなにバカにされて、物笑いの種になってしまった。

 

 ドラえもんからもみんなの言っていることが正しいと言われてしまった。人工衛星は現在、四千何百個も飛んでおり、例えば、地球観測衛星、通信衛星、航法衛星、スパイ衛星、迎撃衛星などをあげることができる。目に見えるものだけでも二十個ぐらいになると言われている。ドラえもんの時代になると、何百万個に達している。

 

 ドラえもんの時代になると、極超大規模集積回路の開発によって、衛星そのものがドラえもんの手のひらよりも小さくなっており、用途に応じて、偵察衛星、エコー衛星、気象衛星、核ミサイル発射衛星などに分類できる。

 

 ドラえもんはのび太のリクエストにより、野比家の庭から衛星を打ち上げ、静止軌道に乗せ、モニターの画像を拡大して、広場で遊んでいるジャイアンとスネ夫を写し出している。二人が何をしゃべっているかどうかを聞き出すために、エコー衛星を打ち上げた。

 

 この衛星はある地点の音を電波にかえておくってくれたり、その逆に、こっちの音もおくることのできるものである。

 

 スネ夫がジャイアンに、「ほんとうにもうあののび太の…。バカなことときたら、ただのバカじゃないぜ、バカの中の大バカ…」と告げる、カッとなったのび太が「ゴマスリネズミとオンチゴリラ!」と怒鳴ったので、「その声はのび太だなっ!」とばれてしまった。

 

しずちゃんを見てみると、寝転んでマンガを読んでいた。「ちょっと頭がじゃまなんだけどな。そのページよんだから、つぎをめくって」と頼んでみると、しずちゃんは左右を「キョロ キョロ」見ながら、「キャアと悲鳴を上げて、部屋を出て行ってしまった。

 

 雨が降り出したので、ママが庭で洗濯物をかわすことができないと困っていたので、好きな場所を好きな天気にすることのできる気象衛星を打ち上げ、うちの庭だけ晴れにしている。おもしろいので、のび太は空き地に雪を降らせ、雪ダルマを作りに出掛けようとした。

 

  しかし、先ほどジャイアンたちを怒らせたので、怖くなったが、ドラえもんがカクミサイル衛星を打ち上げてくれたので、安心することができた。

 

カクミサイル衛星は角ばっているから当たると痛い、プラスチックの弾を打ち出すことができる。狙いをジャイアンたちに絞り、スイッチのボタンを手渡されて、広場へ行くと、ジャイアンとスネ夫が怒ってやってきて、殴りかかろうとしたので、ボタンを「カチ」と押すと、「キ~ン」という音がして、二人の頭を「バシ バシ」と直撃した。

 

 再度、殴りかかろうとすると、「バシ バシ」と攻撃されたので、二人は「気もち悪い、逃げろ!」と叫んで退散してしまった。その夜、ドラえもんが打ち上げた四個の衛星は流れ落ちてしまった。

 

 翌日、のび太が自信を持って、「ゆうべのはUFOじゃなくて、人工衛星なんだよ」と話しかけると、しずちゃんから「そんなニュースきかなかったわ」、ジャイアンから「どこの国の、なんて衛星だ」、スネ夫からは「あんなのを、バカの一つおぼえっていうんだよな」と、みんなから全く信用されなかった。

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