へやの中の大自然[★★]
[初出誌] 『へやの中の大自然』、「小学六年生」1977年7月号、10頁、51コマ
[単行本] 『へやの中の大自然』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第20巻」1981年1月25日 初版第1刷発行、10頁、53コマ
[大全集] 『へやの中の大自然』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 5」2010年1月30日 初版第1刷発行、10頁、53コマ
【初出誌vs.大全集】
「ちわー、酒屋です。集金にきました!!」が「ちわぁ、酒屋です。集金に来ました!」に変更[469(5)]
「ラジオの音車の音道を行く人の話し声犬の声…」が「ラジオの音車の音道を行く人の話し声…………」に変更[470(5)]
「こんちわー」が「こんちはあ」に変更[471(2)]
「さあ~、いらっしゃい、いらっしゃい」挿入[473(1)]
「まいどあり」、「10(硬貨)」コマ挿入[473(3)]
「お二階へどうぞ」コマ挿入[473(5)]
【単行本vs.大全集】
「夏休みどこへもつれていってもらえない、あわれな少年のために」が「日曜日なのにどこへもつれて行ってもらえない、あわれな少年のために」に変更[467(4)]
[梗概] のび太はスネ夫のおだてのテクニックを学習して、時々ドラえもんにそのテクニックを活用している。
例えば、「これぐらいのこと、きみならできる。…、このへやを、山おくに改造してさ、きょう一日大自然につつまれてすごそうよ。…、夏休みどこへもつれていってもらえない、あわれな少年のために」とドラえもんの琴線に触れて、ひみつ道具『大自然セット』を出してもらっている。
「大自然セット」を部屋で使っていると、屋外のラジオの音、車の音、道行く人の話し声、さらに、新聞の勧誘、ラーメン屋のどんぶりを取りにくる声などが次から次へと聞こえてくるので、「小川絨毯」や「滝壁掛け」で雑音をシャットアウトしている。
ドラえもんが「有料ハイキング場にしてひとり十円取って金もうけ」をしてはいけないと厳命して出掛けたので、のび太は早速、入山料ひとり十円を取って、子ども相手に商売を始めている。ジャイアンやスネ夫たちは部屋で、感嘆を漏らしながら十二分に山奥の醍醐味を堪能することができた。
ハイキングが盛り上がってくると、「ワー ワー ドタ バタ」と騒ぎ、ジャイアンがケンカを始めて襖を破ったり、スネ夫が部屋の片隅でおしっこをし出した。さらに、五人全員でキャンプファイアを囲んで、のめや歌えのドンチャン騒ぎになった。
ドラえもんが帰り、その上、ママも帰ってきたので、大至急、「大自然セット」を片づけた。部屋は乱雑に大混乱し、のび太は「ハイキングでごみをすてて帰ることはよくないことだと、身にしみてわかったよ」と、ママに叱られながら、しみじみとドラえもんに語っている。
[S0564・A2005・067707]