階級ワッペン[★★]
[初出誌] 『階級ワッペン』、「小学六年生」1977年4月号、10頁、68コマ
[単行本] 『階級ワッペン』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第15巻」1978年7月25日 初版第1刷発行、10頁、71コマ
[大全集] 『階級ワッペン』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 5」2010年1月30日 初版第1刷発行、10頁、71コマ
【初出誌vs.大全集】
「ほう?……、おれのいうことがきけないってのか?」コマ挿入[441(3)]
「このやろ……」コマ挿入[441(4)]
「いたあい、気をつけてよ」が「いたあい」に変更[441(7)]
「気をつけてよっ」コマ挿入[441(8)]
「町内を五十回!!」が「町内を五十周!」に変更[442(9)]
[梗概] のび太が百円玉を拾ったので、交番に届けようとしたら、ジャイアンがこれでアンパンを買おうと言い出した。ジャイアンがスネ夫に頼むと、スネ夫がのび太に頼むので、結局、のび太が買う羽目になった。しかも、二個しか買えなかったので、のび太はアンパンを食べることができなかった。
家では、パパがママにタバコのついでにタマネギを買うように頼まれたが、結局、のび太が買いに行くという貧乏くじを引くことになった。のび太が「じつにおもしろくない!」と、ドラえもんに抗議すると、ひみつ道具『階級ワッペン』を出してくれた。
このワッペンは、未来の遊びに使う一種の出世ゲームであり、日本陸軍の階級がモデルになっている。
のび太がこのワッペンを「ペタ ペタ」とママとパパの背中に貼り付けて、「アンパン十個とマンガ十冊」を駆け足で買いに行くように命令している。のび太はにくらしいジャイアンにビリッカスの二等兵、スネ夫には一等兵、しずちゃんには中将をそれぞれ貼り付けている。
ジャイアンがスネ夫の模型飛行機をいつものように奪ったが、スネ夫が返してほしいと頼むと、気をつけの姿勢で「はいっ。おかえしします!」と素直に答えている。その飛行機がしずちゃんの頭に当たり、「気をつけてよっ」と注意されると、ジャイアンとスネ夫は整列して「はいっ、気をつけます」と答えている。
なにかへんだと思ったスネ夫がジャイアンの背中にへんなものが貼ってあることに気づいた。二人がはがそうとしたがはずれず、「のび太のしわざかっ」と襲いかかってきた。のび太は「まわれ右!」と指示し、さらに、「かけ足で町内を五十周まわれ!」と命令している。
ジャイアンが「のび太のやつ!」と言いながら、「フー フー」走っていると、ものすごい暑さになり、セーターを脱ぐことにした。服を脱ぐと命令が効かなくなるので、みんなにそのことを伝えている。
のび太は真っ青になって、「みんなで、家をとりまいているよ、どうしよう」と懸命に助けを求めているが、ドラえもんは座って、すました顔で「だからいったのに」と言い放っている。
[S0561・A1512・067704]