ナイヘヤドア [★★]

[初出誌] 『ナイヘヤドア』、「小学六年生」19775月号、10頁、66コマ

[単行本]  ナイヘヤドア』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第15巻」1978725日 初版第1刷発行、12頁、82コマ

[大全集] 『ナイヘヤドア』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 52010130日 初版第1刷発行、12頁、82コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 「でも独立は、させてやる」、「?」コマ挿入[446(10)]

「だけど………」、「家出なんかしてママが心配するかな」コマ挿入[447(2)]

「いや!少しぐらい心配したほうがいいんだ」、「ぼくがかけがえのないひとり息子だってことがわかるだろう」コマ挿入[447(3)]

 

「うん、ひとりでアパートを借りたんだ」コマ挿入[451(6)]

「みんなもさそってね」、「ガチャ」コマ挿入[451(7)]

「なかなか本気にしないの」、「そうだろうね」コマ挿入[451(8)]

「ろうかに声が」、「来たな」コマ挿入[451(9)]

 

「文字なし」コマ挿入[452(1)]

4号室などないったら」、「だってたしかに」、「4号室へ来いと電話が…」、「JP」コマ挿入[452(2)]

「わしゃこのアパートの大家だよ」、「ないといったらない!」コマ挿入[452(3)]

 

「おかしいと思ったわ」、「あいつはそういういいかげんなやつなんだよ」、「JP」コマ挿入[452(4)]

「こんどぶんなぐってやる!」コマ挿入[452(5)]

「裏口から出てひきとめろ」コマ挿入[452(6)]

 

「お~い」、「待ってくれえ」コマ挿入[452(7)]

「わっ」コマ挿入[452(8)]

「あっ!」コマ削除[100(8)]

「ひっこし先おしえるの、わすれてた」コマ削除[100(9)]

 

「えっ、もうでちゃったの」コマ削除[101(1)]

「しずちゃんも、そそっかしいな」コマ削除[101(2)]

「しらないアパートをどうしてさがすつもりだろ」、「あらのびちゃん」、「なにをしてるの」、「文」コマ削除[101(3)]

 

「ビュー」挿入[453(1)]

「文字なし」コマ挿入[453(2)]

「音符」コマ挿入[454(8)]

「もしも~し」、「ラジオを小さくしてくださいな」コマ挿入[455(1)]

 

「なにをおっしゃるのよ!うるさいのはおたくでしょ!」コマ挿入[455(2)]

「うるさいアパートだなあ」コマ挿入[455(3)]

「それとももうさがしてるのかな?」、「さがしてもここだとなかなか見つからないかもな」コマ挿入[455(5)]

 

[梗概] のび太は「キリ キリ キリ キリ キリ」と歯を食いしばり、決心を守り通すため、食べたいお菓子を食べないで、家に走って帰り、貯金箱に「チャリン」とお金を入れている。その貯金はのび太が独立するための資金であった。

 

 のび太が「このへんで一度、ぼくのほんとの力をためしてみたくなったんだ。ぼくの毎日のくらしってさ、なにからなにまで親にたよりっぱなしでさ、なせけないとおもうんだ。だからさ、思いきってアパートなんかで、一人ぐらしをして、自分だけの力で…」と意気揚々と話すので、ドラえもんは「ドン」とのびたの頭を叩いて、「えらい!!」と絶賛している。

 

  そして、「いくじなしであまったれで、気も頭もよわいきみが、よくそこまで決心した! 力をかすから、やれるだけやってみな」と激励している。

 

 ドラえもんはお金はなかったけれども、のび太を田中荘に連れていき、大家さんが縁起を担いで、四号室を作っていないので、三号室と五号室の間にひみつ道具『ナイヘヤドア』を張り付けている。中に入ると、ほかの部屋と同じであり、ドアを外せば、外は元通りの壁になった。

 

 ママを少しぐらい心配させるためのび太は家出をして、アパートに手荷物ひとつで引っ越している。ゴロゴロしていると、隣の人が間違って入ってきたので、外のドアを取り外すことにした。

 

  ママが家出に気づいて、うるさいこごとなどを反省したとか、さらに、友だちもぼくの勇気と実行力に感心するだろうと、ドラえもんにとても楽しげに語っていた。

 

しずちゃんたちに電話すると、しばらくして、みんながドアの前にやってきた。大家さんが四号室などないと答えると、スネ夫やジャイアンが「あいつはそういういいかげんなやつなんだよ。こんどぶんなぐってやる!」と大声で文句を言っていた。

 

 裏口から出て引き留めようとすると、三人に合わないで、ママに会ってしまったので、のび太は「とめてもむだだからね」と叫んで、「ビュー」と部屋に戻ってきた。

 

  どっさり宿題があったけれども、ママに怒鳴られないとやる気が出ないので、ママに会って、「いつまでもうろついていないで、宿題やりなさい」と言われたので、やっと宿題をやる気になった。

 

 ドラえもんが晩ご飯のため、帰ると、のび太はカップメンを作ったり、洗濯をしたり、ラジオを大きな音で聞いたので、隣の人は三号室の人に、ラジオを小さくしてくださいと怒鳴っている。すると、隣同士がけんかを始め出し、うるさいアパートになってしまった。

 

ひとりぼっちになると、のび太は「ママはまだ、ぼくの家出に気がつかないのかな。ほんとなら、そろそろ心配になって、あちこちさがしまわって、つれもどしにくるべきなんだ」という心境になってきた。

 

「それとももうさがしてるのかな? さがしてもここだとなかなかみつからないかもな。もっとさがしやすいところへ、ひっこそう」という気になって、「ナイヘヤドア」をかついで家に帰った。家の壁に張り付けたけれども、「まだぼくの家出に気づかない、はく情なもんだなあ」とドアから顔を出して、やきもきしていた。

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