架空通話アダプター[★★★]

[初出誌] 『架空通話アダプター』、「小学六年生」197711月号、10頁、69コマ

[単行本]  『架空通話アダプター』、「てんとう虫コミックス ドラえもんプラス第5巻」2006325日 初版第1刷発行、10頁、74コマ

[大全集] 『架空通話アダプター』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 52010130日 初版第1刷発行、10頁、74コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 「ぼくの心のやみは、ぜったいにはれることがないのだ。ヨ・ヨ・ヨオ」コマ削除[52(7)]

 「あーっ、そうか!!」が「ああっ、そうか!!」に変更[513(1)]

 「ほーんと!!なつかしいわあ」が「ほおんと!!なつかしいわあ」に変更[513(3)]

 

「あ、これめずらしい電話ね。さっそく、使わせてもらったわ」コマ挿入[513(4)]

「その電話は……」削除[513(5)]

「なつかしいわあ」、「?」、「?」、「?」コマ削除[54(5)]

「だれとでも話せる電話?」コマ挿入[514(6)]

 

「タレントでも」、「やあ、しずちゃん」コマ挿入[514(7)]

「歴史上の人物でも」コマ挿入[514(8)]

「まんがの主人公でも」、「P」コマ挿入[514(9)]

「すっごく楽しかったわ」、「へー…………」コマ挿入[515(1)]

 

「しまっておこう」、「もう一度だけ使わせて」コマ挿入[515(2)]

「やいこら!借りた物返さないのはドロボーだぞ!」、「ジャイアンのドロボー」コマ挿入[515(3)]

「これなら安心してけんかできる」コマ挿入[515(4)]

 

「タケシさんが」コマ挿入[515(5)]

「まんがは返すから」、「可愛ちゃんとお話しさせて」、「FF.」コマ挿入[515(6)]

「こういうたのしいことを、ひとりじめしておくわけにはいかない」コマ削除[55(1)]

「しょくん!!」、「人気スターと、したしく話してみたいとはおもわないか」コマ削除[55(2)]

 

「王選手と話できる!?」、「ぜひ清水健太郎さまに!!」、「さあさ、三分間につきたったの十円だよ」、「料金箱」、「すぐこんなことを考える!!」コマ削除[55(3)]

 

「ぜひ、ピンク・レディーと話したいんだよ。マンガはかえすから、おねがい。な……な」、「そうねえ、今、ちょっとこんでるけど……」「フジえもん(本)」コマ削除[55(4)]

 

[梗概] ジャイアンに貸した本を返してもらおうかどうか、のび太は電話の前で結論が出ないので、大騒ぎしていた。機嫌の悪いときに催促すると、「おめえ、おれのこと信用しねえのか!」、「ようし、おれは気分こわした! もぜったいに返さねえ!」と怒鳴られるがオチであると、ドラえもんに訴えた。

 

  すると、『架空通話アダプター』という「電話につけると、ほんとは通じていないのに、相手が出て本番と同じにしゃべってくれる」ひみつ道具を出してくれた。

 

 電話を掛けると、ジャイアンが出てきて、用件を十分に言わないうちに、「じつはもう返しにおまえんちにむかっているところだ」との返事であった。

 

  のび太は嬉しさのあまり、「めずらしいこともあるもんだ。自分から返しにくるなんて! じつは、半分あきらめかけていたんだよ」と正直にジャイアンに話してしまったので、ジャイアンは本を返さないで、帰ってしまった。

 

 泣き落とし戦術でもおだて戦術でも、すべて最後にはジャイアンが腹を立て、おじゃんになってしまった。

 

  やけのやんぱちになって、「ジャイアンのバカやろ、返せっ。返さないとぶんなぐってのばして、まるめてだんごにしてやるぞっ」とがなり立てると、ジャイアンは「おれにむかって、そんなこといったやつはいねえ。えらい! 返してやろう」と言ってくれた。

 

  ドラえもんと一緒に取り戻しに行って、玄関の前で、同じようなことを言ったが、テストのときとセリフがちがっていたので、ジャイアンに「ボコ ボコ」に殴れてしまった。

 

 二度と返ってこないと分かると、そのマンガがますますかけがえのないものになり、のび太は愛しいマンガよと叫びながら、土管のある広場で泣き崩れてしまった。ドラえもんがオセロに誘っても、どら焼きを半分分けてやると言っても全然効果がなかった。

 

  最後の手段として、のび太が大ファンである川合可愛さんにこのアダプターを使って、電話を掛ける作戦に出た。

 

 のび太が電話を掛けると、川合さんが画面に登場し、一時間あまり可愛ちゃんと楽しく話すことができた。しずちゃんにも、タレントの郷ひろみ、歴史上の人物であるナポレオン、マンガの主人公であるパーマンと楽しく話してもらった。しずちゃんはその楽しい話をジャイアンやスネ夫にも伝えた。

 

 本をあきらめたのび太は最後に、「やいこら! 借りたもの返さないのはドロボウだぞ!」と、電話で安心して喧嘩を仕掛けた。するとママからタケシさんがいらしたとの連絡が入った。玄関に出てみると、ジャイアンから「まんがは返すから。可愛ちゃんとおはなしさせて」と熱烈に懇願された。

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